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『時の行路』神山征二郎監督コメント

2020-03-22 更新

時の行路tokinokouro
© 「時の行路」製作委員会
配給:「時の行路」映画製作・上映有限責任事業組合

 3月14日からシネマ・ロサで公開中の『時の行路』。初日舞台挨拶が諸般の事情で中止になったが、代わりに神山征二郎監督からビデオレターが届いた。本作30作目の記念作の意気込みなどが詰まっている。



 『時の行路』は、リーマン・ショックの嵐の吹き荒れる2008年末、大手自動車メーカーで派遣工として誠実に仕事に励む五味洋介に吹き寄せる理不尽な「派遣切り」の嵐に立ち向かう姿を、愛する家族や仲間たちの姿と共に描く、実話に基づいた社会派映画。

 主演の五味洋介を石黒 賢、洋介を支える妻・夏美を中山 忍。裁判を共に闘う弁護士に川上麻衣子、労働組合委員長役に安藤一夫、妻の父親役には綿引勝彦、ナレーターは日色ともゑ。若手の宇田川かをりと塩 顕治、新人の松尾 潤、村田さくら、そして渡辺 大、魅力のあるキャストが揃っている。

 本作は、新藤兼人、今井 正に師事し、『鯉のいる村』で監督デビュー、『ハチ公物語』『遠き落日』『ひめゆりの塔』から『月光の夏』『郡上一揆』『草の乱』、そして、黒澤 明監督の下で現場を続け、数々の名作や大作を支える加藤雄大が撮影監督を、日本音楽界の重鎮で、同じく黒澤 明作品や多くの名作映画のスコアを手がけた池辺晉一郎が音楽監督を担い、この作品をより気高く仕上げている。


神山征二郎監督 メッセージ

 映画は心の糧。心の栄養分です。『時の行路』はアメリカの大手証券会社の経営破たんによって引き起こされた世界不況下の物語です。
 世界経済のグローバル化が声高に叫ばれはじめた挙句の果ての出来事でした。世界中で、いや、私たちの足元で巨大な危機が渦巻いています。それをひしひしと感じていました。そんな時代を生きている私たちの、しかし希望は失わないぞ、という心の糧の映画をつくりたいと思い続けてきました。主演の石黒 賢さん、その妻を演じた中山 忍さん、そしてこの映画に参加した、みんなみんなありがとう。  神山征二郎


石黒 賢 コメント

 『時の行路』の出演は、神山監督とご一緒できることが一番の理由でした。内容的には少し地味なお話ではありますが、出演する意義のある作品と感じました。
 作品の主題となる「派遣切り」については社会的な立場が弱い人間が、一方的に憂い目にあい、切り捨てられてしまうという現実が、他人事とは思えません。憤りを感じるし、やはり勇気を持って立ち上がることの大変さと重要さを、改めて感じました。
 今回は中山 忍さんと夫婦役となりましたが、以前にも共演させていただいたことがあり、すぐにリレーションシップを築くことができました。可憐で穏やかでありつつ、非常に包容力のある女性を演じてくれたので、とてもお芝居がしやすく、感謝しています。

 現在『とくダネ!』のスペシャルキャスターとして月曜担当で出演中。また今後の作品としてドラマ『サイレント・ヴォイス 特別編』(3月7日〔土〕放送 BSテレ東)、開局20周年ドラマ『左手一本のシュート』(3月14日〔土〕 放送 BS-TBS)、5月1日〔金〕からは映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』の公開が控える。


中山 忍 コメント

 ある日、神山監督から一本のお電話を頂いたことから、全ては始まりました。「忍ちゃん、この役“夏美”を演じてみないか?」尊敬する監督からこう声をかけていただけることは役者として何よりの喜びです。一も二もなくお引き受けしました。しかし、台本を読み進めていくごとに、作品の持つテーマが、あまりにも過酷で重く難しく私の手に負えないような気持ちになりました。なぜ、神山監督は私に「夏美」を演じてみないかと言ってくれただろう……悩みました。そのとき、ハッと心に思い浮かびました。「夏美さん」がごく普通の家庭の妻であり、母であり、娘でもある「ごく普通の女性」だからではないだろうか? 大きな時代の波にも飲み込まれそうになりながらも、「ただただ懸命に家族を愛した女性」を素直に演じてみたい、そう思いました。撮影中は、石黒 賢さんが「一家の柱」として、朗らかに明るく現場を照らしてくださったおかげで、安心して取り組むことができました。
 わたしにとって『時の行路』は「家族の愛情物語」です。多くの方に観ていただけたら嬉しいです。



(オフィシャル素材提供)



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