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2020-12-08 更新
原題：Away
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アニメーション映画祭として、世界最高の権威と最大級の規模を誇るアヌシー国際映画祭において、本作は、2019年に新設され、実験性・革新性のある長編アニメーションを対象とする“コントルシャン”賞で、見事初代グランプリを受賞。これを皮切りに、世界中の映画祭で９冠を達成（※2020年11月現在）、2020年第92回アカデミー賞長編アニメーション部門の最終候補32作品に選ばれ、同年の第47回アニー賞でも『アナと雪の女王2』や『トイ・ストーリー4』とともにベストミュージック部門にノミネートを果たした。
一躍時の人となったそのクリエイターの名は、“ギンツ・ジルバロディス”。ヨーロッパの小さな国、ラトビアで生まれ育ち、８歳からアニメーションをつくり始めたという弱冠25歳（当時）の青年が、365日、休むことなく３年半をかけ、たった一人で全てを作りあげた、渾身の長編デビュー作。世界中で新風を巻き起こしたヨーロッパの新星、遂に日本へ！
飛行機事故でたった一人生きのびた少年は、森で地図を見つけ、オートバイで島を駆け抜ける。
黒い影から逃れて、小鳥とともに。
（2019年、ラトビア、上映時間：81分）
キャスト＆スタッフ
監督・制作・編集・音楽：ギンツ・ジルバロディス
配給
キングレコード
12月11日(金) 新宿武蔵野館ほか全国順次公開
■ 公式サイト： away-movie.jp （外部サイト）
飛行機事故で孤島に独り不時着した少年の孤独で不安な旅は、“星の王子さま”のそれと似ている。でも彼は出会った者に問いを投げかけることもなく、それに応えてくれる者もなく、ただひたむきに、飛べない小鳥を道連れに、見つけた地図を信じて希望の地へとひた走る。そんな彼の後をどこまでも付いてくる巨大な黒い影――。
おそらくは誰しもが子どもの頃に空想したような、どこかに独り取り残される恐怖、不安、そしてかなたへの憧れ、未知なるものとの出合い、冒険への夢が、一切の言葉を排しつつ、シンプルでどこか懐かしさを感じさせる温かな絵で語られてゆく。少年は想いを口にすることはないし、いつも静かな佇まいであらゆる事象に真っすぐな目を向けるだけだ。わたしたちはいつしか、そんな彼の横に立ち、その世界の不思議と美しさに心躍らせ、厳しさに慄く。ラトビアの少年が大人になって、たった独りで創り上げた物語が、世界の反対側にいるわたしたちの記憶と共鳴するのだ。
（Maori記）
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