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『かそけきサンカヨウ』
公開記念舞台挨拶

2021-10-16 更新

志田彩良、井浦 新、鈴鹿央士、菊池亜希子

かそけきサンカヨウkasokeki ©2020 映画「かそけきサンカヨウ」製作委員会
配給:イオンエンターテイメント
絶賛全国公開中

 今泉力哉監督最新作で志田彩良主演映画『かそけきサンカヨウ』が絶賛全国公開中。10月16日(土)、本作の公開記念舞台挨拶が実施され、志田彩良、井浦 新、鈴鹿央士、菊池亜希子が登壇した。


 主人公の国木田陽を演じた志田は「陽は家事を日常的に行っている女の子なのですが、私自身は恥ずかしながら一回も洗濯機を自分で回したことがなくて。このままでは家事のできる子には見えないだろうなと思って、ちょうど撮影期間の前が自粛期間中だったので、今日から家族分の洗濯や食事の準備などをやりますと母に言って、母に一から洗濯の仕方などを教えてもらい、家族全員分の炊事洗濯をしていました。映画の中で水餃子を作るシーンがあるんですが、撮影の前日に家で100個水餃子を作ったりしました。今でもたまに家事はしていて、なるべく自炊するようにしています」と役作りでの苦労を明かした。

 主人公・陽の父親・直を演じた井浦は「映画音楽を作る仕事をしている父親役だったので、最初はどんな服を着て仕事しているんだろうというところを監督と話し合いました。メガネは掛けようかという話になって、私物の眼鏡も持っていったら“このメガネ、監督の眼鏡に似てますね(笑)”なんて話しながら、外見の部分から役について話し合っていく上で陽との距離感とかも監督と話し合って決めました」と役作り中のエピソードを披露した。

 陽が淡い恋心を抱く同級生の陸を演じた鈴鹿は「陸が壁にぶつかった時に乗り越えようとする、一歩踏み出す強さや、人に対する優しさは僕にはないので……身に付けられるよう頑張ります!」と発言。すかさず志田が「充分、優しいと思いますよ」とフォローして場を和ませた。

 陽の新しい母親・美子を演じた菊池は「この役を演じる直前に二人目の子供が生まれたタイミングだったので、ちょうど“母”ということを考えていました。物理的には母になっているけれど、中身は私自身のままで、“母と娘”について考えていた時期だったので、陽ちゃんの気持ちもよく分かって。新しいお母さんとか、言葉にしてしまうと平べったくなってしまうけれど、一人の女性として陽ちゃんとちゃんと向き合えたらいいなと思って演じました」と役について語った。

 そしてここで登壇者にはサプライズで、原作者の窪 美澄からの手紙が届けられ「“普通の家族”から、どんなに遠くても間違ってはいない、というメッセージを丁寧に、丁寧に、描いていただきました」とキャストへの感謝のメッセージが読まれると、志田は「嬉しいです。グッときました」と笑顔を見せ、鈴鹿も「映画を観てこう思ってくださって、ゼロからこの作品を書かれた原作者の方にそう言っていただけて嬉しいです」と嬉しそうな様子。井浦も「原作者の窪さんがこの映画をどう感じてくださっているのか気になっていたので、それが知れて嬉しいです」と答え、菊池も「撮影を観に来てくださったことがあって、その時に“とても楽しみにしています。すでに幸せです”とおっしゃっていただいて、私も微力ながら原作を素敵な映画にするための力になることができていたらいいなと思いました」と応じた。

 そして窪からのお手紙に続き、本日会場に来られなかった今泉監督からの手紙を井浦が代読。「観客の皆さまの顔を見たくて、正直、多少、無理をしてでも登壇しようと思ったのですが、映画『かそけきサンカヨウ』に出てくる大人たちはみんな正直で、強がらずに、生きています。ここで無理をすることこそ、この映画のメッセージに反しているのかな、なんて考え、きちんと休もう、みんなに甘えようと決めました。きっと映画の中の登場人物は“休むことが悪いことだなんて思わない”って言ってくれるだろうな、と、そう思いました。私が休んでいることも、今、一生懸命、生きている人たちへの何かしらのメッセージになれば幸いです。皆さんも辛くなったら、休むこと、忘れずにいてくださいね」とメッセージを伝えた。

 集まった観客に向けて、菊池は「家族や両親、友達や恋人とか人間関係って難しいじゃないですか。日々、人間関係で思い悩むことって多いと思うけれど、それを救うのも人との関わりだったりするので。人との関わりの中で健やかに生きていくことができると、この映画を観て私は思いました。昨日緊張して寝付けなかったんですが、この映画の場面を思い出していたら眠れました。多くの方にこの作品が届けばいいなと思います」と語った。

 井浦は「今泉監督の真骨頂といえるような繊細な映画作りによって、この作品は瑞々しい作品に仕上がっていると思います。先程の監督の手紙でも、キツイときはキツイと当たり前のことを当たり前に言うっていう、そういう当たり前のことを当たり前にするというメッセージが作品にも込められていると思います。この作品が皆さまの心を潤して癒やす作品となっていたら幸せです。気に入って下さったらぜひ周りの人にも紹介してください」とアピールした。

 鈴鹿は「監督はとことん人に寄り添ってくれる優しい監督で、この作品も人に寄り添う優しい作品です。僕はこの作品は人生の中で大切にしたい部分を繊細に描いた作品だと思っています。この作品を観て、優しい気持ちになったり、友達や家族や好きな人に優しくしたいなとか、温かい気持ちになっていただけたら嬉しいです」と作品に込めた想いを語った。

 最後に志田から「こうして映画館に足を運んでくれる方がいて、映画が無事に公開されるということは当たり前のことではないと思うので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ここ数年で世の中が変化して、心が疲れてしまった方もいると思うんですが、この作品が、逃げ場だったり、救いになってくれたらいいなと思います。まだまだ公開これから続きますので、ちょっと疲れてしまったなという人がいたら、映画館に来てこの作品を観ていただけたらなと思います。あと、今泉監督がいつも舞台挨拶などで言っているん言葉ですが、観てくれた方の感想とか直接的な言葉というのがとても大切なので、ぜひ、今日観ていただいた感想などを素直にSNSなどで広めていただけたら嬉しいですし、身近な方には直接この作品のことを薦めていただけたら嬉しいです」と観客に向けてメッセージを送った。

 映画『かそけきサンカヨウ』は全国絶賛公開中。



(オフィシャル素材提供)



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