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2017-10-29 更新
蒼井 優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊、白石和彌監督
配給:クロックワークス
新宿バルト9他 全国公開中
© 2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
ラブストーリーに夢を見られなくなった大人の女性たちに「究極の愛とは何か」と突きつけ、読者を虜にした沼田まほかるの20万部を超える人気ミステリー小説の待望の映画化!蒼井 優、阿部サダヲW主演『彼女がその名を知らない鳥たち』が10月28日(土)に全国ロードショーをむかえ、蒼井 優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊の豪華キャストと、白石和彌監督が登壇し初日舞台挨拶を実施した。
クレーマーで自分勝手で嫌な女・十和子を蒼井 優が、そんな十和子に異様な執着を見せる不潔でちんけで下劣な男・陣治を阿部サダヲが演じ、さらに妻子がありながら十和子と肉体関係を結ぶゲスな男・水島に松坂桃李、十和子の昔の恋人で別れる時に彼女の心にも身体にも傷が残る手酷い仕打ちをしたクズな男・黒崎に竹野内豊が演じている本作。登場人物全員が最低で、共感度0%、不快度100%にもかかわらず、“究極の愛”のかたちが描かれることにちなみ、舞台上でそれぞれの“究極の○○”エピソードを激白! それぞれが、意外で、衝撃的な告白の連続で会場を盛り上げた。さらに蒼井は、今年7月に急逝した中嶋しゅうの本作への出演を白石監督に提案していたことを明かし、念願叶っての初めて共演した映像作品となった本作への深い想い入れを語るなど、終始あたたかな空気に包まれたイベントとなった。
あいにくの雨にもかかわらず大勢の報道陣が詰めかけ、今か今かと観客が待ち受ける会場に、蒼井 優、阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊、白石和彌監督の5人が姿を現すと割れんばかりの歓声が巻き起こった。
蒼井が「自分勝手に見えて主体性のないような役で、お三方それぞれに違う面を見せていきたかった。阿部さんとのシーンはホントに汚いところが多くて、松坂さんとのシーンはキラキラしているところばかりだし、竹野内さんとは嘘みたいに白い家や白い砂浜だった。3本の作品を撮っている感覚でした。公開になって嬉しいです」とあいさつ。
続いて阿部が話し始めたところでマイクにトラブルが発生してしまうものの、隣の竹野内がスマートに自身のマイクを差し出し、阿部は「竹野内さんって優しいんですよ!」と満面の笑みを見せ、「千葉出身なので関西弁に本当に苦労して、毎日鬼のような方言指導をされました。でも(オール関西ロケは)いい風景のところばかりで、自分はほんと汚い部屋に住んでいる役だったので、皆さんがあんなに綺麗で夢のようなシーンを撮っているなんて知りませんでした(笑)」と嫉妬を見せ、松坂は「雨の中この作品を選んでくださってありがとうございます。観ていくとどんどん憎悪が沸くくらいうすーい男なので、前半と後半でその落差がしっかり出せればと思いました」と話し、竹野内は「初めて台本を読ませてもらって、これまでになかった役どころだったので、『大丈夫かな、どんなイメージで演じたら良いかな』という話を監督とさせてもらったんですが、『最低で最高だったらそれでいいです』と言っていただいたのが印象に残っています」と振り返ると、白石監督は竹野内へのオファーについて「クズが出てくる映画をたくさん撮ってきましたが、竹野内さんの演じた黒崎は、擁護のしようのないクズ。でも悲しみや孤独がないまぜになっている男なので、竹野内さんにやってもらえたらそういったいろいろなものを表現してくれると思いました」と明かしつつ、笑えるような作品とは少々違うにも関わらず現場でよく笑っていたことを指摘された白石監督は、「これだけ豪華俳優の皆さんが想像のナナメ上をいく芝居をしてくれて、いいものを撮れていると思うと笑えてしょうがない。暴力が酷いシーンで笑っていると言われて直そうと思ってます。そういうシーンも好きは好きなんだけど……(笑)」と話した。
そして本作が、登場人物全員が最低で、共感度0%、不快度100%にもかかわらず、“究極の愛”のかたちが描かれることにちなみ、舞台上でそれぞれの“究極の○○”エピソードを発表することに!
蒼井は悩みながら「“究極の寒がり”ですかね。痛いとかよりも“寒い”が一番嫌い! 今くらいの時期がぎりぎりロケに出られるんですが、真冬は舞台の仕事をさせてもらってロケを避けてます(笑)」と意外な告白。
阿部は「“究極の選択”、お芝居をはじめたことですね。その前にはトラックの運転手をしていて、金髪でヒゲも生えて陣治より汚かったんで、陣治役がちょっと心地よかった(笑)。そんなやつが主演でこうして出させてもらって舞台挨拶です! 芝居をやっててよかった!」とまたも嬉しそうに語る。
松坂は「“究極に怖かったこと”があって。以前に(別の作品で)カンボジアで撮影をしていたとき、現地の人からアンコールワットの朝焼けが綺麗だと聞いて、最終日の朝に1人で観に行ったんですが、現地の人5人ぐらいがナイフを持ってわーっと駆け寄ってきたんです。アンコールワットに逃げ込んで観光客の人たちに助けてもらいました」と衝撃的なエピソードを明かすと、阿部は「人殺し? でもカンボジアがみんなそんな人みたいになっちゃうよ」とすかさずツッコミを入れると、松坂が「みんないい人ですごくいいところです(笑)! でも本当に怖かった!」と返し会場を沸かせた。
竹野内が「俳優をやっていて、いい時も悪い時もあったけど、白石さんと出会って映画への情熱が深い人だと感じて、みんなで参加できて嬉しかったし今後の糧になったので、“究極の映画への白石愛”みたいなことですね」と胸の内を語ったあと、白石監督は「ぼくは“究極の熱演”です。ここもゲラゲラ笑ったんですが、(松坂)桃李くんの最終カット。あれは熱演してくれる!なと」と振り返ると、全員が笑いながら「あれは熱演(笑)!」と共感し、阿部が「早くいなくなってくれないかなと思った」と毒づくと、松坂は「だって!そういう演出だったの!」とタジタジに。
阿部は最後に、「余韻に浸れて、愛とは、恋愛とは何かと、いろいろなことを話し合える映画です。こんな良い映画に出させていただいて本当に嬉しいですし……“竹野内様”って書いてあるマイク持ってるんですよ(笑)! すごく嬉しいです!」とハプニングで受け取ったマイクを嬉しそうに見つめながら会場を笑いに包み、蒼井は「今日からこの作品を皆さんと共有できるのが嬉しいです。そして、中嶋しゅうさんの最期の作品になりました。偉大な偉大な先輩で、私に芝居の面白さを教えてくださった方。差し出がましいけど、しゅうさんに国枝役をどうしてもやっていただきたくて、監督に提案させていただいて、映像作品でご一緒したことがなかったので私の夢が叶った作品になりました。愛らしい方なんですが、びっくりするほど気持ちの悪い役で(笑)、でもそれもとてもしゅうさんらしくて。亡くなったことはまだまだピンと来ないですが、しゅうさんの姿と、松坂さんの熱演を(笑)、皆さん目に焼き付けていただけたらと思います!」と本作への愛情たっぷりの思い入れを語り、あたたかな空気に包まれたまま、大盛り上がりの舞台挨拶は幕を閉じました。
(オフィシャル素材提供)
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