2022-06-16 更新
今井 翼、塚本高史、JUON、塚本連平監督
映画『TELL ME ~hideと見た景色~』完成披露上映会が都内で行なわれ、今井 翼、塚本高史、JUON、塚本連平監督が出席して作品についてクロストークを繰り広げた。当日はゲストとして原作者でhideさんの実弟でもある松本裕士氏も出席。初対面の松本氏から(映画化などの)感謝の言葉を受けて今井が感極まり、涙を見せる一幕も見られた。
本作は、X JAPANのギタリストやソロ・アーティストとして活躍していたミュージシャンで、1998年にに急逝したhideの実弟・松本氏の著書『兄弟 追憶のhide』(講談社文庫刊)が原作。hideが遺した音楽を世に届けるため奮闘する弟と仲間たちの軌跡が描かれる。
hideの弟で駆け出しのマネージャー・松本裕士役を務めた今井は、映画初主演となる。満員の会場に向かって今井は、「この日を迎えられ、本当に特別な思いでいっぱいです。ありがとうございます」と感無量な様子。
X JAPANのYOSHIKIからの「hideの残した音楽や芸術を世の中に語り継いでくれることに感謝します」というコメントがMCによって読み上げられると、今井は「僕はX時代からhideさんはもちろん、YOSHIKIさんのことがすごく好きで……。このようなお言葉を頂けて本当に感無量です」と感激しきりだった。
出演のオファーをもらったときを振り返って今井は「しっかりと自分の意志を持って描いて行きたいと強く思いました」と語った。
hide役を演じたロックバンド・FUZZY CONTROLのギター&ヴォーカルのJUONは劇中のhideそのまんまのヴィジュアルで登壇。「映画公開するまでピンクのヘアでいようと決めていました。オファーをいただいて、非常に光栄なことでした。hideさんと同じ、ヴォーカルとギタリストとして、撮影中は愛しい時間が流れていました」と心を込めて話した。出演のプレッシャーよりも嬉しい気持ちが勝っていたようだ。毎日hideのことを思い、役に没頭していたことも話し、hide役を演じることに喜びを感じていたと明かした。
hideと2人で楽曲を制作していたhideの共同プロデューサーのI.N.A.役を務めた塚本はhideの大ファン。「(自身の役が)僕じゃなかったらすごく嫉妬しています」と話した。
そんな塚本に今井が「衣装にしてもギターにしても細かいところに高史くんがアドバイスしてくれました。忠実に向かっていけたのは高史くんの存在が大きいと思います」と塚本に対して敬意を表した。
塚本は作品への重いが強く、「hideちゃんのファンを裏切らないものにしたかった。嘘のないように監督も細かいことまでこだわってくれるようにアドバイスしました。監督が現場ですんなり受け入れてくれて。監督の懐の深さのおかげで、僕も翼くんも多くを語らず現場で芝居をすることができました」とコメント。Hideファンにとって誠実な映画となっている。
塚本監督は「撮影前にhideさんについてかなり調べました」と苦労も吐露していた。
終盤に、松本氏がサプライズ登壇。今井に花束を渡した。松本氏は「大変な役をやっていただき、本当に感謝しかありません」と今井に頭を下げると、今井は、裕士さん役を演じるについて「この役を演じるってすごく難しくて……。当時、裕士さんが抱かれた辛さを考えれば考えるほど、これでいいのかという不安がありましたが、自分なりに丁寧に演じたいと思って挑ませていただきました。裕士さんから感謝の言葉をいただけて、この作品に巡り合えて良かったなって思っています」と涙を浮かべた。また「塚本監督が1シーン、1シーン丁寧に導いてくださったのでキャストの一人ひとりがそれぞれの役の思いで芝居をすることができました」と監督に感謝を伝えた。
最後に塚本監督は客席に向かって「皆さんにとって大切な映画になれたら……」と願いをこめた。
今井は「この作品は、hideさんが残した大切なものを守り抜くことがテーマ。hideさんを近くに感じながら、それぞれの思いで過ごして欲しい」と観客にメッセージを伝えた。
(取材・文・写真:福住佐知子)
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