2020-11-25 更新
清原果耶、藤井道人監督
11月21日(土)に行われた広島国際映画祭にて、映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』が特別招待作品として上映され、主演・清原果耶と藤井道人監督が舞台挨拶に登壇した。
会場に登場した清原果耶と藤井監督。清原は「実は私は“初”広島でドキドキしながら来たんですが、皆さんと楽しくこの映画を共有できたらと思います」と、藤井監督は「2011年のダマー映画祭から定期的に広島に来させていただいていて、自分にとっては自分を見つめなおす大事なイベントになっています。こういう大変な時期の中で、お客さんが来て下さるのか心配していたんですがこんな素敵な場内を見てすごく安心しています」と挨拶をした。
9月4日に全国公開をした本作、コロナ禍での上映について聞かれると、藤井監督は「僕はやっぱり“夏”にどうしてもこの作品を上映したくて、各方面と相談しながらその願いを汲んでくれて上映できました。それに『宇宙でいちばんあかるい屋根』っていうタイトルのように、こんなに“屋根”の下にいなければいけなかった期間って今まで無かったと思いますし、そんな時に励ましてくれるような作品にこの作品はなっていたと思っていたので、早く上映してほしいなという気持ちはありました」と話し、公開初日を迎えた時の気持ちについて聞かれた清原は「桃井さんは残念ながら一緒に登壇(初日舞台挨拶)はできなかったのですが、監督と無事に初日を迎えられて、とても嬉しく、ありがたいなという気持ちが一番大きかったです」と答えた。
そして公開から3ヵ月が経ち、改めて初主演となった本作への想いを聞かれた清原は「初主演ということでとても特別で大切な作品だなというのは撮影の時から感じていたのですが、無事に公開されて数ヵ月経って、本日ここで上映していただけたり、作品を公開してもらえることの大切さを、こういう時期だからこそ改めて感じています。今日もここに来られてとても嬉しいです」と答えた。
14歳の少女を演じた清原は、演じる上で工夫したポイントを聞かれると、「監督とは、すごく話し合いながら撮影をしたんです。それは役のことだけではなく、自分自身の中身のことなど。いろいろ話し合いながら、フラットな目線で役に向き合えるようにということは意識しながら撮影に臨みました」と答えた。藤井監督は「自分にとってはご褒美のような映画だと思っていて、『新聞記者』はある種チャレンジングな作品で、次に撮る作品はとても重要だなと思っていたので、それがこの作品で良かったと思いますし、清原さんとは2年前に『デイアンドナイト』という映画でご一緒させてもらっていて、そのあとも様々なところで活躍している姿を見ていたので、まさか初主演の作品として自分の作品に出てもらえるとは思わなかった。二度とないチャンスだなと思いながら楽しんで撮影させてもらいました」と話した。
『デイアンドナイト』撮影時、15歳の清原について藤井監督は「オーディションで初めて会ったんですが、すごくシンプルな顔でスッと来てバッと芝居をして帰って行ったんです。その時、隣の山田孝之さんが泣いていて(笑)。すごい出会いだったなって印象に残っています」と驚きの初対面エピソードを明かした。
撮影時のコミュニケーションについて、藤井監督は「やっぱり14歳の少女っていう経験は物理的に僕にはないものなので、清原さんが持っている感性をお借りしないと出来ないシーンってのもあったんです。そういうのはやっぱりお互い、監督として俳優として大事にしたいもの、表現したいものがあると思うので、そういうものを交換し合えるようになったのがこの映画のいいシーンの中に現れているのかなと思います」と話した。
印象に残っているシーンを聞かれた清原は「一番最後のマコトと一緒にファミレスで喋るシーンは、すごく刹那的というか一瞬一瞬にかける感情が濃かったなというのは覚えていて、すごく楽しかったんですけど、それより儚いなにかがあるなと見返して改めて気づきました」と答え、藤井監督も「マコト役の醍醐(虎汰朗)くんも等身大の中学生をやってくれたのであのシーンはすごく良かったですね」と答えた。
今回美術を務めた部谷京子について藤井監督は「今回あのクラゲのキーホルダーとかも全部作っていただいて、屋上のセットも部谷さんがデザインしてくれました」と、清原は「部屋のカットですごい好きなところがあって、ひばりさん(実母)の画集を入れている机の棚に鍵がかかっているんですけど、その画集の下に亨くんに渡すはずだったバースデーカードが見えるっていうカットがあるんです。それを見て“うわ、愛おしいー!”と思って、そのつばめの少女らしさみたいなものが見えるすごい良いカットだなって思いました」と話した。
キャスティングについて藤井監督は「前田プロデューサーからこの作品のお話をいただいたのは2016年だったんですが、映画化するのに時間がかかった理由のひとつに、星ばあを誰にするかっていうのがあったんです。4年間あまり自分の中でしっくりくる人が見つからずにいたんですが、ある時前田プロデューサーから桃井さんはどうかというお話をいただいて、現場大変そうだなとは思ったんですが(笑)、オファーしたところ桃井さんはLAにお住いなんですが快諾していただいて映画化が進んでいったという形になります」と話した。
桃井との共演について聞かれた清原は「ものすごくエネルギーと愛に溢れた方だなと思います。人間性という部分もそうだし、お芝居に対してもすごく貪欲に向き合ってらっしゃる方だなっていうのを、星ばあとつばめとして対峙した時にものすごく受け取ったし、とにかく楽しかったです。引き出しの数も多くてそれも物凄いスピードで開くので、それになんとか返そうって必死についていって毎日勉強になりましたし、ただただ楽しい日々でした」と桃井との共演を振り返った。
自身が歌う主題歌について聞かれた清原は「主題歌を歌うことの重大さというかプレッシャーで、どうしようっていう気持ちがすごくあったんですけどCoccoさんがこの作品を観てつばめと同じ目線で歌詞も書き上げてくださったので、私がちゃんとつばめとしてお届けできたらと思い、挑戦させてもらいました。さっきもエンドロールが流れるときに冷や冷やしすぎて、一回楽屋に戻ろうかなと思ったんですけど(笑)、ちゃんと届いていればいいなと願うばかりです」と答え、「皆さん届きましたよね」というMCの呼びかけに会場からは大きな拍手が起こった。「レコーディングの時もCoccoさんが来て下さって、私は緊張しすぎてずっと肩が挙がっているような状態で目も合わせられず、本当にCoccoさんの曲が好きで“本人だ!”っていうのもありながら(笑)、でも“大丈夫だよ”って優しく声をかけてもらいながらなんとかレコーディングも出来ました」と憧れのCoocoとの対面に緊張しっぱなしだったことを明かした。
そして12月4日より開始するデジタル配信、 2021年2月3日より発売・レンタル開始されるBlu-ray&DVDについて、藤井監督は「最近コメンタリーをとりました! 僕と清原さんと誰よりもおしゃべりな前田プロデューサーで(笑)、あんなことあったね、こんなことあったねと楽しくお話しさせてもらいました」と話した。
最後に藤井監督は「たくさんの世代の人に届けばいいなと思ってこの映画を作っていたので、そういう作品にこれからなっていってくれればと思います」と、清原は「これから先、人生を辿っていく中でも忘れたくない、思い出したいと思えるようなそんな大切な作品になったので、観てくださった方々にもそう思ってもらえるような作品になってくれればなと思います」と挨拶をし大盛況のままイベントは幕を閉じた。
(オフィシャル素材提供)
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