インタビュー・記者会見等、映画の“いま”をリポート!

Cinema Factory

Cinema Flash



舞台挨拶・イベント

トップページ > 舞台挨拶・イベント > 島守の塔

『島守の塔』完成披露試写会

2022-07-01 更新

萩原聖人、村上 淳、吉岡里帆、香川京子、五十嵐匠監督

島守の塔shimamori ©2022 映画「島守の塔」製作委員会
配給:毎日新聞社 ポニーキャニオンエンタープライズ
7月22日より、シネスイッチ銀座
8月5日より沖縄、兵庫、栃木にて上映開始。その後、順次全国公開

 太平洋戦争末期の沖縄戦をテーマにした映画『島守の塔』の完成披露試写会が都内で行われ、キャストの萩原聖人、村上 淳、吉岡里帆、香川京子とメガホンを取った五十嵐匠監督が舞台挨拶登壇してクロストークを繰り広げた。


 本作は、第2次世界大戦末期、長期の地上戦が決行された沖縄を舞台に、「生きろ!」と県民の疎開政策と食糧確保に尽力した当時の沖縄県知事・島田 叡(萩原)と沖縄県警察部長・荒井退造(村上)、ふたりの生き様を通してそれぞれの苦悩や葛藤、命の尊さが描かれる。

 戦後75年(2020年)に向けた企画だったが、コロナ禍ということもあって延期となった。撮影の延期は中止に等しい映画界で、五十嵐監督はあきらめず、「スタッフとキャストは変えない」という決意を貫き、1年8ヵ月後に撮影を再開、完成にこぎつけた。今年、沖縄の本土復帰50年の節目の年に劇場公開することになった。

 主演で、沖縄最後の官選知事・島田 叡(あきら)役を務めた萩原は、1年8ヵ月の撮影延期後に撮影を再開し、完成にこぎつけたことについて「本当に奇跡だと思います。変わらないスタッフで製作することができて、“この作品は生きている”と思いました」と感無量な様子。


shimamori

 島田と行動を共にした警察部長の新井退造役を務めた村上も「五十嵐監督の熱量は普通じゃありません。今日という日を迎えられたのは五十嵐監督のおかげだと思っています。監督には感謝しかありません。この場を借りて監督、ありがとう!」と語り、五十嵐監督へ強い信頼の眼差しを向けた。


shimamori

 島田の世話役の県職員・比嘉 凛役を務めた吉岡は、撮影が中止になった日を振り返り、「話し合いの時間があったんですが、そこで監督から『再開することがあったら力を貸してほしい』『必ず完成させます』とお言葉がありました。完成した作品を観て、本当に意義がある作品になったと思いました」としみじみと語った。


shimamori

 現在の凛役を務めた香川は、1953年公開の『ひめゆりの塔』で、ひめゆり部隊と呼ばれた女子学生を演じている。沖縄との深い縁や絆を感じている香川は「この役は私がやらなければいけない役だと思ったんです。戦争は本当に恐ろしいもので、今までずっと平和でいられたことの幸せと、戦争はいけないことだという気持ちを、この映画をご覧になって考えていただけたら……」とコメント。命や平和の尊さを訴えた。


shimamori

 五十嵐監督は撮影時の台本を胸にしっかりと抱きながら「キャストとスタッフのおかげで完成できた奇跡のような映画です」と力を込めた。


shimamori

 最後に、村上が「監督やスタッフのいちずな情熱で完成しました。吉岡さんや香川さんをはじめ、女性たちが輝いています。そこも楽しみにしてください」とコメントし、萩原は「命が溢れている作品です。心して観ていただければ……」とメッセージを伝えた。


shimamori

 2人の締めの挨拶後にイベント終了の予定だったが、五十嵐監督が突然吉岡にもコメントするようにうながし、「恥ずかしいです。油断していました」とあせる吉岡だったが、「五十嵐監督、どうぞ元気で長生きしてください」と返し、会場は温かい拍手に包まれた。

 映画は神戸新聞社とサンテレビ、荒井の出身地の下野新聞社、沖縄の琉球新報社と沖縄タイムス社などが連携して製作した。


shimamori

shimamori


(取材・文・写真:福住佐知子)



関連記事
大女優・香川京子が平和を願いナレーションを担当!予告映像&場面写真解禁
公開記念舞台挨拶

Page Top