2021-09-07 更新
安藤政信監督、山田孝之、森川 葵
伊藤主税(and pictures)、阿部進之介、山田孝之らが「だれでも映画を撮れる時代」に、自由で新しい映画製作の実現を目指して、年齢や性別、職業、若手とベテラン、メジャーとインディーズの垣根を越え、切磋琢磨しながら映画を作り上げる短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)」。“変化”をテーマに、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなど総勢36名が監督した短編映画をオムニバス形式で4シーズンに分けて公開。9月17日(金)より公開となるSeason1には、安藤政信、枝 優花、武 正晴、花田 陵、三吉彩花、山下敦弘、そして419作品の応募の中から選ばれたクリエイター、西遼太郎、針生悠伺、藤原知之の3名が参加している。
この度、9月1日から5日まで、金沢21世紀美術館 シアター21にて、『MIRRORLIAR FILMS Season1』のジャパンプレミア上映のほか、参加監督の初期作品や関連作品を特集上映する『MIRRORLIAR FILMS KANAZAWA 2021』が実施された。会期中は、「映画作りの初期衝動を応援する」をコンセプトに、 武 正晴監督、山下敦弘監督、枝 優花監督、津田 肇監督(三吉彩花主演『Daughters』)の初期作品の特集上映や武監督+山田によるスペシャルトーク、映像制作ワークショップが開催されたほか、上映企画以外にも、テクノロジカル・クリエイティブファーム《THINK AND SENSE》(読み方:シンク・アンド・センス)とのコラボレーションによるデジタルアート・XR体験、一般市民参加の空席アートを含むポスターインスタレーションが行われた。
そして最終日となる9月5日(日)、オムニバスの一篇『さくら、』の安藤政信監督、主演の山田孝之、森川 葵が撮影地の金沢に集結! 金沢21世紀美術館シアター21での上映前、イオンシネマ白山での上映後、そしてクロージングセレモニーの計3回に登場。安藤は、着物、羽織ともに夏牛首紬、山田は着物、羽織ともに牛首紬、森川は加賀友禅作家、奥田勝将氏の着物姿でスペシャルウィークの最終日を華やかに締め括った。
今回初監督に挑戦した経緯について、安藤は「孝之が初プロデュースした『デイアンドナイト』がきっかけ。仲間の挑戦に全力で応えたいと思い、出演しました。そのトークショーの帰りに孝之から『映画を撮ってみませんか?』と直接誘われたんです。彼の新たな挑戦のパズルのピースになりたかったし、『自分が撮るなら孝之を撮る』とその時から決めていました」と明かす。
そんな熱烈なオファーを受け、主人公を演じた山田は「安藤さんは何事にも愛が深い。『さくら、』にオファーしてくれた時も、まだ撮影前なのに、次の長編映画の構想を話し始めて。まずは『さくら、』が落ち着いてからにしましょうか、と(笑)。とにかく爆発しまくっているんです」と安藤監督の魅力を分析。そして「安藤さんには僕の初プロデュース作の後、初監督作『ゾッキ』に出てもらって、今度は安藤さんの初監督作に僕が出て……つながっていますね」としみじみ。
二人と三角関係に陥るヒロインを演じた森川は「山田さんは、どこの現場でご⼀緒できるかも分からない大先輩。今回はほぼ2人きりで向き合えたことが嬉しかった」と振り返り、安藤監督については「イメージと違い、お茶目なところも多い人。ベッドの上で喧嘩になるシーンではポケットから小銭がジャラジャラと落ちたり(笑)。大変な撮影だったからこそ、そんな姿にホッとしました。安藤さんも山田さんも、若手俳優であれば、誰でも共演してみたいと思う偉大な先輩。そんな方たちと一つの現場でご一緒でき、二人のイチャイチャな関係に混ぜてもらえたのが嬉しかったです(笑)」と笑顔に。
それぞれの撮影時のエピソードを聞いていた安藤は、「自分が芝居するときは人一倍神経質なんです。今回、監督として現場にいて、孝之と葵が目の前で芝居をしてくれている姿を見たら本当に嬉しくて。思わずガッツポーズをしたら、カメラに映り込んでしまいました(笑)。監督業は大変ですが、こんなにも感動する仕事なんだなと思いましたね」と述懐。
また、撮影地となった金沢の印象について聞かれた3人は、「金沢は美しい街。金沢からは少し離れてしまうが、劇中の大事なシーンとして登場する能登の巌門の海は、15年前に初めてひとり旅で訪れました。生と死について考えさせられた、思い入れの深い場所です」(監督)、「21世紀美術館はとてもカッコいい場所。こんな素敵な場所で映画を上映してもらえてとても嬉しいです」(山田)、「金沢では毎日ごはんがとてもおいしかった。お芝居はディープに、そして撮影以外では金沢を満喫させてもらいました」(森川)とコメント。
『さくら、』を含む全9作品の短編は9月17日より『Season1』として全国順次公開される。全作品を鑑賞済みの森川は「“この監督は誰だろう?”と気になる作品がたくさんありました。いずれお仕事をする方が一人でも増えたら嬉しいです」とPR。同プロジェクトのプロデューサーでもある山田は、「日常生活と映画の距離をもっと縮められたらいいのにと思ったことが立ち上げのきっかけ。日本映画では“オムニバス映画は当たらない”と言われがちですけど、多彩な作品の中からお気に入りを選ぶ楽しさがある」とオムニバスの醍醐味を熱弁。そして“誰でも映画を撮れる時代”というテーマについて「初めてのことへの挑戦って、経験値もないし、失敗が怖い。でもつまずくことは当たり前で、挑戦したことは一つの経験になる。2時間の長編を撮るとなると皆さん怯んでしまうけれど、短編映画なら少しハードルが下がる。まずはやってみることが大事で、僕たちはその⼀歩が踏み出せる環境を作ったんです」とプロデューサーとしての思いを吐露した。
だがその一方で、短編映画への俳優としての携わりについては「すごく難しい」と切り出した山田。「2時間の映画で人の一生分の物語は到底描ききれない。だから演じる僕たちは脚本に描かれていないキャラクターの人生を作り上げていくわけです。それが短編となると、さらに情報量が少なくなるので、試される。本気で向き合って本気で作る人たちじゃないと作れない短編ってすごいなと気づけた。大変だけど、僕はもっともっと短編に挑戦したいです。壁にぶち当たっても、それを乗り越えた時、今は見えていない景色が見えてくると思うから」と熱弁した。
舞台挨拶では終始監督業に意欲を見せていた安藤監督。「『さくら、』は音や台詞の文脈、色味、光、感情と肉体、倫理の境界線中にある快楽、死生観を15分の中に散りばめました。そして、この作品は“今後は映像の道でもやっていくんだ”という自分のプレゼンテーションでもある。僕の持っている美意識が皆さんの記憶に入り込めたら嬉しいです」と自信をのぞかせた。
『さくら、』を含む9作品のオムニバス映画『MIRRORLIAR FILMS Season1』は9月17日(金)よりアップリンク吉祥寺、イオンシネマほか全国順次公開。
『MIRRORLIAR FILMS』とは?
《MIRRORLIAR FILMS(ミラーライアーフィルムズ)》はクリエイターの発掘・育成を目的に、映画製作のきっかけや魅力を届けるために生まれた短編映画制作プロジェクト。年齢や性別、職業やジャンルに関係なく、メジャーとインディーズが融合した、自由で新しい映画製作に挑戦する。
“変化”をテーマとした36名の監督による短編映画を4シーズンに渡りオムニバス形式で公開。初監督多数、俳優、漫画家、ミュージシャンらが参加し、⼀般公募枠の12作品は、419作品の応募から選抜された。映画祭の開催ほか、多様な作品を多様な形で国内外に届けていく。
全国の地域と連携した制作支援や上映会、ワークショップと連動することで、だれでも参加できる参加型プロジェクトを目指す。
『MIRRORLIAR FILMS Season1』
■監督:安藤政信『さくら、』、枝 優花『Petto』、武 正晴『暴れる、女』、西 遼太郎『充電人』、花田 陵『INSIDE』、針生悠伺『B級文化遺産』、藤原知之『無題』、三吉彩花『inside you』、山下敦弘『無事なる三匹プラスワンコロナ死闘篇』(五十音順)
■出演:安藤政信、飯島望未、宇野祥平、奥村心結、春日潤也、河井青葉、木村多江、友近、永井理子、仁村紗和、本田響矢、水澤紳吾、森川 葵、山口まゆ、山田孝之、山中蓮名、山本浩司、山本剛史、横田真悠、吉田美月喜、渡辺大知、渡辺 哲(五十音順)
■公開表記:2021年9月17日(金)よりアップリンク吉祥寺、イオンシネマ他全国順次公開
■配給:イオンエンターテイメント
■ オフィシャル・サイト: films.mirrorliar.com (外部サイト)
(オフィシャル素材提供)
関連記事
・プロジェクト発表記者会見
・『MIRRORLIAR FILMS Season1』初日舞台挨拶
・『MIRRORLIAR FILMS Season2』完成披露試写会舞台挨拶
・『MIRRORLIAR FILMS Season2』先行上映舞台挨拶
・『MIRRORLIAR FILMS Season2』公開初日舞台挨拶
・『MIRRORLIAR FILMS Season4』初日舞台挨拶