2020-10-26 更新
第88回アカデミー賞外国語映画賞の日本代表に選出されるなど、多数の映画賞を席巻した映画『百円の恋』から6年。監督・武 正晴、脚本・足立 紳、プロデューサー・佐藤 現をはじめとする製作陣が、再びボクシングを題材に不屈のルーザーたちへ捧げる挽歌を作り上げた。それが映画『アンダードッグ』だ。
ボクシング界には、KOや連勝記録などを積み重ねスター街道をかけ登っていくトップ選手の影に、薄暗い花道を歩く“かませ犬(=アンダードッグ)”と呼ばれる選手たちがいる。本作は過去の栄光が忘れられず、ボクシングにしがみつき、若きスター選手候補たちの踏み台になり果てた一人の男の物語を中心に描いていく。
一度掴みかけたチャンピオンの道からはずれ、どん底に落ちながらもボクシングにしがみ付く主人公・末永 晃を演じるのは、俳優のみならずダンサーとしても国内外での活躍の場を広げる森山未來。寡黙な中に悲壮を漂わせることで、過去の栄光にすがりつき、夢を諦めきれずに宙ぶらりんの状態にいるルーザーを説得力十分に体現。持ち前の身体能力の高さに加え、プロ顔負けのストイックなトレーニングを経て迫真のボクシングシーンに挑んだ。
そして、児童養護施設で晃と出会いボクシングに目覚める若きボクサー・大村龍太に扮したのは、ダンスロックバンド・DISH//のリーダーで、若手人気俳優の北村匠海。過去に起こした事件によって、ボクサーとして期待された将来に暗い影を落とす龍太の心の陰りを表現。ボクシングの才能にあふれる役柄にリアリティをもたせるため、徹底した筋力トレーニングを行い、スピードを武器にした躍動的なボクサーを演じきった。
大物俳優の二世タレントで、鳴かず飛ばずの芸人ボクサー・宮木瞬を演じるのは、1話だけ出演したNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の“前髪クネ男”役で強烈なインパクトを残した勝地 涼。本作では、芸人くずれのチャラさを表す一方で、“親の七光り”という汚名返上を誓い、自らの存在を証明するかのようにボクシングに打ち込む覚悟をメリハリの効いたギャップで魅せる。
そして本作で、ルーザーたちのドラマをより一層盛り上げる主題歌「Flowers」を書き下ろしたのは、人気シンガーソングライターの石崎ひゅーい。登場人物の心情を代弁するかのように紡がれる歌詞と石崎の歌声は、男たちが繰り広げた激闘の余情となって心に突き刺さる。さらに強力なパートナーとして、ネット配信大手のABEMAも参戦。三人の男たちのドラマを中心に追った劇場版から、彼らを取りまく登場人物にも視野を広げ、群像劇色の濃い全8話の配信版を展開する。使用する映像や編集を変えることで、もう一つの『アンダードッグ』をクリエイト。多角的な作品理解を促す贅沢な試みとなっている。
圧倒的な熱量で、世界中のルーザーに向けて強烈に放たれる『アンダードッグ』。“かませ犬”の牙は思いのほか鋭く荒々しい。咬みついたら二度と離れない。この痛みは病みつきになる。
手にしかけたチャンピオンへの道からはずれた今も“かませ犬(=アンダードッグ)”としてリングに上がり、ボクシングにしがみつく日々をおくる崖っぷちボクサー・晃(森山未來)。幼い息子には父親としての背中すら見せてやることができず“かませ犬”から“負け犬”に。プライドも粉砕され、どん底を這いずる“夢みる”燃えカスとなった晃は、宿命的な出会いを果たす。
一人は、“夢あふれる”若き天才ボクサー・龍太(北村匠海)。児童養護施設で晃と出会いボクシングに目覚めるが、過去に起こした事件によってボクサーとして期待された将来に暗い影を落とす。もう一人は、夢も笑いも半人前な“夢さがす”芸人ボクサー・宮木(勝地 涼)。大物俳優の二世タレントで、芸人としても鳴かず飛ばずの宮木は、自らの存在を証明するかのようにボクシングに挑む。
三者三様の理由を持つ男たちが再起という名のリングに立つとき、飛び散るのは汗か、血か、涙か!?
(2020年、日本、上映時間:前編131分・後編145分、R15+)
キャスト&スタッフ
監督:武 正晴
原作・脚本:足立 紳
音楽:海田庄吾
主題歌:石崎ひゅーい「Flowers」(Sony Music Labels Inc.)
企画・プロデュース:東映ビデオ
出演:森山未來、北村匠海、勝地 涼、瀧内公美、熊谷真実、水川あさみ、冨手麻妙、萩原みのり、風間杜夫、柄本 明ほか
配給
東映ビデオ
11月27日(金)よりホワイトシネクイント他にて[前編・後編]同日公開
■ 公式サイト: underdog-movie.jp (外部サイト)
関連記事
・劇中場面写真、一挙解禁、衝撃の脚本誕生秘話も到着!
・第33回東京国際映画祭 オープニング作品&TOKYOプレミア2020 公式上映
・公開記念舞台挨拶
・トークイベント