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『ミッドウェイ』
公開記念初日トークイベント

2020-09-12 更新

登壇:豊川悦司、國村 隼
MC:伊藤さとり
リモート参加(@ZOOM):浅野忠信
コメント動画参加:パトリック・ウィルソン、ローランド・エメリッヒ監督

ミッドウェイmidway 配給:キノフィルムズ
大ヒット上映中!
Midway © 2019 Midway Island Productions, LLC All Rights Reserved.

 ハリウッド映画『ミッドウェイ』公開記念初日イベントが都内で行われ、本作に日本人俳優として参加している豊川悦司と國村 準が出席。リモートで浅野忠信も参加し、熱いトークセッションを繰り広げた。コロナ禍で来日できなかったローランド・エメリッヒ監督、俳優のパトリック・ウィルソンからはコメント動画が届いた。


 本作は、太平洋戦争・1942年6月5日未明から3日間、日本とアメリカ間で繰り広げられたミッドウェイ海戦が圧倒的スケールで描かれる。豊川が海軍大将の山本五十六、浅野が少将の山口多聞、國村 隼が中将の南雲忠一を演じた。

 山本五十六という歴史的な偉人役をオファーされた豊川は「五十六はほとんどの日本人が知っているほどのビッグネームで、歴史上の素晴らしい人物。オファーを頂いて、なんで僕にこんなすごい役が来ちゃったのかと驚きました。自分の中で類似点が見出せなくてびっくりしました」とオファーが来た時の気持ちを素直に話した。出演することを決めた豊川は、「偉大な大先輩たちが何人も山本五十六を演じているので、作品を片っ端から観ました。偉大な先輩たちが演じた作品を観られたことはとてもラッキーでした」と役作りを振り返った。また、ハリウッド映画の現場について、豊川は「スケール感が違う。ひとりづつトレーラーが与えられたし、戦争シーンで使用される空母や戦艦のセットなども作られていて、エメリッヒ監督の世界観を見せてくれた」と壮大な現場のスケールに感心しきりだった。


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 リモートで参加の浅野は、まずは「オファーは嬉しかった」と笑顔を見せ、「多聞は過酷な戦いの中で、最後まで冷静に生きた方で尊敬もしています」と自分が演じた多聞の魅力について語った。多聞のお墓参りに行ったことも明かしていた。


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 南雲役を演じた、國村は「偉大な人物を演じられたお2人がうらやましいな」と自身が演じた役柄に嘆き、(戦時中に)判断ミスをしてしまった南雲に恨み節。「南雲が実際に取った行動を糸口に、僕の妄想を広げて演じました」と役作りについて話した。


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 3人が共演する場面が1シーンだけある。先に現場入りしていた浅野と豊川は國村の到着を心待ちにしていたという。豊川は「やっててて楽しかった。安心できた」と共演シーンを振り返った。浅野も「楽しかった。新鮮な思いで撮影することが出来た」と同調する。國村は「3人で撮影していると、ハリウッド映画ではない感じがした(笑)」と話していた。


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 國村は、「今までいろいろな海外作品に出演して、いろいろな作品の中で特殊効果の機材を見てきたけれど、今回初めて『すごいな』というものに出合った」。戦艦のすぐ脇に爆弾が着弾するシーンで使用された大きな筒について興奮気味に語った。その筒から噴出される水柱に当たってしまう役で、國村は「CGじゃなくて本当の水柱なんです。実際にかぶったその水柱の痛いこと、痛いこと……」と笑いながらエピソードを話していた。


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 エメリッヒ監督と俳優のパトリック・ウィルソンから届いたビデオメッセージには、来日できなかったことを残念がるコメントがあり、ウィルソンは「日米両方の視点を大事にしている作品。両方の海軍が丁寧に描かれています」とメッセージ。「日本人俳優の活躍は本当に素晴らしかった。悦司の英語は上手で、僕の日本語はダメでしたが……」と話して会場に笑いを誘った。


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 20年前から本作の構想を練っていたというエメリッヒ監督も「映画を撮るときに重要視したのは、日本軍をただの敵ではなく人間として描くこと。この作品を直接届けたかったよ」とメッセージを送った。キャスティングについては「浅野と國村は以前から知っていて決めていた。豊川は知的な雰囲気があって、高貴さが感じられて(五十六役に)ぴったりだった」と満足のキャスティングだったことを明かしていた。


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 最後に浅野は「僕のおじいちゃんはアメリカ人。戦争はよくないこと。2度とあってほしくない。でも、それがあって祖父と祖母が出会い、僕が生まれた。僕がこういう映画に参加したというのが不思議」。國村は「戦争を記憶として風化させないで欲しい」。豊川は「この映画を観て、何かを感じ取って欲しい」と話し、イベントは幕を下ろした。



(取材・文・写真:福住佐知子)



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