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『STAR SAND -星砂物語-』単独インタビュー

2017-07-29 更新

三浦貴大


STAR SAND -星砂物語-star-sand
© 2017 The STAR SAND Team
配給:The STAR SAND Team

ヘアメイク&スタイリスト 山崎惠子
シャツ (アニエスベー) 問い合わせ先 03-6229-5800
パンツ 12000円 スニーカー 18000円 (MONSIEUR NICOLE)
(税抜) 問い合わせ先 03-5778-5445


 映画『明日への遺言』などで脚本を担当してきたロジャー・パルヴァースが初メガホンを取って、沖縄を舞台にした自身の小説を映画化した『STAR SAND -星砂物語-』に出演し、戦時下に戦うことを拒否した日本兵・岩淵隆康の兄・一(はじめ)を演じた三浦貴大。作品に向かう姿勢や共演者と監督について話を聞いた。


三浦貴大、「役者として、ずっと長く続けていけたら……」と決意新たに。


 1945年の戦時中の沖縄、戦うことを拒否して洞窟で隠れて暮らす脱走兵である日本兵(満島真之介)と米兵(ブランドン・マクレランド)の2人が、戦禍を逃れて島で生活していた16歳の少女・洋海(織田梨沙)と遭遇することから始まり、七十余年の時を経た現代の東京とを行き来しながら展開するストーリー。ある日、隆康の兄・一(三浦貴大)が洞窟に現れたことで関係性が大きく変わっていく……。


star-sand 若き日にベトナム戦争に反発してアメリカを去ったパルバース監督が、“真の反戦映画とは何か”との考えのもと、原作、脚本、そして監督を手掛けた。そんな監督について三浦は「人柄が大好き。すごく優しい方。昔の経験とかいろいろなことを話してくださるので、すごく楽しかった。それに、『自分は初監督だから――』とすごく謙虚で、監督としてあんなに楽しそうに撮影する人は初めて見ました」と印象を一気に語った。「『いい芝居を撮りたい』と思われていて、役者に対して『この役に対してどう思うか』といつも聞いてくる方で、監督の演出よりも役者の考えを尊重される方は初めてだったので、とても新鮮な感じでした」。


star-sand 三浦は満島の兄で、戦争で負傷し除隊した兵・岩淵一役を演じている。完成作品を観て「不思議な作品だなぁって。監督の伝えたかったことがすごく伝わってくるんですね。戦争を題材にしていて、人間たちの生き様を現代から追っていくという手法で、人と人とのつながりがしっかりと描かれているので、不思議な気持ちになりますね」。戦争というものについて問うと、三浦は「戦争自体は、僕は反対です。起こってはいけないと思うし、そのために何が出来るかですね」とコメント。イメージそのまんま、真面目な性格が伝わってきた。劇中の三浦は感情が揺すぶられる役を好演している。


 今作は、戦禍から遠く離れた小さな島の洞窟が舞台。昨年夏に太平洋戦争の激戦地の一つである沖縄県・伊江島などで撮影された。三浦が撮影に参加したのは1週間ぐらいだという。「監督が描いているのは、どんな状況の中でも人と人とのつながりによって人間関係が作られているということ。沖縄の島で撮影すると聞いたので、もしかすると自分は台本のセリフをしゃべるというイメージで、その舞台となる場所だったりに助けられて、いいものが出来るんじゃないかなって思っていました」と話す。


star-sand 「その日の撮影が終わって宿に戻って、宿の外に置いてある丸いテーブルで真之介とビールなんかを飲んでいると、宿の人が地元の新鮮な魚を持ってきてくれたりして、本当に美味しかったんです」とお世話になったと話す島民との想い出を話し、「映画ってああいう方たちに支えられているんですよね」と島での貴重な経験を述懐した。


 戦時下に戦うことを拒否した日本兵、岩淵隆康を演じた満島真之介とは以前から親交があり、「彼の人間性が大好き」と明かした三浦は、今回の初共演を楽しみにしていたという。「真之介となら一緒に作り上げて行ける……と思った」と話し、「彼は、周りを全部巻き込んでしまうぐらいのパワーがある人なんで、今回の静かな役をやるというのはいいキャスティングだったんじゃないかなと思います」。そして、バラエティーなどでも活躍している満島についても「よくあんなにしゃべれるなぁーって。すごい才能。僕にはちょっと……」と感心しきり。


star-sand また、主人公の洋海を演じた織田梨沙については「すごく繊細な芝居をされる方です。役に対して一生懸命で、まっすぐ素敵な芝居をされます。顔の表情とか、セリフのまわしかたも独特で、映画映えしますね」と称賛した。

 俳優という職業に就いている三浦は「役者って芸術家でもなければ、サラリーマンと全く変わらないと思っていて、生活していくために仕事をするというイメージ。役者としてずっと長く続けていけたら……と思っています」と分析し、決意を新たに。幅広い役柄にも挑戦し、その演技力をさらに進化させ続けている三浦に今後も注目したい。


 他の共演者に吉岡里帆、寺島しのぶ、渡辺真起子、石橋蓮司、緑 魔子といった個性派の豪華キャストが出演。また、『戦場のメリークリスマス』以来のパルバース監督の友人でもある坂本龍一が、主題曲を提供している。


(取材・文・写真:福住佐知子)



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