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アメリカ・インディーズ界の新鋭監督から見た新宿『MAYONAKA』公開決定

2022-03-23 更新

MAYONAKAmayonaka

配給:last.train.films

 居場所を失った少女、心を病んだ男。2人が迷い込む闇のラビリンス。アメリカ・インディーズの気鋭の新人監督ロバート・カプリアが描いたもう一つの新宿、真夜中の冒険。『MAYONAKA』が5月21日(土)より池袋シネマ・ロサほか全国公開となる。


 歌手になることを夢見ていたクミ(暁月ななみ)。しかし今は夢も居場所も見失い、誕生日である今夜、処女を失うか、自殺するか、と悩む。一方、アキラ(高橋ツヨシ)は日々に疲弊し社会の歯車の中で心を病む。そんな2人が偶然、新宿で出会い、次第に心の距離を縮めるが……。真夜中に待ってるのは生か、死か?

 異邦人が描く新宿を舞台にした不条理なボーイ・ミーツ・ダーク・ファンタジー。

 監督は生粋のニューヨーカー、ロバート・カプリア。彼は初長編作品の舞台に日本を選び、ネオン輝く夜の新宿、歌舞伎町などでゲリラ撮影を敢行した。異邦人の目から見た、もうひとつの新宿を舞台にしたダーク・ドラマは、ニューヨーク・インディーズ、カサヴェテスなどの肌触りを感じさせる。撮影に際して、俳優たちは実際の街に投げ出され、最小限のスタッフの元、フィクションとドキュメンタリーの狭間を行き交いながら撮影に臨んだ。ダブル主演のクミ役には、和楽器ヘビーメタル・バンド「KAGURAMUSOU」のヴォーカリストとして活躍の暁月ななみ。同じくダブル主演のアキラ役は高林陽一監督、岡大地監督らの作品に出演、多くのキャリアを持つ髙城ツヨシ。ヘバディス映画によりフランス他ヨーロッパ各国での配給、公開が決定。アメリカでもKINEMAにより順次公開予定である。


ロバート・カプリア監督 プロフィール

 1970年生まれ。アメリカ・ニューヨークで生まれ育ち、幼い頃から兄とともにスーパー8カメラを使い映画を作り始める。
 ニューヨーク大学フィルムスクール在籍中に撮ったドキュメンタリー作品「Head of the House」で、マーティン・スコセッシ監督からの賞を含む、3つの最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。数年後、スコセッシ監督がブロンクスにある古い高校にスコセッシ・メディア・センターを設立するにあたり、その運営を任される。国連においても、世界中で撮影されたドキュメンタリーの作成を担当。
 2010年、アニメーションとビデオの両方を作成するActuality Filmsを立ち上げ、ザビーチボーイズ、グレイトフルデッドやグラミー受賞者などのミュージック・ビデオを手がける。
 映画『MAYONAKA』は初長編監督作品となる。


コメント

 日本は自殺率とうつ病率が高いということを知りました。これは物事の基準が高く、それをクリアすることが難しいためだと私は思います。
 この映画の中では、そのような二人が登場します。電車のようにすれ違う二人の魂の比喩として駅をモチーフに使いました。彼らの人生は彼らが望んでいるものではなく、二人とも同じような絶望の旅に出ています。途中で彼らは同じ道を共有し、人間の繋がりを作り始め、彼らの旅は少なくとも、しばらくの間は、孤独から解放されます。
 私にとって日本は、とても不思議な国であり、最初、日本で良い映画を作るのはとても難しいことだと思いました。黒沢、今村、篠田、吉田監督など日本の偉大な監督の作品を見て研究を重ねました。このことは私に、映画の中におとぎ話やドストイエフスキーの要素を取り入れるという自分の本能、考えに従うことを後押ししてくれました。実際の撮影においてはドキュメンタリーの方法を使って撮影を行いました。


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暁月ななみ プロフィール

 沖縄県出身。
 2017年ご当地アイドル・メンバーとして徳間ジャパンコミュニケーションズよりメジャー・デビュー後、1年半の活動を経てアイドルを卒業。2019年9月より女優・歌手として活動を開始。
 同年、初出演映画『MAYONAKA』で主演に抜擢される。
 2020年10月、日本伝統楽器とメタルを融合した和楽器ヘビーメタルバンド「KAGURAMUSOU」のヴォォーカリストとして加入。映画『怪奇タクシー』にも出演。


コメント

 クミは、私の性格にも似たところがある少女であったため、自然の姿で演じた部分もありました。この作品が描く様々な人たちが行き交う大都会の“闇”は、ドキュメンタリーなのか? フィクションなのか? そんな視点でクミやアキラの心境について注目しながら観ていただきたいです。


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高城ツヨシ プロフィール

 大阪出身1966年生まれ。
 映画を中心に活動。2007年ぴあフィルムフェスティバル準グランプリを受賞した岡太地監督の三作品に出演。
 その後、ATG作品『金閣寺』などで知られる高林陽一監督の晩年の3作品に主演。『涯てへの旅』では2008年モナコ国際映画祭にてベスト・ナレーション賞など三賞を受賞。
 その他に、『殺意の道程』バカリズム脚本・住田 崇監督、『この空の花~長岡花火物語』大林宜彦監督、『はやぶさ 遥かなる帰還』瀧本智行監督、『一粒の麦 荻野吟子の生涯』山田火砂子など多数。


コメント

 夜の新宿の街中で、監督と最低限のスタッフとともに言語の違いを超えて、心で会話しながら撮影に臨んだ日々を思い出します。この映画の中には、日頃、私たちが当たり前のように見ていた新宿や日本とは違う、他国の人から見た日本、新宿の風景や問題点が映しこまれています。それは私たちがその様な現実があることを知りつつも、あえて目を向けて来なかったことかもしれません。ぜひ、映画『MAYONAKA』を観て何かを感じ取っていただければ幸いです。


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(オフィシャル素材提供)



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