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『蒲田前奏曲』
舞台挨拶付き特別先行上映

2020-09-17 更新

瀧内公美、福田麻由子、和田光沙、川添野愛、松林うらら

蒲田前奏曲kamataprelude 配給:和エンタテインメント、MOTION GALLERY STUDIO
9月25日(金)より ヒューマントラストシネマ渋谷、キネカ大森ほかにて全国順次公開
© 2020 Kamata Prelude Film Partners

 売れない女優マチ子の眼差しを通して、“女”であること、“女優”であることで、女性が人格をうまく使い分けることが求められる社会への皮肉を、周囲の人々との交わりを介在しながら描いていく映画『蒲田前奏曲』。本作は、4人の監督が各自の手法でコミカルに描き、1つの連作長編として仕上げていった新しいタイプの作品。

 9月25日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、キネカ大森ほかにて公開されることを記念し、舞台挨拶付き特別先行上映が開催され、出演の瀧内公美(『火口のふたり』)、福田麻由子(「本作で、女王の教室」で共演した伊藤沙莉と再共演)、和田光沙(『岬の兄妹』)、 川添野愛(『パパはわるものチャンピオン』)及び、本作プロデュース、出演の松林うらら(『飢えたライオン』)が登壇し、本作に懸けた想いや撮影の裏話などを語った。


 冒頭の挨拶で、瀧内は「新型コロナウィルスの影響で、なかなか舞台挨拶に立たせていただくのが難しくて、他の作品でお客様にご挨拶ができず、悔しい思いがありましたので、本日は本当に嬉しく、ありがたく思っています」、福田は「公開日は25日でまだ先ですが、こうやって今日初めて映画館で作品を観ていただくのは幸せなことだなと改めて感じています」、和田は「映画館に足を運んでくださったこと、感謝します」、川添は「こうして皆さんとこの空間で共有できることを幸せに思います」と、コロナ禍の中で改めて感じた感謝を吐露。


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 最初の話題は、女優・黒川瑞季を演じた瀧内と同じく女優のマチ子役の松林が出演した、#MeToo、セクハラがテーマの第3番の『行き止まりの人々』。本作は、松林が実際に体験した経験を基に、(『Dressing Up』で日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞受賞の)安川有果監督が脚本を書いた作品。松林は、「冒頭の私が演じるマチ子と近藤芳正さん演じるプロデューサーの喫茶店のシーンは、事実に基づいたシーンなので、ぜひ皆さんにも、その立場になったらどうかということを考えていただきたいです。」と話した。

 瀧内演じる黒川は、過去に嫌な目に遭った経験があり、その当事者である監督の開催する#MeTooに関しての映画のオーディションに参加するという設定。瀧内は、「私自身は#MeTooやセクハラに関して普段から考えている人間ではないので、こういった題材についての映画をやらせていただくことが正しいのかを悩んだんですけれど、うららさんの想いを聞いて、作品と安川監督を信じて、自分のやれることはやろうと思って、うららさんの気持ちを大事に演じたつもりです。」と胸を張った。

 監督役を演じた大西信満とのオーディション・シーンの撮影は、「劇中では対立する役柄だったんですけれど、現場では心強い存在で、常にシーンが上手くまとまるように仕向けていただいたように思います」と感謝を述べた。

 続いて、女子会がテーマの第2番の(長編デビュー作『月極オトコトモダチ』がMOOSIC LAB グランプリ受賞、東京国際映画祭上映の)穐山茉由監督の『呑川ラプソディ』についての話に。マチ子は売れない女優だが、他の職業の子の方が目立っているという、松林が実生活の女子会で感じていることも描いた作品で、そのうちそれぞれの違った顔が見えてくるという作品。婚約を発表する麻里役を演じた福田麻由子は、「私が演じた麻里は劇中で、『結婚することになった』と言うんですけれど、結婚が女性にとっての、自分にとっての幸せだという価値観を持っている女性です。この作品は社会の求める女らしさに疑問を投げかけるような作品だと思うんですけれど、その中では異質な存在だと思っています。ただ、この作品の素敵なところは、そういう麻里のような価値観を決して否定しないというか、『女なんだから強く生きていこうよ』というメッセージがあるわけでもなく、『それぞれの生き方があって、それぞれの選択があって』というフラットな作品なので、それが新しいと思いました」と本作の魅力を分析。


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 福田と共演の伊藤沙莉は、松林も小学校の時に見ていたという2005年のドラマ『女王の教室』でも共演。福田は、「『女王の教室』の3年後に『霧の火』というスペシャルドラマで姉妹の役を演じました。沙莉が妹でした。共演はそれ以来で、たまに会ったりはしていたんですけれど、小学校の同級生に久しぶりに会ったような感じで、何も変わらずそこにいてくれて嬉しかったです」と嬉しそうに話した。

 女子会で唯一の既婚者・静役を演じた和田光沙は、「私、共演者の皆さんよりもだいぶ年齢が年上で、1回『大丈夫ですか、同級生役?』と聞いたんです」と暴露。「20代後半って、女の子って、『今の状況でいいんだろうか』って立ち止まって、『これからの自分の幸せってなんだろう』って考える時期があると思うんですけれど、そういう中で、結婚というものを一早く選択した静という役があって、またそれぞれ違う、キャリアを積んだ人だったり、結婚に憧れているという役があります。『呑川ラプソディ』では帆奈とまりっぺの対立が主軸になって話が進んでいくんですけれど、そこが浮き立つような役割ができるといいなと思いました。結婚という選択をした側の人間が持つ葛藤も表現することで、独身の人たちそれぞれが目立つようになるといいなと思いました」と工夫を話した。

 現場の様子を聞かれた和田は、「完成した作品は女子同士のバチバチ感が出ていてびっくりしたんですけれど、現場はすごく和気藹々としていて、ずっと笑いながら撮影をしていました」と振り返った。


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 女子会でキャリアウーマン・琴子役を演じた川添野愛は、「全員個の強いパワーを持っている女子たちのグループなんですけれど、私の役は衣装は派手なものを着ているんですが、人間関係だと自分を押し出すというよりもバランサー役だったなと思っていて、こっこを演じるにあたって、ずっと俯瞰した目がありました。皆それぞれ主張が強いので、間をとりもつ役割だなと思って現場にいました」と話した。

 注目してほしい部分を聞かれ、川添は、「リアルにあることだと思うんですけれど、久しぶりに再会した女の子たちがまず近況トークでお互いどういう状況の中で生きているのか探り合いから始まり、どんどん皮がはがれていって、どんどん皆の本音が出てきます。表情だけでも分かるし、クスッと笑える面白いポイントかなと思うので、それぞれの人間っぽさを感じて欲しいです」とアピール。


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 最後に松林は、「第1番『蒲田哀歌』は、(最新作『静かな雨』が釜山国際映画祭上映、東京フィルメックス観客賞受賞など国内外の注目を集める)中川龍太郎監督に、私の弟に彼女ができた時の嫉妬の話を基に、75年前の蒲田の空襲も絡めて描いていただきました。第4番『シーカランスどこへ行く』では、(最新作『叫び』が東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門監督賞に輝き、第22回ウディネ・ファーイースト映画祭では大田原愚豚舎作品、渡辺紘文監督特集が組まれるなど独特のスタイルが評価を得ている)渡辺紘文監督に、東京中心主義を批判していただいています。皆さんは本作を東京で一番最初に見る一般のお客さんなので、ぜひSNSなどで本作について広めていただければと思います」と挨拶し、舞台挨拶は終了した。


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(オフィシャル素材提供)



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