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舞台挨拶・イベント

トップページ > 舞台挨拶・イベント > 『MIFUNE:THE LAST SAMURAI』

『MIFUNE:THE LAST SAMURAI』
公開直前イベント

2018-05-10 更新

町山智治(映画評論家)、春日太一(時代劇・映画史研究家)

MIFUNE:THE LAST SAMURAImifune-samurai

配給:HIGH BROW CINEMA
5月12日(土)より有楽町スバル座ほか全国順次公開
© MIFUNE:THE LAST SAMURAI”Film Partners
© TOHO CO.,LTD.

 “世界のミフネ”と称賛された男の半生とサムライスピリットを描くドキュメンタリー映画『MIFUNE:THE LAST SAMURAI』の凱旋公開直前を記念して、5月6日(日)にトークイベントが実施された。アメリカ在住の映画評論家の町山智浩と日本在住の時代劇・映画史研究家の春日太一が登壇し、“世界のミフネ”について熱い激論が繰り広げられた!


mifune-samurai 上映終了後、町山、春日が登壇すると大きな拍手が沸き起こった。町山から映画の感想を聞かれると春日は「三船敏郎を知らない人が観た時に、コンパクトな時間で理解ができる入門編的な内容になっている」と三船ファンだけでなく、新たに三船敏郎に興味を持った人にも見やすい作品であることを述べると、続けて春日は「取材をさせてもらった人がいる中で、亡くなってしまった方が三人もいる。三船敏郎も含め、ここに出てくる三船敏郎を語っている人たち自身もまた亡くなってしまっていることが、今後一つの貴重な証言資料と言うか映像資料なっているのかなと思う」と本作に登場する土屋嘉男、中島春雄、夏木陽介らの死を悼み、しみじみと語った。

mifune-samurai 三船敏郎の俳優魂について、春日は「三船敏郎は頑張っているところを見せたがらない人だった。何でこんなにも殺陣ができるのか大きな謎があった。あまり明かされてないが、三船敏郎のいくつかのインタビューを調べていったら、出てきた言葉がやはり黒澤 明! 黒澤 明の要求がかなり厳しかったということがある。『隠し砦の三悪人』で三船敏郎は馬の達人かと思うほどの演技を見せるが、実はこの時まで馬に乗ったことがない。馬上の殺陣という前代未聞のことをやるが、あれが初めて。三船敏郎は何度も落馬して身体が満身創痍になり覚えた。ですから殺陣の流儀ではなく、本当に武将としてのトレーニングというのをやられていたらしく、ご本人が言っていたのが、これがどの時の傷かというのが言えるくらいだったとか。黒澤 明の要求に答えるために、三船敏郎は傷つきながら技術を覚ていた」と持論を語った。この秘話に町山も「え! そうなの!? 『隠し砦の三悪人』の馬あんなにすごいのに!」と驚きを隠せない様子だった。

 また町山は、「ゴジラと三船ってすごく共通点がある。世界が知っている日本といったらゴジラと三船。そして両方とも志村 喬に可愛がられている。アンディ・サーキスっていうモーションキャプチャー・アクターが、ゴジラのリメイクを撮った際、ゴジラの動きをつけている。彼がイメージとして何を元にしたのか聞かれ、三船敏郎だと答えた際の「(ゴジラの動きは)侍である。ただその時代は終わってしまって、たった一人生き残った侍が去っていく姿なんだ」という発言に、あっ!と思ったのが、ゴジラ・シリーズは途中からゴジラが去っていく後ろ姿をすごく強調しているということ。ゴジラというのは、恐竜が全部滅んだ中で一匹だけはぐれてしまった怪獣の王として悪いやつを倒して去っていく。それが三船敏郎のイメージとすごく似ている。『椿三十郎』のラストシーンとか」と三船敏郎とゴジラとの不思議な共通点を熱く語った。

最後に、「三船敏郎の侍としてのスッとした裏側にあるアイロニーというのも感じてもらいたい」と町山が締めくくり、会場は大きな拍手に包まれた。



(オフィシャル素材提供)



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