2021-12-20 更新
鳴海 唯、仲 万美、松尾大輔監督
2011年の『ヒミズ』から10年間、園 子温監督のほとんどの作品の助監督を務め、園監督に師事してきた松尾大輔が、満を持して、長編映画監督デビュー。田舎で一人で暮らしていた妹が東京で自分と一緒に住み始めた途端に行方不明になってしまったエイミと、同じく妹が行方不明のヒヨリが、共に犯人を捜すミステリーをベースに、姉二人の心の揺れを丁寧に描く。12月18日(土)、『偽りのないhappy end』の公開記念舞台挨拶が行われ、監督とW主演の鳴海 唯&仲 万美が登壇した。
公開を迎えた想いを聞かれたエイミ役の鳴海 唯は、「公開2日目を迎えまして、本当にたくさんの方に本日も来てもらえて感無量です。2年前に撮影して、コロナ禍で大変なこともあったんですけれど、ようやく皆様の元にお届けできるのが本当に嬉しくてたまりません!」と挨拶。
ヒヨリ役の仲 万美は、「昨日は『今日初日なんだ』というふわっとした感情だったんですけれど、今日やっと実感できたというか、『昨日から公開しているんだ!』みたいな達成感を感じています」、松尾大輔監督は「映画は観てもらって完成なので、今日を迎えられたことが大変嬉しいです」と感無量の様子。
本作は、消えた2人の少女を探す、2人の姉の話。2人の姉役にこの二人をキャスティングにした理由を聞かれた松尾監督は、「今まで仕事したことがない方と仕事をしたいというのがあって、いろいろな方の映像や資料を見た時に、鳴海さんの短いお芝居を見て、この役に合うかなと思い、キャスティングさせていただきました。いろいろなものを感じてくれるんじゃないかというのが一番の決め手です。仲さんはもともとダンスをやられていて、僕も面白い方を使いたいというのがありました。映像を見させていただいた時に、内に秘めた何かを持っていらっしゃるのかなと思いました。この役は、内に秘めたものがないと成り立たない役なので、それをぶちまけていただきたいと思ってキャスティングしました」と回答。
脚本を読んだ感想を聞かれ、鳴海は「ここまで人の心情描写が丁寧に描かれている作品はなかなかないのではないかとびっくりしました」と答え、仲が「すごく心情が書かれているんですけれど、それを自分が表現できるのかという不安はすごくありました。我ら普段すごく明るいので、『うちら、できるかな?』と話したけれど、できたね!」と鳴海に振ると、鳴海も「できました!」と二人で笑いながら自信を見せた。
鳴海は本作が初主演。オーディションでなくオファーが来た時の想いを聞かれ、「オファーをいただいた時はお芝居を始めて1年経っていない時で、自分のお芝居をまだ評価されたことがない時だったので、私でいいんだろうかと不安だったんですけれど、オファーをしてくださっているからには監督の想いに応えたいという気持ちがすごく強くあったので、全力で頑張ろうという気持ちになりました」と述懐。
鳴海の役は、実際の年齢より6歳上の役だった。「当時21歳の時に27歳の女性を演じたので、見た目から入ろうと思いまして、まず髪の毛を伸ばしました。エイミはお姉さんの役なので、落ち着いてしゃべってみようだとか、携帯を持っていない役柄なので、撮影期間は実際に携帯を持たずに過ごしてみたり、外部的なものからやっていきました」と裏話を披露した。
仲はマドンナのバックダンサーとしてワールド・ツアーに約1年半同行した実績のあるダンサー。ダンスのシーンがない役のオファーが来た時の想いを聞かれ、「ダンスをずっとやっていて、ダンスを一旦ちょっとやめてお芝居の仕事を始めたんです。でも映画だったり舞台だったりをやる時にダンスは付き物で、自分の武器でもあるんです。今回初めてダンスがないお芝居をやるということで、今まで『ダンスがないのもやってみたいな』と思っていたのが、『ダンスがないけど大丈夫なのかな』という不安はいっぱいありました。挑戦というか、気合も入りましたし、プレッシャーにもなりましたし、すごくいい経験をさせていただきました」と達成感を感じている様子。
仲が演じたヒヨリは、胸ぐらをつかむシーンもある。「お芝居でも実際でも今まで喧嘩をしたことがないので、まず『どうやって胸ぐらをつかむんですか?』というところから教えてもらいました。『ひねるんだよ。』『位置は?』と新鮮でした。役柄も自分とは正反対なので、全てにおいて新鮮というか、楽しかったです」と話した。
これから観る方に見どころを聞かれた鳴海と仲は、それぞれ、「たくさんの素敵な役者さんたちが出てくるので、視点を変えて、素敵な役者さんたちのお芝居も楽しんでいただければと思います」、「いろいろな女の子たちが出てきて、いろいろな女の子たちの事件があって、きっと1回(の鑑賞)だけでは足りないです。今日だけでなく、また来ていただけたら、またより面白いところが見えると思います。ぜひ楽しんでください」とアピールした。
最後に松尾監督より、「僕が自由にやってもいい枠組みでやっているので、映画の普通の作り方とは違う挑戦をやっています。『普通こう見せた方が分かりやすいだろうな』というところを、僕が思う見せ方でやっていて、僕がやりたいことを映した映画です。毎日上映後サイン会もしますので、感想を言っていただけたら嬉しいです」とメッセージが送られ、舞台挨拶は終了した。
(オフィシャル素材提供)
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