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『十二単衣を着た悪魔』完成披露報告会

2020-10-22 更新

伊藤健太郎、三吉彩花、伊藤沙莉、山村紅葉、笹野高史、LiLiCo、黒木 瞳監督

十二単衣を着た悪魔juni-hitoe 配給:キノフィルムズ
11月6日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開!
© 2019「十二単衣を着た悪魔」フィルムパートナー

 映画『十二単衣を着た悪魔』の完成披露報告会が東京・セルリアンタワー能楽堂で行われ、主演の伊藤健太郎、共演者の三吉彩花、伊藤沙莉、山村紅葉、笹野高史、LiLiCoとメガホンを取った黒木 瞳監督が出席した。当日はLiLiCoがMCも務めてトークセッションを繰り広げた。


 本作は、内館牧子の小説が原作。平安時代の「源氏物語」の世界にタイムスリップしてしまったフリーターの青年(伊藤健太郎)が、陰陽師として活躍しながら成長する姿が描かれる。2016年の『嫌な女』で監督デビューを果たした黒木がメガホンを取り、黒木監督の思いどおりのキャスト陣が集結した。

 原作に惹かれた点を聞かれた黒木監督は「現代に生きる、自分の居場所がない男の子が、ひょんなことから源氏物語の世界にタイムトリップしてしまいます。『源氏物語』で桐壺帝の正妃でありながらも、悪役として描かれている弘徽殿女御をはじめとする様々な登場人物の輝く人生を見て成長するという希望のあるお話に惹かれました」と説明した。


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 某ラジオ局に張られているポスターを見た黒木監督が“この人に雷(らい)を演じて欲しい”と熱望し、主演に抜擢された伊藤健太郎は、素直に出演を喜び、「平安時代に急に飛び込んでも意外とすんなりと対応していくことができました」と自身の役柄について振り返る。また、黒木監督については「女優さんとしての黒木さんの印象が強かったので、どう演出してくれるのかワクワクしていました。自身が女優さんということもあって、役者の立場に立って考えてくださる演出で、すごくありがたかったです」と述懐した。


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 弘徽殿女御役を務めた三吉は、黒木監督から十二単衣姿を絶賛された。三吉は、「撮影が始まる前に、監督から発声やセリフの滑らかさなどの指導を細やかに受けました。私はここまで強い女性を演じたのは初めてですが、黒木監督の弘徽殿女御に対する熱い気持ちを聞いているうちに、だんだん愛着が湧いてきました」と思いを語る。三吉が演じている弘徽殿女御は「源氏物語」では嫌われ者や野心家としてのイメージが強いが、本作では信念を貫く芯の強い女性として描かれている。


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 そんな三吉に黒木監督は「食らいついてくる三吉ちゃんの女優魂をひしひしと感じていました」と三吉の女優魂を称賛した。

 雷の妻となる倫子役の伊藤沙莉について、黒木監督は「出演されている連ドラを観ていたら『あ、この方が倫子! この子がいい!』ってひらめいたんですとキャスティングを決めた理由を明かす。

 伊藤沙莉は「今まで現代を生きる女性は演じてきましたが、時代を超えて生きる女性を演じることが少なくて、演じてみたかった。黒木組でその経験が出来たのがすごく嬉しかったです」と笑顔で語った。


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 隣の家の住人、通称ヤマンバ役をオファーされたLiLiCoは「『ピッタリの役があります』と黒木監督からオファーされて、嬉しくて……。そしたら、オバさんの役でした」とちょっと不満を漏らすものの、黒木監督から「明るい存在感で決めました」と言われ、「憧れの黒木監督作品。明るく楽しんで演じました。役的に理想でした」とにっこり。


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 この日は本作のタイトルにちなんで「この人は悪魔だなと思った人は?」という質問がとんだ。

 黒木監督は「三吉ちゃんや沙莉ちゃんには、わたしが悪魔だと思われていたかもしれないと、つくづく思っています」と苦笑い。キャストたちはそろって、「そんなことないです!」と口を揃えた。

 最後に伊藤健太郎が「能楽堂という場所で、皆様に完成を報告する機会を設けられたことを、光栄に思っています。主人公の雷のように、平安時代にタイムスリップしていただき、ちょっとした非現実的体験をご体験いただければと思っています」と本作をアピールしてイベントは幕を閉じた。


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(取材・文・写真:福住佐知子)



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