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2019-05-12 更新
倍賞千恵子、藤 竜也、市川実日子、佐藤流司、小林且弥、小林聖太郎監督
長年連れ添った夫婦の秘めた想いと愛を描き話題となった、漫画家・西炯子によるコミック原作の映画『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』が5月10日、ついに全国公開! 同日には新宿ピカデリーで初日舞台挨拶が行われ、主演の倍賞千恵子、藤 竜也、共演の市川実日子、小市慢太郎、西田尚美、小林聖太郎監督が参加した。
熟年離婚を決意する妻・有喜子役の倍賞は「藤さんとは29年前にテレビドラマで夫婦をやらせてもらって、本作で再び夫婦をやらせてもらいました。無口で頑固なお父さんですが、本当の藤さんは優しく素敵なお父さんです」とニッコリ。藤が演じる亭主関白な夫・勝の靴下を有喜子が脱がして拾うというシーンでは「なかなか私が上手くいかず、何度もテストをしました。でも実生活ではあんなふうになるのはイヤね~」と笑わせた。
有喜子の夫・勝役の藤は「私も50年くらい亭主稼業をやっているけれど、夫婦とは子どもとは違って紙切れ一枚で赤の他人になってしまう。この映画を通して改めて考えてゾッとしました。夫婦の絆はぜい弱。油断は禁物です」と襟を正し、「(藤の妻には)俺はあんたを失いたくない、という気持ちでいます。でも普段から無口なところは役と似ているかなぁ」と照れた表情を見せた。すかさず倍賞は「藤さんは奥様に優しい。いつも“ありがとう”と仰っていて、とても素敵。私も見習わなければと思った」と愛妻ぶりを明かしていた。
次女・菜穂子役の市川は劇中の母娘像に「羨ましい親子関係」と目を細めて、「お母さんが私のトレーナーを着て“似合う?”とおどけたポーズをとるシーンが好き。関係性が表れていると思った」と見どころを挙げた。すると倍賞は「あのシーンではつい踊ってしまいました。彼女と芝居をすると自然とそういう形になる。彼女からアドバイスをもらってやってみたら、すごく上手くいった」と感謝。まさかの言葉に当の市川は「ウソッ! そんなこと私言いましたか!?」と恐縮しきりだった。
長男・雅樹役の小市は、親子水入らずですき焼きをつつくシーンをお気に入りに挙げると、長女・祥子役の西田は「短い撮影だったのに、本当の家族のような気分になった。炬燵とあの部屋の居心地が良くて。打ち上げで皆さんと再会した時は本当に“家族に再会”という感じがあった」と絆を実感。小市も「倍賞さんと藤さんがしっかり母親、父親として存在してくれたからこそ、実家感があったと思う」と敬意を込めた。
夫婦の関係に波風を起こす志津子を、昨年5月に亡くなった星由里子が演じている。倍賞&藤とは初共演。死去に倍賞は「ものすごくビックリしました。撮影中もそんなことになるとは思わず…」と残念そうに語り「撮影中はきちんと背筋を正して、折々に鏡を見たり、メイクさんにも優しくて、スターとはこうあるべきだと思わされた。お芝居をやっても噛み合うし、セリフが立ち上がっていく感じがありましたね」と人柄をしのんだ。藤も「若大将の星さんだ!と、大スターとご一緒するときはミーハーになります」と憧れの存在との初共演を喜び、「星さんの『何をそんなにカッコつけているの』というセリフは胸にきました。キャリアからくる重さを感じました」と尊敬しきり。小林監督も「体調不良ということで打ち上げには欠席されましたが、打ち上げ中にわざわざお電話をいただきました。だから“まさか……”という気持ち。まだ実感がありません」と沈痛な思いを吐露した。
最後の写真撮影では母の日にちなんで、黒猫のチビをイメージしたぬいぐるみを囲んだカーネーション入りのフラワーボックスとチビ役のりんごも登場。武井家キャストが全員揃った形で、笑顔満開で締めくくられた。
(オフィシャル素材提供)