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『SAYONARA AMERICA』舞台挨拶

2021-11-22 更新

細野晴臣、佐渡岳利監督

SAYONARA AMERICAsayonara-america ©2021“HARUOMI HOSONO SAYONARA AMERICA”FILM PARTNERS
ギャガ
全国順次公開中

 細野晴臣のデビュー50周年を記念したドキュメンタリー映画『NO SMOKING』から約2年。2019年に米ニューヨークとロサンゼルスで開催した細野初のソロライブと、直近のトーク・シーンをまとめたライブ・ドキュメンタリー映画『SAYONARA AMERICA』が、2021年11月12日(金)より、シネスイッチ銀座、シネクイント、大阪ステーションシティシネマ他にて全国順次公開されている。本作の公開を記念し、11月21日(日)、細野晴臣と佐渡岳利監督を迎え、奥浜レイナのMCの元、シネスイッチ銀座で舞台挨拶が行われた。


 大きな拍手の中、登壇した細野晴臣と佐渡監督。「こんなに大勢の方がいらっしゃって、世の中が元に戻っているんだなと実感しました」と細野がしみじみと挨拶を述べた。本作品の成り立ちについて問われると「どこいるにもずっと佐渡さんが撮っているから、まとめるんだろうなと思っていました。煙草を吸っているシーンを大体とられるんですよ(笑)」と柔らかい口調で撮影の裏側を語った。また、カメラに収められているコミカルな動きについて問われると「サービスしちゃうんです」と言いつつ、吉本のお笑いに影響を受けていることも明らかにした。

 ライブを撮影していた佐渡監督は、「『NO SMOKING』は人生の生い立ちから辿っていった映画だったので、ライヴのシーンをあまり入れられなくて。なので、大音響と大画面で楽しめるようにしたかった」と本作を作り始めた動機を語った。

 また、アメリカツアー後、コロナ禍になったことについて細野は、「まったく予想していなかった。10年くらい前の出来事のような気がしていて、バンド・メンバーもそうだと思うんだけど、気持ちも変わってしまった。だから本作をライブだけの映像にするのは違和感があるなと思って、今感じているシーンをどうしても入れたかったんです。今の自分から見て2019年の自分はどうだったか。それを考えてまとめました」と、映画冒頭に収められているモノローグ映像について語った。


sayonara-america

 アメリカ現地の観客へのインタビュー・シーンについて触れた佐渡監督は、「(現地の観客たちは)素晴らしい見方、聴き方をされている。日本とは聴き方が違うということを感じた」と述べ、細野も「あまりにも見抜かれていてびっくりした」と驚きを語った。同時に「アメリカで古き良き音楽をどう受け止められるか最初は怖かった。どうなるか出るまで分からなかったから、本当に緊張していました。でも、バンドの演奏が終わって出ていったら人々の反応が東京や大阪と変わらなくて。喜んでいるのが伝わってきて、演奏も楽な気持ちできました」と当時を振り返った。佐渡監督も「細野さんの姿がステージに現れたときの歓声の大きさは本当にすごかった。グルーヴというか、来たー!って感じ。僕もいろいろなライブを撮影しますが、滅多にない光景でした。お客さんが楽しんでいるのが分かった」と現地の様子を生き生きと語った。

 映画のタイトル『SAYONARA AMERICA』の由来について尋ねられると、細野は「単純に言うと、遠くなっちゃったなという気持ちと、はっぴいえんどのときの気持ちが蘇ってきていて。あの頃も、自分たちの居場所があまり見つからない感じがしたんです。アメリカと日本の間で宙ぶらりんだった。そんな気持ちを、ある意味僕はずっとひきずっていると今回思いましたね。本当は『SAYONARA NIPPON』という言葉もつけたかったんですけど、長すぎるので、アメリカに申し訳ないんですけどつけませんでした」と笑いながら語った。

 最後に一言ずつコメントを求められると、佐渡監督は「細野さんと2019年をご一緒して、こんな幸せなことはなかったです。今、大阪で細野観光という展覧会をやっているので、お時間があれば大阪にお越しいただけたらと思います」と述べ、細野は「(大阪の舞台挨拶で)大阪に住みたいと言いましたが、いま僕は東京に住んでいますので、東京が大好きです」とチャーミングに語り、大きな拍手の中、イベントは終了した。



(オフィシャル素材提供)



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