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『葬式の名人』初日舞台挨拶

2019-09-21 更新

前田敦子、高良健吾、白洲 迅、樋井明日香、中西美帆、尾上寛之、奥野瑛太、佐藤都輝子、樋口尚文監督

配給：ティ・ジョイ
全国ロードショー中
© “The Master of Funerals” Film Partners

• 作品紹介

　映画『葬式の名人』が初日を迎え、公開初日舞台挨拶に主演の前田敦子、共演の高良健吾、白洲 迅、樋井明日香、中西美帆、尾上寛之、奥野瑛太、佐藤都輝子と樋口尚文監督が登壇してクロストークを繰り広げた。

　本作は、大阪府の茨木市政施行70周年記念事業として制作された。川端康成の名作の数々をモチーフに、映画化された青春ファンタジー。かつての友を失ってやりきれない悲しみで集まった同級生たちが、母校で行った不思議なお通夜を通して失った友情を取り戻していく一夜が描かれる。

　物語の舞台であり、映画の撮影が行われた茨木市ではすでに８月16日から先行公開されており、スマッシュヒットを記録。樋口監督は「どのくらいかというと、公開週には『天気の子』や『ライオン・キング』を抜いて１位で、５週間が経ちますがいまだに５位圏内にとどまっています」と興奮気味に喜びを伝える。

　茨城での熱狂ぶりを聞かされた前田は、「やったね、尾上さん！」と茨木市出身の尾上に笑顔を向け、尾上も「まさか自分の地元が映画になることがあるとは思っていなかった。映画館で自分の地元が流れるのは誇らしいです！」と感激をあらわにした。

　10年ぶりに集まった同級生たちを描いた本作にちなんで、10年前の自分を振り返るコーナーが設けられており、キャストたちはそれぞれに10年前の自分に思いをはせた。

　高良は、尾上と10年前に別の映画（『おにいちゃんのハナビ」』）で同級生役で共演していたことを明かし、「みんなで、毎日夢の話とかしてた。多くの人は辞めていったけど、(尾上とは)また10年ぶりに再会して、また同級生を映画でやれて、本当に嬉しい。『まだやれてるから大丈夫』って感じです」としみじみ。

　10年前はAKB48でアイドル最前線だった前田は「10年前の今日は、何をしていたかマネージャーさんが調べてくれたのですが、レコーディングがあって、握手会、その後ソロのグラビアの撮影がありました。その数日後からは地方を６ヵ所回って、ニューヨークやハワイに行っていました」と話し、その超ハードスケジュールにキャスト陣や観客を驚かせた。前田は「すごい頑張ってたんだなって……。でもその時の頑張りのおかげで、『今、すっごく元気だよ！』って言いたいです」とコメントして笑顔をはじけさせた。

　10年前16歳だった白洲は、「小中と部活は野球だったんです。でも、とにかくモテたくて、高校からダンス部に入ったんです。坊主だったので、髪も伸ばしてワックスをぬったりしたけれど、まあモテなかった……。『野球やっていた時のほうがモテてたよ、お前』って当時の自分に言ってあげたい」としょんぼりしながら話して、会場の笑いを誘った。

　樋口監督は「僕は、映画小僧で、コマーシャル業界にずっといたんですが、50歳手前になってちょっと焦ってしまい、『映画を撮りたい！』と思って映画館の特集上映を企画したら、そこにふらっと来てくれたのが前田敦子さんでした」と、前田との出会いを明かす。さらに、「そんな縁があったり、今日集まってくれたキャスト陣は全員僕が第一希望でオファーを掛けた人たちばかりなのですごく嬉しいです」と喜びをかみしめた。

　最後に樋口監督は「この映画は青春ファンタジーという器の中にボーイズラブ、ホームドラマ、サスペンス、ホラーといろんなものが込められています。頭をやわらかくして観てください」と呼びかける。前田は「明るい気持ちで終われる作品だと思います。一歩踏み出す勇気がもらえます。楽しんでください!」と観客にメッセージを送ってイベントは終了した。

（取材・文・写真：Sachiko Fukuzumi）

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