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『母性』第41回バンクーバー国際映画祭でワールドプレミア開催

2022-10-07 更新

現地登壇者:原作・湊かなえ、監督・廣木隆一

母性bosei ©2022映画「母性」製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画
11月23日(水・祝) 全国ロードショー

 ベストセラー小説家:湊かなえの小説が原作の映画『母性』が、北米最大の映画祭のひとつ、第41回バンクーバー国際映画祭正式招待作品としてワールドプレミアが開催され、原作・湊かなえ、監督・廣木隆一が現地での舞台挨拶に登場、想いあふれる戸田恵梨香のメッセージ映像も流され、バンクーバーが揺れた!


 ハリウッド映画の撮影地としても知られ、ロサンゼルスの北に位置する事から通称“ハリウッド・ノース”と呼ばれているバンクーバーで開かれるバンクーバー国際映画祭は、1982年に始まり「映画芸術を通じて各国の相互理解を深め、映画産業の活性化を図る」をテーマに掲げ、毎年約300作品が上映され、これまでにもポン・ジュノ監督や三池崇史監督作品のプレミア上映を行うなど数多くのアジア人監督を輩出してきた歴史を持つ映画祭。この度本作は、世界各国から集められた18本の長編映画によって構成され、バンクーバーの観客の心に強く響くような優れた作品に焦点を当てることを目的として今年から新設され、観客賞の対象にもなっている「ショーケース」部門への出品とあって、非常に大きな期待を集めながら、バンクーバー国際映画祭でワールドプレミアが華々しく開催された!


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 現地には、過去に『ここは退屈迎えに来て』などでもバンクーバー国際映画祭へ度々招待されている名匠・廣木隆一監督と、原作の映像化作品が世界中で熱烈な支持を集める原作者・湊かなえが参加。コロナ禍の影響で昨年ようやく一部の映画館上映が復活していたものの、本格的にリアルなイベントを催せるのは実に3年ぶり。650人収容の歴史ある会場は満席に埋まり観客の熱気に包まれる中、2人が少々緊張の面持ちをみせながら舞台挨拶に登場すると、映画祭の完全復活を待ちわびていた満員の観客からとびきり盛大な拍手で迎えられた。


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 廣木監督は久々のバンクーバーの観客からの温かい歓迎に「今日はありがとうございます。上映後もQ&Aセッションがあるのでたくさん質問してください。そして映画を楽しんでください」と喜びもひとしおの様子。そして今回が映画祭初参加となった湊はキャー!という歓声もあがる中、「今日はありがとうございます。話すとネタバレになってしまうので(笑)、とにかく映画を楽しんでください」と目を輝かせて挨拶。そしてサプライズで残念ながら現地での参加は叶わなかった主演の戸田恵梨香からこの日のためだけにメッセージ映像が届いていることが明かされ、拍手と共に息をのむ観客たち。「その場所で皆さん、そして原作者の湊さん、廣木監督にお会いしたかったのですが、伺うことができず本当に残念です。この映画は母性に運命を狂わされた、母と娘の物語を描きます。ルミ子は、母親を深く愛していながら、なぜか自分の娘には同じ気持ちを抱くことができない、稀有なキャラクターです。母性とは何か、そしてその資質はいつ得られるのでしょうか。バンクーバーの皆様、ご来場の皆さまがこの映画をどんなふうにご覧になって、どんな感想をお持ちになるのか、とても楽しみにしています。どうぞお楽しみください」とメッセージが流れ上映開始となった。


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 本編上映中も所々で笑いが起きたり、すすり泣きが聞こえるなど世界初上映となった本作に集中している観客たち。エンドロールが流れ始めると同時に拍手が起こり、エンドロール中も再び起こる拍手。そして終了後、監督と湊が客席から大喝采に包まれながらステージに登壇。

 興奮冷めやらぬ中行われたQ&Aセッションで、まずMCからの本作を監督することになった経緯を聞かれれた廣木監督は「プロデューサーが、僕が湊さんの作品を作ったらうまくいくのではとオファーしてくれた」とコメント。原作者としてキャスティングに参加したかとの質問に湊は「そこはいつも気になるところかもしれませんが、原作者はこの人にやって欲しいと頼むことはなくて、決まったら報告を受けるだけなんです。今回は母のルミ子が戸田恵梨香さんだと聞いて、え!?戸田さん!もう母親役やるの!と驚いたのですが、完成した作品を観て感激して鳥肌がたちました。今本を読み返しても戸田さんの顔しか浮かばないほど、戸田さんにしかできないと思いました」と大絶賛。人物の繊細な心の機微や、謎めいた物語の先に待つ衝撃的で大胆な展開など、日本だけにとどまらず海を越えてそのテーマ性や内容に熱視線が送られている本作。


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 続いて今日ここで観れてとてもハッピーと言う観客から「海外のことを頭に入れて映画を作るのか?」と質問が。廣木監督は「海外の人たちというより、日本の人たちがどう考えて、どう行動するかを念頭において作っています。それを海外の方たちがどう思うかだと思います。それが映画の個性になると思います」と答え、湊は執筆活動において「本を書くときにどこの国に向けてとか、この国の人に受けたいとは考えていなくて、人間の心の奥底にあるものは共通なのだと思います。きちんと人間の内面を描いていれば、どこの人にも通じると思います」と話すと、監督も思わず「Me, too!」と同調し笑いを誘う場面も。


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 さらに男性から「女性は2種類あると本編に出てきたが、種類を見分ける方法はあるか」と質問が出ると会場から笑いが。湊は「男性は常にいいところだけを見て不都合なことから目をそらそうとします(笑)。辛いとき、大変なときに逃げずに目をそらさずに見ていたら、どちらか見分けがつくと思います」との答えに、女性が多く集まった会場からも納得といった空気に包まれた。

 そして「本作は日本でどう受け止められると思うか」の問いには「母娘の在り方はたくさんあり、正解はないもの。そこに疑問を持ってもらえると嬉しいです。自分だったら母と娘どちらを助ける?私ならどっち?と考えられる。日常の母娘の中で考えるのはいいことだと思います」と廣木監督。「廣木監督はひとつの物語の中に複数の視点が存在する物語を撮るのがとてもお上手なんです。私の小説は同じ物事も視点が変わると違って見えることを書くことが多い。『母性』でも同じ出来事をルミ子・清佳の視点で見るとこんなに表情とか違うんだと見てわかるのが、廣木さんじゃないとできなかったと思います」とコメント。初めて聞く湊の監督への気持ちに思わず「良かった~!」と喜ぶ廣木監督。本作へ集まる大いなる注目を証明するように時間いっぱいまで多くの質問が集中し、“母性”が万国共通で人生の大きなテーマとなることが浮かび上がる濃厚なディスカッションが繰り広げられた。

 また、この日の会場となったVancouver Playhouseは昨年度、第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞、作品賞へのノミネートなど歴史的快挙で大きな話題をさらった『ドライブ・マイ・カー』が当映画祭で上映された場所。ワールドプレミアで世界でもっとも早く本作を鑑賞した、目の肥えたバンクーバーの観客からは、上映終了後に「とても面白かった! ユーモアもあって魅了された」「自分にも母と娘がいて、自分はどの母なのかと思って観ていた」「視点の描き方が面白かった。視点の違いで声とか表情が違うのがすごかった」「主演女優さん(戸田恵梨香)の狂気がすごかった。今日観られて良かった」など、それぞれがそれぞれの立場で本作を楽しんだ様子が伝わってきた。そしてQ&Aセッション後、ロビーに二人が姿を現すと、興奮冷めやらぬ観客が、一緒に写真を撮るために、長蛇の列を作って待ち構えていた。最後まで一人ひとりと言葉を交わし、写真を撮る二人の姿があった。


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 バンクーバー国際映画祭 観客賞は、日本時間10月10日(月・祝)の映画祭終了後に発表予定。日本に先駆け世界を惑わせたはじめた『母性』。日本でも10月24日から始まる第35回東京国際映画祭特別招待作品(ガラ・セレクション部門)としてジャパンプレミアが決定しており、世界を股にかけて大注目の本作に目が離せない!



(オフィシャル素材提供)



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