2021-07-08 更新
柳楽優弥、有村架純、國村 隼、黒崎 博監督
『映画 太陽の子』の完成披露試写会が都内で行なわれ、舞台挨拶に柳楽優弥、有村架純、國村 隼、メガホンをとった黒崎 博監督が出席して作品についてクロストークを繰り広げた。
本作は、2020年にNHKで放送されたテレビドラマ「太陽の子 GIFT OF FIRE」とは異なる視点で描かれた、物語の完結編。太平洋戦争末期に実在した「F研究」と呼ばれる「日本の原爆開発」を背景に、時代に翻弄された若者たちの等身大の姿が描かれる。監督、脚本は「青天を衝け」など多くの話題作を手がける黒崎が務めた。原爆開発の極秘任務を受ける石村 修役を柳楽が、修の弟で父親の意志をついて軍人となった浩之を2020年7月に亡くなった三浦春馬、2人の幼なじみの朝倉世津を有村が演じている。
監督、キャストたちはコロナ禍の中、応援に駆けつけてくれた観客に感無量の様子で感謝の言葉を伝えた。
柳楽は「脚本を読んで、素晴らしい、絶対に参加したいという思いで、ぜひやりたいです。と参加させていただきました。僕や架純ちゃんや春馬くんとか、30前後の俳優がしっかりしたテーマの作品に参加して、皆に伝えていくのは意味のあることだったと思います。最高の時間でした」と撮影時を振り返る。
また、共演した俳優・三浦春馬については「春馬くんとは10代前半から一緒にオーディションに参加する仲で、戦友というかライバルでした」と話す。好きなシーンを聞かれると、柳楽は、有村や三浦と撮影した海のシーンをあげた。「太陽や衣装の関係で、“1テイクOK”という緊張感がありました」と話し、「春馬くんがこの作品に愛を持って参加してくれたように、僕もみんなと一緒に、これからも春馬くんを愛して、大切にしていきたい。そう思える大切なシーンです」と胸に溢れる思いを伝えた。
三浦との共演シーンについて、有村は「柳楽さんも春馬さんも1度お仕事したことがあったので、自然と幼なじみという関係性ができていました。撮影の合間はすごく笑顔が多かった」と述懐し、印象に残ったシーンついて「縁側で未来について3人で語り合うシーンがあったのですが、は裕之(三浦)が戦地に戻る前夜ということで、もしかしたら3人で会える最後の夜もしれないという切ないシーンでした。台本にはなかったけれど、戦地に送り出される裕之に対して、そして未来を作ろうとしている修に対して、何か言葉じゃないもので伝えたいと思って監督に相談して2人の手を握らせてもらいました。3人の空気感はとても穏やかで、人間の温もりが伝わったほほえましいシーンになって良かったと思います」と撮影時のエピソードを披露した。
日本の原子物理学者の第一人者で実在した人物、荒勝文策を演じた國村は「戦争とパンデミック(コロナ禍)の違いはありますが、どちらも異常な状況です。そんな状況を懸命に生きた若者たちのお話です。このパンデミック下で観ていただくと、別の感じ方をしていただけるのではと思っています」と作品をアピールした。
黒崎監督は長い年月をかけ完成し、上映される本作に思いもひとしおの様子。「この映画が形になる、ならない、のせめぎ合いのときに、『絶対に実現させようよ』と出演者の皆さんが背中を押してくれました。本当に大事な仲間であり、映画にとっての恩人です」と感謝を伝えた。
当日は七夕ということにちなんで、大きな短冊型フリップに願い事を書いて披露する場面も。柳楽は「映画の力でみんなに元気を」とフリップを掲げ、「僕は映画が好きなので、映画の力で元気を与えられるような作品に参加して行きたい」と語った。有村は「安心安全な世界が訪れますように」とフリップを掲げ、「自然災害もそうですが、世界中が混乱状況にある。何も心配ごとがなく全世界の人たちが平和に暮らせますように!」と願った。國村は「やすらぎ」。黒崎監督は「映像の力が世界中の人に届きますように」と願った。
(取材・文・写真:福住佐知子)
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