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2018-09-30 更新
内山理名、長谷川葉音、松本和巳監督
内山理名、木村祐一、石野真子出演で、「一般社団法人 日本シングルマザー支援協会」後援の映画『single mom 優しい家族。 a sweet family』が、大正時代から「相互扶助」の精神が根付いている北海道ニセコ町の協力の元撮影され、10月6日(土)にヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開される。
この度、完成披露舞台挨拶が行われ、内山理名、長谷川葉音、松本和巳監督が登壇した。
舞台挨拶冒頭に、有島武郎記念館の館長を演じた阿部祐二が、台風で飛行機が飛ばなかった影響で、欠席となった旨が伝えられ、監督が、「今朝の『スッキリ』に阿部さんが出ていて、『アレ? 今日舞台挨拶なのになんで大阪にいるの?』と思ったんですけれど、電話したら、『台風で(飛行機が欠便となり)行けません。皆さんにお会いしたかった』と伝言をお預かりしています。阿部さんには、俳優として以外にも、撮り終わった後の翻訳などでお手伝いしていただくなど、想いを強く持っていただいたいます」と観客に伝え、舞台挨拶がスタート。
脚本と監督を務めた松本和巳監督は、シングルマザーについての映画を作りたいと思った理由として、「2016年に上演した舞台に日本シングルマザー支援協会の会員の方20組ぐらいをご招待して観に来ていただいた時に、『そういうことをやるのは偽善じゃないの?』と言われて、僕のスイッチが入ってしまって『本当に気持ちでやっているんだから』『勘違いされたりしてしまうから、だったら逆に掘り下げていかないと』と思ったというのが根本です。気持ちだけは熱くなり、『これは何かやらなくては』と思って、いろいろな取材やお手伝いをさせてもらいました。日本シングルマザー支援協会の会長さんと知り合いになって、実際に相談に来ているお母さんたちに取材させてもらったりしました。本作に出ているエピソードはほぼ事実です。また、フードバンクにお手伝いという形で入らせてもらって、生のお母さんたちの表情を見させてもらいました。そのままをなるべく反映する形で作らせていただきました」と熱く語った。
主人公のシングルマザー・空 愛実(そらまなみ)を演じた内山理名は、「脚本にすごく惚れ込んで、この作品をやりたいなと思いました。脚本を読んだ時からグッときて涙が止まらなかったです。私はシングルマザーではないですけれど、それでも刺さるものがあるので、それを伝えたいなと思いました」と本作への想いを話した。
愛実の一人娘・エミリーを演じた映画初出演の長谷川葉音(はのん)は、「私のお母さんは私が3歳の時にシングルマザーになったので、エミリーにすごく共感できるエピソードがあり、初めて脚本を読んだ時から、エミリー役を演じたいと思いました」と告白。撮影中は、「共感でき、気持ちが入りすぎて感情のコントロールが難しいシーンがあったんですけれど、監督に『いつものままでいいですよ』と言ってもらえてよかったです」と話した。
内山は演じる上で気を心がけたこととして、「『頑張れって、どう頑張ればいいの?』というセリフが、台本でも、撮影でセリフを言っても、響きました。映画はニセコが舞台なんですけれど、東京は『頑張れ、頑張れ』という言葉が多くて、頑張るのが得意な人が多い気がするんです。なので、『頑張れって、どう頑張ればいいの?』というセリフが刺さって、“愛実は頑張ることが分からない”ということを大事にしました。観客の方が観ていて、応援したくなるというよりも、愛実がこれから何を選択していくかを見ていただきたいです。“自分から何かを選択する”という意思を見せないように演じました」と述懐。「シングルマザーがテーマではあるんですけれど、観る方によっていろいろな想いを感じる、普遍的なことを扱っている映画です」と話した。
監督は、本作を北海道ニセコ町で撮影した理由として、「ある映画の会合の打ち上げの会場に行ったら、ニセコの町長が僕の隣に座っていて、ニセコ町長と知らないで『シングルマザーの映画を撮るんです』と話したら、『ニセコに来ますか?』と言われました。ニセコに着くと、『とにかく有島記念館に行ってくれ』と言われたので、案内してもらい、有島武郎の15分のムービーを見たら、その物語がすごかったんです。ニセコって、ほぼ全て有島武郎の土地だったんですね。荒野を自分のお金で全部耕して、作物が育つようになったら、皆さん使っていいですよ、と全部あげてしまった。『相互扶助』という助け合いの気持ちがある土地なので、ここで撮るしかないでしょ、と即決しました」と明かした。
ニセコでの撮影のエピソードを聞かれ、内山は、「すっごいいいところです! 映像でも伝わってきたと思うんですけれど、『なんでこんな素敵な景色を見ながら、(愛実の心情である)こんな孤独でどうしたらいいか分からないという想いでいるんだろう』と思うくらいでした」と話し、長谷川は、「木村祐一さんが撮影の合間に、殺陣の指導だとか、私が苦手なキノコの調理法を教えてくださたりしました」と話した。
最後に松本監督から「本当に起きていることですから、社会課題を抱えている方々の気持ちがどう推移して行っているかを皆さんに理解していただければ、少し優しい社会になれるのかなという願いを込めています」と熱い想いが語られ、舞台挨拶は無事終了した。
(オフィシャル素材提供)
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