2020-02-20 更新
波瑠、成田 凌、岡田健史、小澤征悦、黒木 瞳、遊川和彦監督
映画『弥生、三月 -君を愛した30年-』の都内で行われた完成披露舞台挨拶に主演の波瑠と成田 凌、共演の岡田健史、小澤征悦、黒木 瞳とメガホンを取った遊川和彦監督が出席してクロストークを繰り広げた。
本作は30年間に及ぶ3月のある1日が舞台。昭和~平成~令和と時代をまたぎ、運命に翻弄されながら、それでも愛を紡いでいく弥生と太郎の半生が描かれる。「家政婦のミタ」「女王の教室」などの遊川和彦監督のオリジナル脚本のラブストーリー。
主演の波瑠は役柄のハードルの高さに、いったんは出演を断ろうと遊川監督のもとを訪れたことを告白。「脚本に感動しましたが、純粋な強さをもつ弥生さんを自分がお受けしても、対応しかねると思ったのでお断りするつもりで行きました。でも、遊川監督と本音をぶつけ合って話し合ったことで『遊川監督と仕事がしたい』と、気持ちが変化していって、出演を受けることにしました」と説明した。今作にかける遊川監督の情熱の強さに感動したという。
また、撮影時のエピソードを聞かれた波瑠は、「衣装合わせで、着たり、脱いだりして9時間かかったけれど、終わらなかった……」と驚きのエピソードを披露。この波瑠の言葉に遊川監督は「30年間の話だからね……」と時間がかかった理由を説明した。弥生を人生かけて支えていく山田太郎(サンタ)役を演じる成田も6時間の衣装合わせを2日間行ったそうで「衣装合わせが終わらない」と嘆き節だった。
遊川監督は「波瑠さんは、正しいと思ったらはっきりとものを言うイメージ。そのため誤解されてしまうこともある人なのかなと思っていた。そんなところが、弥生にも自分にも似ていると思ったので、彼女が演じれば嘘がないと思った」と波瑠にオファーした理由を明かした。波瑠は、1人の女性・弥生の学生時代から約30年間を演じている。
成田は、役作りについて「翌日の撮影が40代や50代のシーンだったら、強いお酒をいっぱい飲んで、ちょっと声をからして顔をむくませて、ダレている感じに見せようとしました。でも朝のシーンが高校生で、夕方からは50歳という撮影の日は準備ができないから難しかったです」と30年間を演じるにあたっての苦労を吐露した。
本作が映画初出演となった岡田は、「初めての映画がこの映画で良かった。こんな華やかな舞台に立てて嬉しいです」と初々しい笑顔で挨拶した。
今まで何度も遊川監督とコラボしてきた黒木は「この作品に限らず、遊川監督は“人間愛”を大事にされている方。脚本家としても監督としてもブレない」と、遊川監督への信頼を語った。
最後に成田は「とにかく楽しんで観てください」。波瑠は「二人(弥生と太郎)の姿に背中を押してもらえると思います」と客席に向かってメッセージを送った。
(取材・文・写真:福住佐知子)
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