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『ムーンライト・シャドウ』
初日舞台挨拶

2021-09-11 更新

小松菜奈、宮沢氷魚、臼田あさ美

ムーンライト・シャドウmoonlight-shadow ©2021映画「ムーンライト・シャドウ」製作委員会
配給:エレファントハウス
全国公開中

 映画『ムーンライト・シャドウ』が初日を迎え、都内で行われた舞台挨拶に主演の小松菜奈と共演の宮沢氷魚、臼田あさ美が出席し、公開を迎えた喜びを語った。


 本作は、吉本ばななのベストセラーとなる「キッチン」(1988)に収録された短編小説で、吉本氏が「初めて他人に見せることを前提に書いた思い出深い小説」と語っている小説の映画化。最愛の恋人を亡くした女性・さつき(小松)とその恋人の弟・柊(佐藤緋美)が、満月の夜の終わりに起こる“月影現象”に導かれていく姿が描かれるラブ・ストーリー。以前から原作のファンだったというマレーシア出身のエドモンド・ヨウ監督がメガホンを取った。

 初の長編映画単独主演作となる作品が初日を迎え、小松は「前回の完成報告会見は無観客でマスコミ向けに行われました。お客さまが入っての舞台挨拶は、緊張感が違います。リラックスして話せます」と話し、「こうした状況下(コロナ禍)にもかかわらず、来ていただいてありがとうございます」と会場に足を運んでくれた観客感謝の気持ちを伝え、感慨深い表情で頭を下げた。


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 さらに、小松は「昨日はソワソワしてあまり眠れませんでした。コロナ禍で闘って、みんなで現場で試行錯誤しながら魂を込めて作った作品をこれからも届けていこうと思います」と強い決意で語った。

 さつきの恋人・等役を演じる宮沢のもとに、コロナ禍で来日が実現しなかったヨウ監督から「応援している」とLINEが届いたそうで、宮沢は「去年の12月に撮影した作品を、季節を越えて、皆さんに届けられるのが嬉しいです」と語った。

 作品の中で印象に残ったシーンを聞かれ、小松は「撮影開始は、3日間ずっと一人で走るシーンでした。そのあとに等や柊、ゆみこちゃんと合流してみんなで過ごすシーンで、一軒家の中にピタゴラ装置が作られていて、本当にこだわりがすごくて、小さい頃に兄弟でそういうことをしてみたいなっていう憧れがあったので、夢が叶いました! みんなでキャッキャしながらひとつになって楽しみました」とにっこり。


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 宮沢も「失敗しながらも何度も修復しながら何時間も掛けて撮影しました」とコメント。好きなシーンは「柊(ひいらぎ)がディスコボールを回しながら踊るシーンが大好き。あれは、監督のこだわりがあったんだろうなと思います。あとは、全編を通して、多くを語る場面はないのですが、言葉のない場面をどう表現するかというところに意識を集中させていました」と語った。


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 さつきの前に現れる不思議な女性・麗(うらら)を演じる臼田は「みんなが楽しそうに過ごすシーン、良いなあと思っていました(笑)。印象に残っているのは、さつきが熱を出している時に、さつきの部屋に麗が現れる場面で、原作の中にある言葉を台詞として話した唯一のシーンでした。言葉だけではないたくさんの意味が込められているような気がしました」とコメントした。


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 また、臼田は、小松について「現場ではすごく共演者に気をつかってくれていました。わたしは菜奈ちゃんより年上ですが、とても頼りになるなと感じていました」と小松の座長ぶりを称賛した。

 それを聞いて小松は「私もあさ美さんがいてくれてとても心強かったです。困ったときにものすごく頼っていました」と感謝の言葉を伝えた。


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 満月の夜の終わりに死者と会えるという“月影現象”が扱われる作品の内容にちなんで、「ひとつだけ願いが叶うとしたらどんなことを願いたいか」という質問に、小松は「さつきは猫を飼っていて、演じながら癒されました。天使ですね。猫を飼いなぁ……」と願望を語ったものの、そう簡単には飼えないことに葛藤する日々が続いているという。「現場で猫ちゃんたちが夢中だった“CIAOちゅ~る”になりたい(笑)」とコメントして会場を笑わせた。


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 宮沢は「僕は、今は行けない海外旅行かな。2週間から1ヵ月くらい行きたい。アメリカに祖母が住んでいるので、会いたいです。3年くらい会えていないので……」と語った。


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 臼田は「健康が一番ですね。走るのがいいと聞いて、撮影後に走ってみたのですが、私は運動音痴なので、三日坊主で終わりました(苦笑)」と話した。

 最後に、臼田と宮沢は「(コロナ禍なので)皆様の良いタイミングで観てください。皆さんの背中を押せるような作品になっていると嬉しい」とコメントし、小松は「今日は、来ていただいて、ありがとうございます。わたしの母も朝から映画を観てくれて、『難しかった』と言っていました。確かに分かりやすい作品ではないと思いますが、さつきが喪失感で食事がとれなくなる気持ちに共感できました。失ったものは取り戻せない。だからこそ、後悔することなく、毎日を過ごしていきたいと思います」とメッセージを伝えた。


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(取材・文・写真:福住佐知子)



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