2020-08-16 更新
先日行われた、北米最大の日本映画祭「第14回ジャパン・カッツ」にて故大林宣彦監督の日本映画界での偉業を称え創設された「大林賞」を日本在住のインド出身監督、アンシュル・チョウハン(『東京不穏詩』)の最新作『コントラ』(配給:MAP+Cinemago)が受賞、受賞コメントが到着した。本作は2021年春、新宿K's cinemaでのロードショー公開が決定している。
本作は、祖父が大事にしていた第二次世界大戦の戦中日記を見つけた女子高生(円井わん)が、後ろ向きにしか歩けない不思議な男(間瀬英正)と出会ったことをきっかけに小さな町で起こる波紋を描いた、幻想的なファンタジー映画。戦争の記憶と地方の鬱屈、経済格差や父と娘の相克といった日本の現代社会の問題を浮き彫りにし、美しい映像と共に強く記憶に残る作品。
アンシュル・メイハン監督は、大林賞の受賞を受けインタビューにて「大林監督が、実験的な映画作りや第二次世界大戦に関わる内容を映画で多く触れていてこともあり、私自身、この初代大林賞をいただくということを本当に光栄に思い、同時に今後の活力にも繋がっています」とコメント。
また、大林賞の審査にあたった安藤桃子監督らは共同コメントを発表し、「受賞作品は、過去の重さと、それに一人ではなく、一緒に取り組む人たちの責任を探求しています。(中略)奇しくも最も大和魂を感じる一本、そしてこれからの未来に最も期待を覚えさせたのは、後ろ向きに走る男を主人公にした映画でした」と絶賛。来年の公開が待ち遠しい。
アンシュル・チョウハン(ANSHUL CHAUHAN)プロフィール
1986年、北インド生まれ。
陸軍士官学校で訓練を受け、大学に手文学士を取得した後、アニメーターとして2006年からパプリカスタジオにて働き始める。 2011年に東京へと拠点を移し、最初に働いた株式会社ポリゴン・ピクチャーズでは、エミー賞を獲得した『ディズニーXD トロンuprising』に携わり、その後は株式会社オー・エル・エムや株式会社スクウェア・エニックスなどで働く。
今までに携わった作品は『ファイナルファンタジーXV』、『キングズグレイブ:ファイナルファンタジーXV』、『キングダムハーツ3』、そして『ガンツ:オー』など多岐にわたる。
アニメーターとして日本で働く傍ら、アンシュルは自主制作への情熱も芽生え始め、2016年にKowatanda Filmsとして活動を始める。そしてこれまでに、長編映画2作(18年『東京不穏詩』、19年『コントラ』)を完成させ、両作品とも世界各国の映画祭にてさまざまな受賞を遂げている。
(オフィシャル素材提供)
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