2019-12-18 更新
大沢たかお、賀来賢人、岩田剛典、広瀬アリス、三浦友和
入江 悠監督
映画『AI崩壊』の都内で行われた完成報告会見に主演の大沢たかお、共演の賀来賢人、岩田剛典、広瀬アリス、三浦友和とメガホンを取った入江 悠監督が出席して、作品について想いを語った。
本作は、『22年目の告白 -私が殺人犯です-』の入江監督と北島直明プロデューサーが再びタッグを組んで、入江監督の完全オリジナル脚本によって製作された。10年後の近未来を舞台に、突然暴走するAIによって、日本中が想像を絶する大惨事に巻き込まれるさまが描かれる。
画期的な医療AI「のぞみ」を生み出した天才科学者・桐生浩介役で主演を務めた大沢は「息もつけないくらいハラハラドキドキで撮影が進んでいって、ものすごいスケールと、ものすごいエネルギーが押し寄せてくるような、自分にとって久々に体験できた日本映画だなと感じました」と話す。
今作は、リアルな映像を撮るためにCGに頼らず全国各地でロケを敢行。CGなしのスタントで大沢は「3週間ずっと走っていました(苦笑)。貨物船を貸し切って実際に逃走劇を繰り広げたり、水に飛び込んだり、街を封鎖して渋滞を作ったり、ドローンを使ったり、大阪の地下水道で撮影したり……」と全力で取り組んだというスタントなしの過酷な撮影を振り返った。
警察庁の警備局理事官・桜庭誠役を務めた岩田は「入江監督から『とんでもない天才』だと言われ、紺のスーツに眼鏡、ヘアスタイルを七三分けにして、ビジュアルにだいぶ助けられたと思います」とコメント。
今作が初共演というキャスト陣が多いなか、岩田と賀来は同じ30歳。賀来が「同い歳でこうも違うかとヘコみました。この華やかさ……」と岩田を見ながらグチると、岩田は「同世代として一緒に映画を作れるのはすごく嬉しい。楽屋とかで一緒に話たりしていい時間を過ごせました」とにっこり。また、賀来は、大沢との共演(義弟・西村悟役)について「僕みたいな若造に対しても、真摯に目で向き合ってくださって、引っ張り上げてくださいました。本当に助かりました」と感謝の眼差し。
ベテラン所轄刑事・合田京一役の三浦は、警視庁捜査一課の新米刑事・奥瀬久未役の広瀬とバディを組んだ。三浦は「刑事役は長いことやってきているんですが、女性のバディは初めてで面白かった。そばに女性がいるのは心地良いものですね」と笑顔で話す。しかし、「初日に(広瀬が)インフルエンザにかかって、最後には胃腸炎になって……」と広瀬の病気でスケジュールが変更になったことを明かし、広瀬を恐縮させていた。
入江監督は「ハリウッド映画にはSF作品は多いですが、日本でやるからには僕らの生活がどう変わっていくかに、リアリティを感じて観てほしいと思い、脚本段階から大沢さんや三浦さんに相談させていただきながら作りました」と完全オリジナル作品を製作する苦労も話し、「この映画によって、日本映画界が少しはオリジナル脚本に寛容になってくれたらいいなと思います。今回俳優さんもスタッフも、ゼロからものづくりをするんだっていう気概がありましたし、それが映画のすみずみに映っていると思います」とアピールした。
大沢は「2年ほど仕事を休んでいて、復帰したのですが、『メーターを振り切って、挑戦している作品だけをやって、自分の俳優人生を終わろう』ということを決めました」と熱い決意を語った。
(取材・文・写真:福住佐知子)
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