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舞台挨拶・イベント

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『ブラインドスポッティング』
公開記念トークショー

2019-08-13 更新

窪塚洋介

ブラインドスポッティングblindspotting 配給:REGENTS
8月30日(金)より 新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほかにてロードショー
© 2018 OAKLAND MOVING PICTURES LLC ALL RIGHTS RESERVED

 昨年のサンダンス映画祭のオープニング作品として注目を浴び、SXSW映画祭ほか、各国の映画祭で絶賛され、いよいよ8月30日(金)より日本公開となる映画『ブラインドスポッティング』。

 本作はバラク・オバマ元アメリカ合衆国大統領が『ROMA/ローマ』『ブラックパンサー』『ブラック・クランズマン』と並び2018年ベストムービーに選出した作品としても話題を集め、ヒスパニック系白人のスポークン・ワード・アーティスト、教育者、舞台脚本家であるラファエル・カザルと、ブロードウェイミュージカル「ハミルトン」で脚光を浴びトニー賞を受賞、黒人ラッパー兼俳優ダヴィード・ディグス、ベイエリアの高校で出会い、共にフリースタイル・ラップをしながら育った2人が脚本・主演を担当した本作は友情の話であり、オークランドを舞台にした人種の違う者や貧富の差がある者同士が混在することによって起こる問題を描いた物語。お互いを見つめた時に、如何に全体像が見えずにいろいろなものを見落としているかということを問いかけている。

 本作の公開を記念して、俳優としても海外に積極的に進出し、レゲェDJ“卍LINE”として音楽活動のほか、モデル、映像監督、カメラマンなど幅広く活動する窪塚洋介が登壇したトークショー付き試写会が開催された。


blindspotting

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『ブラインドスポッティング』作品をご覧になった率直なご感想は?

 いい意味で荒削りなところがたくさんあって、役者の演技やカメラワーク、脚本も、不器用だからこそ伝わるとストレートさに胸を打たれる作品でした。とてもピュアな作品に出会えて嬉しかったです。


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『ブラインドスポッティング』で描かれるテーマとして、2001年に出演された映画『GO』の根底に流れるテーマにも似た“偏見”や“マイノリティ”というのがあります。当時と今とで、窪塚さんご自身が“偏見”や“マイノリティ”についてどうお考えだったのかお聞かせください。

 『GO』に出演した当時は、在日韓国人ではない自分があの役を演じることへのプレッシャーをすごく感じていていましたね。同じ境遇の仲間も居たので、魂があるように見せるのがとても大変でした。そういった中で「自分とはなんぞや?」と自分自身に向き合い、深く掘り下げた時、胸を張ってあの作品を世の中におくり出すことができました。「ピンチはチャンス」ってよく言いますが、まさにマイノリティであることを逆手にとって、世の中を恨まずに自分自身のまま生きて行くことができたんじゃないかな。
 今この時代で起きている“偏見”や“マイノリティ”について、これも思うようになったのは『GO』がきっかけかも知れない。僕ら地球人は宇宙船「地球号」の乗組員で、宇宙からみたらみんな仲間。やっぱり幸せになりたいと思う気持ちはどの国の人、どの宗教の人も一緒だと思う。宇宙から見たら仲間じゃんという気持ちが強く来ているので、みんなそう思ったらいいなと感じています。


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役者やミュージシャンなど多岐にわたる活動をされることで見えてきた自分の“盲点”はありましたか?

 自分自信の人生に対して自分が責任を持って生きていく覚悟をした時、世の中の見方が変わって、外に答えを求めてもそれは答えのようなものでしかなく、本当の答えは自分の中で見つけるものだと考えるようになりました。その自分の中の答えを確かめるための術として、多くの活動をしています。
 人にいろいろなことを言われますが、自分で確信を持って、これは自分だということを固めて、広げているのがこの10年20年ですね。


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役者・アーティストとして出演する際はどのようなジャッジで出演作を決めているんですか?

 直感ですね。脚本を読んだ時、監督に会った時、他の出演者を聞いたときにワクワクするかどうか。直感で決めています。
 『ブラインドスポッティング』も夜中一人で酒を飲みながら見ていたらどんどん映画に引き込まれて、最後はほろりと涙してしまいました。それでこの映画が少しでも多くの方に見てもらえるためのお手伝いができたらいいなと思い、今回のお話を受けました。


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この作品の中では親友や家族、職場の人間など多くのコミュニケーション・ディスコミュニケーションのあり方が描かれていましたが、窪塚さんがコミュニケーションをとる時はどのようなことを心がけていますか?

 まだ精神的にとがっていた頃に言われた、「とある前の嫁」からの言葉に衝撃を受けたことがあります。『GO』に出た頃は他人や世の中の批判をするというのが今以上に強かった。口開くと誰かの文句ばかりで、テレビを見ながらもずっと文句を言っていて。そうしていたら前の妻に言われた、「私はみんなのいいところを、1つは言えるで!」という言葉がグサッと心に刺さりましたね。悪いところだけに目を向けるんじゃなくて、温かい目で人のいいところを見つけたら、悪いところも気にならなくなったりする。そういうふうに人と対峙していけるようになったと思います。
 前の嫁との9年間で学んだのは、向かい合わなくていいことは多々あるということ。俺は「バーカウンターの法則」って呼んでいるんですけど、真正面に向き合いすぎるとぶつかってしまうから、バーカウンターに横に並んで座ってる感覚で人と接するようにしています。そうすると「そういう意見もあるよね。でも僕はこう思うんだ」と意見をぶつけ合わずに、お互いの想いが融合しやすくなるんです。


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(オフィシャル素材提供)



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