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2018-06-24 更新
エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ両監督、フローラン・ダバディ
映画「最強のふたり』(2012年公開/日本公開のフランス語映画歴代興行収入No.1大ヒット!)の監督・スタッフ陣により製作された、待望の最新作『セラヴィ!』が、7月6日(金)渋谷・シネクイントほか全国公開となる。世界的に注目を集める製作チームが再集結し作り上げたのは、ベテランウェディングプランナーの主人公が手掛ける17世紀の城を舞台にした豪華絢爛な結婚式の1日を通じて、チャーミングな人々が巻き起こす遊びゴコロと優しさに満ち溢れた私たちへの人生賛歌。昨年公開された本国フランスでは公開1ヵ月で興収25億円を突破した超・話題作。
日仏交流160周年を迎えた今年、13年振りに横浜で盛大に開幕したフランス映画祭2018のオープニングセレモニー&オープニング作品『セラヴィ!』の上映が、6月21日(木)にみなとみらいホールで行われた。映画上映後には、エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督がトークショー&ティーチインに出席した。監督二人は1000人以上の観客とともに映画を鑑賞し、映画後半に訪れる本作の“爆笑ポイント”の日本の観客の反応をじかに体感。場内からはその場面だけでなく、大きな笑いや拍手が何度も起こり、ふたりも満足気の表情でトークに臨み、本作制作のきっかけや映画にこめた想いなどをたっぷり語った。
セレモニーの前には豪華登壇者により行われたレッドカーペットには二人ともタキシードで参加し、上映後のトークショーのモデレーターとして、東京国際映画祭プログラミング・ディレクターの矢田部吉彦氏と、元プレミア日本版編集者/元サッカー日本代表監督フィリップ・トルシエの通訳としても知られるフローラン・ダバディ氏が登場。
ダバディ氏は、フランス映画祭との想い出として、「プレミア日本版に4年間関わって、一番楽しかった想い出は当時横浜で開催されていたフランス映画祭でした。4年間ずっと担当させてもらってきたんです。映画祭が横浜に帰ってきてくれてよかったと思います」と語る。舞台に登場したエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督は、大きな拍手に迎えられて登場。
トレダノ監督は、「温かく映画を受け入れてくださり、ありがとうございます。本当に興味深い、皆さんで笑ってくださり、いい反応をしてくださいました」と喜びを語る。ナカシュ監督は、「本当に幸せな気持ちです。ものすごくフランス的な映画だし、フランスだから気に入ってくれるのかもしれないと思っていましたが、この映画がいろいろな国で公開されて、僕たちはこうやっていろいろなところに行くことができます」と挨拶。
ダバディ氏は、「『最強のふたり』を初めて観たのは東京の映画館でした。20年間日本の劇場でずっとフランス映画を観てきたけれど、そこでは日本の皆さんと数人だけいたフランス人の観客が全く同じタイミングで笑っているのに触れて、本当に感動したんです」とコメント。
ダバディ氏は、客席で観客と一緒に本作を鑑賞したばかりで、「二人が作るユーモアは万国共通だと思います」と称賛する。トレダノ監督は、「そう言ってもらえて嬉しいです。僕たちにとっての麻薬は、“お客さんの笑い”なんです。2時間の間、自分の人生からちょっと離れて、皆さんに違う体験を一緒になってしていただくのは本当に素晴らしいことだと思います。僕たちは、皆さんの笑い声が聞きたくて日本にやって来ました」と、今回の来日に込めた想いを熱く語る。
ダバディ氏が、2015年のパリ同時多発テロが二人が本作を作ることにしたきっかけだったというエピソードに触れると、ナカシュ監督は、「僕たち自身もすごく心を痛めましたが、テロリストたちの狙いはまさに僕たちが意気消沈することで、文化や心を彩ってくれる生活の場所を狙ってくるんです。だから僕たちは絶対にしょんぼりすることなく、あれだけ泣いた分、皆で一緒に顔を上げて笑いたいと強く思いました。僕たち二人は物事をポジティブに考えたいんです。社会的な問題は多いですが、いろいろな人を集めて一緒に何かをすることでそれを乗り越えたいと思いました。偏った考え方に対しても、僕たちは手を取り合えば乗り越えられるんだというメッセージを映画を通じて伝えたいんです」と、映画制作への熱い想いを語る。
本作で主人公のベテランウェディングプランナー・マックスを演じているフランスの名優ジャン=ピエール・バクリについて、トレダノ監督は、「この映画で一緒に仕事ができてラッキーでした。バクリは本当に素晴らしい俳優で一緒にやりたいとずっと思っていました。彼は普段こういうコメディに余り出ないけど、今回、心を開いてこのコミカルな役を受け入れてくれました」と説明。世界の映画に精通する上でバクリのことを“不機嫌な中年男を演じさせたら世界一”と語る矢田部氏は、「そんな不機嫌な中年男にウェディングプランナーをやらせようと思うものすごい発想はどこから生まれたんでしょうか?」と質問を投げかけると、ナカシュ監督は、「僕たちは駆け出しの頃、短編制作のためにイベントの裏方のアルバイトをしていました。そういう経験を通じて“仕事を一緒にやるチーム”についての映画を撮りたいとずっと思っていました。一方で、結婚式では表にいる参列者と、裏方で働く人たちとでは、社会的地位や結婚式に対する考え方もズレがあって、すごく映画に向いているんじゃないかと思ったんです」と本作のアイデアの出発点を説明。
個性が強すぎてマックスとスタッフたちを困惑させるブルジョワ層の新郎ピエールを演じているバンジャマン・ラヴェルヌは、本作に出演している主だった俳優の中では唯一の“コメディ・フランセーゼ”出身。映画ではピエールがとんでもない目に遭う場面があるが、国立の劇団としてフランス演技界のエリート中のエリートといえるこの組織の俳優がそのような役を演じていることについて、「エリートである彼が、あんなイヤな奴の役をやってくれたのが嬉しい。ピエールという人間は“まさにキン○マ野郎”ですよ(笑)!」と、思わず本音を呟き、通訳がそのまま訳してしまったことから、ピエールの顛末を知る場内は大きな笑いに包まれた。
物語の舞台となるのは、17世紀に建てられ、ルイ13世が所有していたパリ近郊のクランス城。監督ふたりは撮影が行われた4ヵ月もの間、その城に寝泊まりしていたといい、ダバディ氏は、そういった文化的資源までもロケーションできるフランス映画制作をめぐる豊かな環境をうらやむ場面も。
そのほか、まさに試合開始を数時間後に控えたサッカーワールドカップ・フランス戦についての話題や、トレダノ監督が今回の来日で気になって仕方がなかったという日本語“(発言の頭に付ける)あのー”にちなみ、二人の発案でコール・アンド・レスポンスも行われるなど、大きな盛り上がりを見せた。
二人は、トークショー後もロビーに駆け付けた多くファンたちに対してサインや写真撮影にも時間を気にせず気軽に応じ、観客との交流を心から楽しんでいた様子だった。
(オフィシャル素材提供)
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