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『シン・ウルトラマン』大ヒット記念 トークイベント付き『ウルトラマン』4K特別上映会

2022-06-05 更新

古谷 敏(ウルトラマン・スーツアクター)、清水 節(映画評論家・クリエイティブディレクター)

シン・ウルトラマンshin-ultraman ©2021「シン・ウルトラマン」製作委員会
©円谷プロ

東宝
全国東宝系にて大ヒット上映中

 現在興収29億円を記録し、幅広い世代から支持を集めている映画『シン・ウルトラマン』の大ヒットを記念した、庵野秀明セレクション『ウルトラマン』4K特別上映が6月3日(金)から12日(日)までの10日間、全国13劇場にて実施中。上映初日となる6月3日(金)に、TOHOシネマズ 池袋にて、トークイベント付きの特別上映会が開催された。


 イベントには、初代『ウルトラマン』でスーツアクターを務めた古谷 敏(ふるやびん)氏と、映画評論家・クリエイティブディレクターの清水節(しみずたかし)氏が登壇。今回、映画『シン・ウルトラマン』の企画・脚本・総監修をつとめた庵野秀明氏が選んだ4本の作品が、初めて4Kで特別上映されることを記念して、ウルトラマンに対する熱いトークが行われた。

 懐かしの初代ウルトラマンのBGMが流れるなか、会場は、初代ウルトラマンのスーツアクター登壇という、ファンにはたまらないイベントの開幕を、今か今かと待ちわびるその熱気につつまれた。幅広い年齢層のファンが集まった場内は、長く愛されるウルトラマン・シリーズ作品のその歴史と、世代を超えた根強い人気に裏打ちされた光景となった。

 ステージにあがった古谷は、和服に身を包み登場。「待ってました!」と声の上がる会場に笑顔を見せた。まず話題は現在大ヒットを記録している『シン・ウルトラマン』について。本作のクレジットロールには、ウルトラマンのCG原型モデル、そしてモーションキャプチャーアクターとして古谷の名前がある。『シン・ウルトラマン』を鑑賞しての率直な感想を聞かれ、古谷は「随所にちりばめられている初代ウルトラマンの要素に製作側のウルトラマンへの愛を感じた。庵野さん、僕のこと好きなんでしょうね」と新しくなったウルトラマンにもご満悦の表情。一方で、今回CG技術も駆使し再現された新たなウルトラマンに「ぼくよりもかっこいい(笑)。あのしなやかさは僕には出せなかったな」と感想を述べ会場の笑いを誘った。最先端の技術で生まれ変わった作品に喜びを語りつつ、「あの素晴らしい『シン・ウルトラマン』という作品を、CGを使わずにワンカットでも撮影したいですね」とファンの夢を膨らませる発言に、会場から大きな拍手が沸き起こった。

 その後トークは、今回の4K上映作品を選定した庵野氏から事前に寄せられた、選定にいたったその経緯と各作品へのコメントに触れながら行われた。一つひとつの作品に対し、あふれ出てくるエピソードの数々には、ウルトラマン・スーツアクターの先駆者としての苦悩や撮影当時の裏話が語られた。「まったく新しい宇宙人をつくる」というウルトラマン誕生当時の制作陣の期待にこたえるべく、アクション未経験ながら、プロレスや空手から着想を得て挑んだ戦闘シーンや、スーツアクターならではの、表情の見せられない中で演技を行う苦悩など、ウルトラマンの中に入って戦った古谷にしか語られない話に、会場を埋め尽くしたファンは食い入るように耳を傾けていた。

 改めてウルトラマンという存在に対する思いを聞かれた古谷は当時を振り返り、自分の演じるウルトラマンに悩み、一時は役を降りたいと考えた時、撮影所へ向かうバスの中で子どもたちが「ウルトラマン!」「怪獣!」と嬉しそうに話す姿に、「ウルトラマンは夢を与えているんだな。自分が役を降りてしまったら、その夢を終わらせてしまう」と、自分にしかできないウルトラマンへの誇りとなったことを語った。会場スクリーンには、ウルトラマンのスーツを身にまとった古谷と、ウルトラマンの生みの親・円谷英二が初めて対峙したときの写真が映し出され、「この時、円谷さんが言ったのは、息苦しくないか? 目見えるか?」という意外な優しさの言葉、そして「ウルトラマンは子どもたちに夢を与えなければならない」と語られたことを明かし、集まった多くの方々を見つめながら感慨深い表情を見せていた。

 イベントの最後、フォトセッションの際には往年のスペシウム光線のポーズを披露した古谷。盛り上がり冷めやらぬ中、新たに世を沸かせるウルトラマン作品に対して「『シン・ウルトラマン』という作品をきっかけに、過去のウルトラマンにもたくさんの方に興味を持ってもらえたら嬉しい。2回3回とは言わずに、10回以上は観なきゃいけないね」と、明るい言葉で締めくくった。また聞き役をつとめた清水は、4Kで上映される当時のウルトラマンに対し「色の鮮やかさがぐっと上がって、コントラストが明確。昭和40年代にタイムスリップした気持ちで鑑賞してもらいたい」と、美しい映像に見つける作品の魅力に期待の言葉を添えて、笑顔でイベントを締めくくった。


shin-ultraman

● 庵野秀明セレクション『ウルトラマン』特別上映エピソード

 ・第18話「遊星から来た兄弟」(凶悪宇宙人 ザラブ星人/にせウルトラマン 登場回)
 監督:野長瀬三摩地/脚本:南川竜、金城哲夫
 <庵野秀明氏 作品選定に関するコメント>
 M5曲が初めて劇中にかかり、初めてウルトラマンがヒーローとして自覚的に描かれたエピソードだと感じています。発射と命中が同画面に収まっている近距離での夜のスペシウム光線が素晴らしく、4K大画面に映えるかと思い選びました。

 ・第26話「怪獣殿下(前篇)」(古代怪獣 ゴモラ 登場回)
 監督:円谷一/脚本:金城哲夫、若槻文三
 <庵野秀明氏 作品選定に関するコメント>
 怪獣を特異なキャラクターとして子ども視点も交えながらリアルに描いたエピソードだと感じています。M-4T2曲が流れカラータイマーの点滅音が響く中、ウルトラマンが美しくやられていくさまが、4K大画面に映えるかと思い選びました。

 ・第28話「人間標本5・6」(三面怪人 ダダ 登場回)
 監督:野長瀬三摩地/脚本:山田正弘
 <庵野秀明氏 作品選定に関するコメント>
 宇宙人を怪異なキャラクターとして人間を標本にするという恐怖をサスペンス的に描いたエピソードだと感じています。何はともあれウルトラマンの滞在時間が長くその分楽しめるのと、ダダに決まる蹴りの格好良さが、4K大画面に映えるかと思い選びました。

 ・第34話「空の贈り物」(メガトン怪獣 スカイドン 登場回)
 監督:実相寺昭雄/脚本:佐々木守
 <庵野秀明氏 作品選定に関するコメント>
 ウルトラマンの空想世界を自覚的に寓話として真面目に描いたエピソードだと感じています。映像は実世界の一部を意図して切り取り積み重ねて構成されている面白さが、4K大画面に映えるかと思い選びました。



(オフィシャル素材提供)



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