2020-09-02 更新
GACKT、LiLiCo(映画コメンテーター)
クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』の日本公開を記念した「ノーランを語ろう公開記念LIVE配信イベント」が都内で開催され、ゲストにノーランのファンであるミュージシャンのGACKTと映画コメンテーターのLiLiCoが登壇した。当日は、抽選で選ばれた49名のファンたちとオンラインでつながり、2人はトーク・セッションを繰り広げた。雨で滑って転倒し、膝蓋骨骨折で手術を受けたLiLiCoは松葉杖での登壇となった。
本作は、『ダークナイト』シリーズや『インセプション』などを手掛けたノーラン監督が新たに仕掛ける、時間逆行をテーマにしたタイム・サスペンス・アクション。「TENET」というキーワードを与えられた“名もなき男”(ジョン・デヴィット・ワシントン)が時間のルールから脱出し、第3次世界大戦開戦を阻止すべく相棒(ロバート・パティンソン)と共に奮闘する姿が描かれる。8月26日から41の国と地域で公開され、世界各国で初登場1位を獲得している。
本作でコメントをオファーされたというGACKTは「まず、観せてください」と試写の鑑賞を要求したことを明かす。「概念が新しすぎて、一度めは訳が分からなかった。同じ世界の中で時間の順行と逆行が成立しているのを観るのはメチャクチャ気持ち悪い。悔しくてもう一度観せてもらって、やっといろんな発見がありました。頭の固い人にはパッと受け入れられない部分がたくさんあるけれど、こういう楽しみ方があるんだなと感動しました」と素直な感想を語り、「狂気の世界というか、突き詰めた世界を表現する監督は他にたくさんいると思うけれど、それをギリギリ、エンターテイメントの世界まで落とし込んでくるバランス感覚が素敵だと思う」とノーラン監督に賛辞を送った。
時間が逆行する中での激しいアクション・シーンも見どころの本作だが、GACKTは「役者に(アクションを)逆再生の状態で覚えさせているんじゃないかなと思う。演じるほうも訳が分からないですよね。手順の画が見えないので、相当キツかったんじゃないかな」と話し、「劇中で『考えないで、感じるの』というセリフがありますが、自分に言われているようだった」と、説明した。
もし、本作へ出演のオファーをされたとしたら?という質問には「オーダーされたら、吐きますよ。相当嫌だろうなと思います(苦笑)」と新感覚ムービーに拒否反応も見せていた。
GACKTはBGMで使用されている無限音階について触れ、「小さい音でずーっと鳴っていて、不安をかき立ててくるんです。でも無限音階ってこうやって使えるんだなと思って、次の自分の曲でどうやって使おうかなと考えてます」とミュージシャンらしいコメント。
一方、LiLiCoも2度鑑賞したことを明かし、「ノーラン監督なので、それなりの覚悟をしてから観たのですが、観終わって、“ああ、分からない”と(苦笑)」と難解な本作に最初はお手上げ状態だったという。再度挑戦し、「クリストファー・ノーランのトラップにすっかりハマってしまいました」と告白した。
ノーラン監督の世界(魅力)にはまってしまった様子の2人。時間が逆行する映像のほか、ストーリーの難解さも注目されている本作だが、LiLiCoは「みんなが待っていた大作です。自分の中の“テネット”を感じ取ってください」。GACKTは「感覚的に捉えないと、途中でついて行けなくなるところがあるので、どのくらいの人が一回目からついて行けるのか知りたい。楽しみです」メッセージを送った。
(取材・文・写真:福住佐知子)
さらに、本日ゲストとして登壇したGACKTが『TENET テネット』の見どころについて熱く語るスペシャル予告も解禁となった。
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