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『高津川』公開記念舞台挨拶

2022-02-11 更新

甲本雅裕、戸田菜穂、大野いと、錦織良成監督

高津川takatsugawa ©2019映画「高津川」製作委員会
ギグリーボックス
新宿バルト9ほか全国順次公開中

 映画『高津川』公開記念舞台挨拶が初日2⽉11⽇(金・祝)に東京・新宿バルト9にて開催され、主演・甲本雅裕、共演・戸田菜穂、大野いと、錦織良成監督が揃って登壇した。


 一級河川としては珍しいダムが一つも無い日本一の清流「高津川」を舞台に、人口流出に歯止めのかからない地方の現実の中、歌舞伎の源流ともいわれる「石見神楽」の伝承を続けながら懸命に生きる人々を力強く描いた本作。コロナ感染拡大による緊急事態宣言を受け2020年4月に公開延期を強いられていたが、約2年を経て念願の全国公開を迎えた。

 これまで名バイプレイヤーとして活躍し、本作で映画初主演を果たした甲本は、「この日が待ち遠しかった。奇跡のように感じています。2年前は封切られることが当たり前だと思っていたが、当たり前が当たり前でなくなった。今日ここで公開を迎え、皆さんに観てもらうことが全て。世の中の状況は今大変ですが、僕はベストな日に公開ができたと思っています。本当に幸せです」と笑顔を見せた。

 地元・島根県で撮影を行った錦織監督は、「地元で映画を作ってほしいと地元の人たちから話を聞いて、あれから13年。舞台は島根ですが、日本全国津々浦々どこにでもある話だと思っていますので、東京も含めて自分のふるさとを思い浮かべながら観ていただけたら嬉しいです」と本作への思いを語った。

 島根県での撮影について、ヒロインを務めた戸田は「監督からは、街の中に溶け込んでほしいと言われた。地元の皆さんに協力してもらって、皆で作り上げた温かい作品。こういう現場は役者にとって幸せで、ロケが終わらなければ良いなと思っていました」と述べ、甲本の娘役・大野は、「3週間の撮影の中で、こんなに温かい人たちに出会えるとは、人生で初めてかもしれない。それぐらいたくさんの愛を注いでくださって、朝早くからおにぎりやお弁当を用意してもらったり、本当に幸せな毎日でした」と振り返った。

 脚本を読むまで自分が主役だと知らなかったと言う甲本は、「何も知らされず脚本を渡され、読み終わって“主役じゃないか?”と思いマネージャーに電話したら、30年以上役者をやってきて初めて主役をやるのに、“そうですよ”と軽いノリで返された(笑)。でも、だからこそ冷静に脚本を読めたし、作品に入り込めた」と明かした。

 また、劇中で和菓子作りのシーンをこなした戸田は、「手先が不器用なんですが、子どもたちと一緒に粘土で練習したり、実際の和菓子屋さんに教えてもらったり、とっても楽しかったです」とコメント。

 一方で大野は、劇中で出てくる地元料理について「本当に全部美味しかったです!」と絶賛。これに甲本は「いとちゃんは、近所の炊き出しもいっぱい食べてたよね」と明かすと、大野は「撮影の合間に東京へ行き、島根に戻ってくると、スタッフさんが皆ふくよかになっていて(笑)。食べ物が全部美味しいから、ついつい食べてしまうと話していました」とエピソードを披露。

 そして、甲本は改めて映画館に足を運んでくれた観客への感謝を述べ、「世の中ぐちゃぐちゃですよね。嫌なことがたくさんあって、いろいろなストレスでいっぱいになっていると思います。コロナになって自分の仕事で何ができるんだろうって考えていた。結局、僕らは何も与えることができない。可能性があるとすれば、皆さんの心の隙間をほんの少しだけ空けることができるのではないかと思ったんです。映画や演劇、テレビを見たときにできた少しの隙間に、好きなことや楽しいことだけを詰め込んでください。そうすればもう少し長生きできるかなと思います」とコロナ禍でのエンタメ界への思いを熱く語り、最後に「僕たちの願いは、この映画が誰かと話しをする機会になってほしいと思っています。マスクはしてね(笑)」と呼びかけ、盛大な拍手に迎えられ舞台挨拶は幕を閉じた。

 映画『高津川』は、新宿バルト9ほか全国順次公開中。



(オフィシャル素材提供)



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