2022-08-30 更新
香取慎吾、岸井ゆきの、井之脇海、的場浩司、余貴美子、市井昌秀監督
香取慎吾が『凪待ち』以来3年ぶりに主演した映画『犬も食わねどチャーリーは笑う』の完成披露舞台挨拶が都内で行われ、主演の香取を筆頭に、共演の岸井ゆきの、井之脇海、的場浩司、余貴美子、メガホンを取った市井昌秀監督が登壇してクロストークを行った。
本作は、田村裕次郎(香取)と日和(岸井)夫婦の日常を描くブラック“ラブ”コメディ。妻たちが夫に対する本音を書きこむSNS「旦那デスノート」への書き込みをきっかけに、結婚4年目のカップルが夫婦げんかを起こすさまが描かれる。散りばめられたジョークや登場人物たちのやり取りにニヤリとしながら、どこか“怖さ”を感じずにはいられないコメディ作品となっている。
夫の田村裕次郎役を務めた香取は、自身の役柄について「すごくダメな男の役なんです」と明かし、「僕自身、香取慎吾はすごくいい男なんで(笑)、演じながら、共感できない役でした」と愚痴をこぼす。香取は監督と同い年であることを明かし、「監督自身脚本も書かれているので、監督自身を描いた作品でもあります」と話した。また、香取は田村の行動にイライラすることも多かったようで、「『そこちゃんとしろよ』『何やってんの』って。彼がどう変わっていくかっていうストーリーなんですけど……」と愚痴り続けていた。
初共演で香取の妻・日和役を務める岸井は香取を見つめながら、「小さい頃からテレビなどで、ず―っと見てきた人じゃないですか。見てきたままの香取さんがいらっしゃいました」と印象を語る。「圧倒的な“香取慎吾”という揺るがないものをすごく感じました」と力を込めた。また、現場では「香取慎吾さんがそこ(すぐそば)にいてくれるんです。何のプレッシャーもかけないで。すごく嬉しかったです」とコメントした。
妻の反対を押し切って自分の着たい服を着てきた!という市井監督は「コロナ禍で撮影が2度延期になりました。(キャスト陣、スタッフ)みんなのおかげで完成にこぎつけました。ありがとう」と感謝の言葉を口にした。
物語にちなんで、日頃言えない愚痴について話す場面では、香取は「愚痴ないなぁ。(自分は)すごく優しいいい子なんで……」とすぐには頭に浮かばない様子。会場からは笑いが巻き起こった。その後、香取は思いついたように「ありました、愚痴!」と声を上げ、「いまだに『あー、草彅くん!』って言われます」と、草彅に名前を間違われることがあることを告白した。「『あ、慎吾です。いいんですけど』って言うんですけど、昔から名前を違われるのはよくあるんですよ。全然違うはずなのに―。大丈夫なんですけどね」と話す。さらに「でも、不思議なことに『(稲垣)吾郎ちゃん』って言われたことは一度もない」と明かし、会場に笑いを誘っていた。
舞台のツアー中だという岸井は「終演後の時間が短いんです。20分くらいで帰らないといけないんです。もうちょっとゆっくりさせてー!」とこぼす。井之脇は「マッサージとか知らない人に触られるのが苦手」と告白した。余は「階段を上るとき、夫がいつも『カンチョー』してきます(苦笑)」とのろけ(?)た。
最後に、市井監督は「自分から面白いと心から思える映画が出来ました」と思いをこめてアピールした。
香取は「映画に出演させていただいて、舞台挨拶で劇場にたくさんの方が足を運んでくださって嬉しいです。本当に幸せです。今はスマホ1つでなんでも見られる時代だけど、こんなに大きなスクリーンで映画を観られる場所ってやっぱり映画館しかないと思うので、ぜひとも劇場に足を運んでください。好きな映画になってもらえたら嬉しいです」とメッセージを送った。
(取材・文・写真:福住佐知子)