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2018-12-05 更新
来日登壇者:ライアン・ゴズリング(ニール・アームストロング役)、デイミアン・チャゼル監督
ゲスト登壇者:山崎直子(宇宙飛行士)、前澤友作(株式会社ZOZO代表取締役社長 / #dearMoon Project ホストキュレーター)
映画『ファースト・マン』の来日記念イベントが都内にて行われ、主演のライアン・ゴズリングとデイミアン・チャゼル監督が出席した。この日は、宇宙飛行士の山崎直子氏と先日2023年の月旅行プロジェクトを発表し、民間人初月旅行の“ファースト・マン”となる予定の株式会社ZOZO代表取締役社長の前澤友作氏もゲストとして出席した。
本作は、1969年にアポロ11号の船長として人類で初めて月面に降り立った宇宙飛行士ニール・アームストロングの伝記をもとに映画化。アームストロングは、「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」という名言を残している。宇宙のシーンはIMAXの65mmカメラ、地上を35mmと16mmカメラを自在に使い分け、ダイナミックな映像とともにアームストロングのリアルな心理描写が捉えられている。
チャゼル監督は、今作の企画は『ラ・ラ・ランド』の公開前から進行していたと明かし、原作を読んだ印象を「ゴールに対する代償を描き、その過程を考察すること。ある意味、月面着陸ほど大きなゴールはないから、アイコン的な物語をバックに、このテーマをさらに掘り下げたいと思った」と語る。また、映画作りにおいて入念なリサーチを行ったことを明かし、「映画に本物の宇宙飛行士の経験がリアルに反映されていることが重要だった。そこでデヴィッド・スコットさん、バズ・オルドリンさん、マイケル・コリンズさんなど多くの宇宙飛行士の方々に実際にお会いしてリサーチを続けました」と話し、アポロ計画に関わった宇宙飛行士たちの協力に感謝を伝えた。
『ラ・ラ・ランド』に続いてチャゼル監督とコラボし、主演のアームストロング役を演じたライアンは、アームストロング役のオファーを受けた際、「このような偉業を成し遂げた方を演じられることは光栄に思ったけれど、大きなプレッシャーもあった。家族との関係、そしてこのミッションを成し遂げるためにどれだけの犠牲を払ったのか。偉業の背後にあるものを背負ったうえで、このような象徴的な人物を演じることはとても大変だったが刺激的な挑戦だった」と振り返った。さらに、ライアンは、アームストロングの妻であるジャネットに彼女が亡くなる前に会えたことやアームストロングの妹や2人の息子、NASA時代の同僚などにも会うことが出来、彼らの協力が役作りに大きく役立ったと話し、感謝を伝えた。
当日、イベントのゲストに宇宙飛行士の山崎直子氏とZOZOのCEO・前澤氏が出席。山崎氏は、作品の感想を、「全てがリアルで、まるでドキュメンタリーを観ているような感じだった。あの時代の宇宙船の古めかしい感覚と、まさに危険と隣り合わせの過酷な訓練。それに対してごく普通の日常生活のひとコマひとコマとの対比がとてもリアルだった」と絶賛した。
前澤氏も、「今まで観た映画の中で、断トツでナンバーワン!」とコメントし、「僕と一緒に観たスタッフの多くが、事故やトラブルのシーンを観て、僕が月に行くのが不安だと言いましたが、僕は逆にワクワクしました」と笑顔で語った。
前澤氏が2023年に民間人としては初めてとなる月周回旅行を予定していることにちなんで、チャゼル監督とゴズリングに「月に行ってみたいか?」という質問がとんだ。チャゼル監督は「月を近くで見られることには嫉妬しますね」と話す。ゴズリングは「僕には(月旅行する)勇気はないので、行きたいとは思わないけど(月旅行する)その勇気に感服する。地上で陰ながら応援しています」とエールを送った。
ライアンとチャゼル監督は『ラ・ラ・ランド』に続いてタッグを組んだ。2人は入念にリサーチを繰り返し、壮大なスケールで本作を作り上げた。ライアンはアームストロングの心理を分析して見事に演じきっており、チャゼル監督はありとあらゆる技術を駆使して見事な映像美で作品に仕上げた。来年の作品だがぜひ劇場の大きなスクリーンで楽しんでほしい。
(取材・文・写真:Sachiko Fukuzumi)
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