2021-07-19 更新
ドロン・パズ&ヨアヴ・パズ監督
これまで映画化されてこなかった知られざる史実を基に、ホロコーストを生き延びたユダヤ人たちによる驚くべき復讐計画を描く衝撃のサスペンス『復讐者たち』(7/23(金)より全国公開)。この度、監督・脚本を共同で務めたドロン・パズとヨアヴ・パズの兄弟監督のオフィシャル・インタビューが到着した。
ドロン・パズ&ヨアヴ・パズ監督
イスラエル出身。TVシリーズの監督を経て、POVスリラー『エルサレム』(16)で長編映画初監督を務める。続く『ザ・ゴーレム』(19)ではユダヤ教の伝承に登場する泥人形「ゴーレム」を題材にしたホラー作品を作り上げた。
1945年、敗戦直後のドイツ。ホロコーストを生き延びたユダヤ人マックス(アウグスト・ディール)は収容所で離ればなれになった妻子がナチスに殺された事実を知り、絶望のどん底に突き落とされた。復讐心を煮えたぎらせ、ナチス残党を密かに処刑しているユダヤ旅団と行動を共にすることになったマックスは、より過激な報復活動をしていたユダヤ人組織“ナカム”に参加したことで、“プランA”と呼ばれる計画が進行中であることを知る。それは、ドイツ人600万人を標的にした驚くべき復讐計画だった。
テレンス・マリック監督作『名もなき生涯』(20)での名演技が記憶に新しい実力派俳優アウグスト・ディールが、埋めようのない喪失感と憎しみを内に秘めたマックスを渾身の演技で体現。さらに、気鋭監督自ら当時の生存者へ取材を敢行。“プランA”の真相と組織間の諜報戦、そして衝撃のクライマックスを驚くべき正確さで見事に作り上げた。ヒトラーやナチス・ドイツを扱った映画はこれまでにも数多く作られてきたが、本作は初めてホロコーストの被害者たちによる大規模な復讐計画を描き切っている。
ドロン・パズ&ヨアヴ・パズ監督 インタビュー
私たちは本作のリサーチ中、この極悪非道な復讐計画に実際に関わった人々へのインタビューに多くの時間を割いた。家族全員を失い、想像しがたい恐怖を生き延びた男女たちは生きる希望もないと考えていた。
そんな彼らが憎しみと復讐心という原初の感情で自らを満たしたのは、生きる目的を見つけるためだったのだ。今日の世界と比べると、これは今の時代にも続く要素なのだと私たちは考える。登場人物たちを執筆する際は、ナチスに家族や600万人ものユダヤ人同胞を殺害されたことで、かつては人生を謳歌していた人々が、何百万人もの命を奪うことを願う人間に変わってしまったという事実を重点に描いた。彼らは激怒し絶望した自警団であった一方で、人生に対する情熱に満ちた人間でもあったのだと。
私たちにとってこの映画を力強い歴史サスペンスとして描くことが重要だった。私たちの目的は、普通の「ホロコースト映画」から極力かけ離れたストーリーとして表現することだ。ハイボルテージなアクション満載のドラマという現代的な映画作りを、心を揺さぶる深い要素のある、この驚くべき史実と組み合わせて映画化することで、普通のミニシアター系映画から幅広い観客に届けることのできる、真に意義深く、楽しめる作品にできると考えている。
私たちは「プランA」をようやく映画化できた最初の世代として、最終的に復讐と破壊ではない人生を選んだ、勇気ある人々のストーリーを語れたことを心から光栄だと考えている。このテーマは今日の私たちの世界における社会的、政治的風潮に対してもなぞらえることができるはずだ。
(オフィシャル素材提供)
関連記事