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舞台挨拶・イベント

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『この世界の片隅に』8月15日再上映舞台挨拶

2018-08-17 更新

のん(主演声優)、片渕須直監督

この世界の片隅にkonosekai 配給:東京テアトル
© 2018こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

 2016年に公開され、口コミと共に大きな反響を呼んだアニメーション映画『この世界の片隅に』の夏の再上映舞台挨拶が終戦記念日となる8月15日に都内にて行われ、主人公・すずの声優を務めたのん、片渕須直監督が登壇した。

 本作は、「長い道」「夕凪の街 桜の国」などで知られる、こうの史代が第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した同名漫画をアニメ化した作品。戦時中の広島県呉市を舞台に、ある一家に嫁いだ少女が戦禍の激しくなる中で懸命に生きていこうとする姿が描かれる。テレビアニメ「BLACK LAGOON」シリーズや『マイマイ新子と千年の魔法』などの片渕須直監督がメガホンを取る。


 2016年11月12日に公開されて以来、642日もの間、一日も途切れず劇場上映され続けてきたことについて片淵監督は「たくさんの方々に応援していただいていることを実感しています」と観客に感謝の気持ちを伝えた。のんは「こんなに長く1つの作品と付き合うのは初めて。貴重な経験をさせていただいてます。こんなに長く皆さんに愛される作品は、世界中のどこをみてもないと思います」とのんは、2016年11月公開以来、約2年にわたって同じ作品に携わっていることに感慨深げな様子。


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 片淵監督は「ご覧になる方が、ご自分の親戚がすずさんと同じ時代にどんなことをしていたのかなと想像したり、いろいろな人たちの顔を思い出すような映画になっていたらありがたいです」とコメント。


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 劇中で終戦を迎えたすずが、玉音放送を聞き、畑で泣き伏すシーンについてのんは、「最初、自身が演じてきたすずの性格からすると意外な行動に思えた」と話す。しかし、片渕監督から、終戦の日には、すずのように自分でも説明がつかずに涙が溢れ出てきた人がたくさんいたことを聞いたというのんは、「すずさんの中に押し込めていた、さまざまな怒りが終戦の日に逆流してきたんだろう」と理解して演じたと説明した。また、すずの感情が溢れる場面をつくりこむために、「片渕監督が録音するブースを真っ暗にして感情をしっかり作れるようにしてくれました」と明かし、監督に感謝の気持ちを伝えた。


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 また、『この世界の片隅に』に新規シーン30分を追加した長尺版が新タイトル『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』となって12月公開に公開される。同作の特報映像のアフレコ収録を撮り終えたというのんは、「前作から期間が空いていたので『出来るかな?』という不安な気持ちがありましたが、監督に会って、録音スタジオのブースに入って何度かやるうちに、『大丈夫だな』と思い、手応えを感じました」と話す。さらに、今後の本編収録に向けて「監督と密にやっていけたらなと思います。よろしくお願いします!」と意気込みを見せた。

 12月公開の『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』のタイトルに込めた思いについて聞かれた片渕監督は、「『この世界の片隅に』は、すずさんの人となりを紹介していく映画でしたが、すずさんが出会ったたくさんの他の人たちのことも含めて語ることで、すずさんがどんなふうに変わっていって、最後の結末に至ったのかということをもっと詳しく描いていきたいなと思っています」と語った。


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 最後に、のんは「『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』をまたたくさんの方に観ていただけるチャンスだなと思っております。お楽しみに!」と笑顔でアピール。片渕監督は「すずさんは物語の中で生きているので、まだまだ上映も続けていきたいなと思います。すずさんの周りの山々や街、飛んでくる飛行機などの音は、映画館で一番再現できると思うので、ぜひ映画館で味わってもらいたいです」と客席に向かってメッセージを伝えた。


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(取材・文・写真:Sachiko Fukuzumi)


映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』

(2018年、日本、上映時間:98分)

 ■ストーリー
 ここではひとりぼっち、と思ってた。
 広島県呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19(1944)年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。
 ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるが呉で初めて出会った同世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、夫・周作とリンとのつながりを感じてしまう。
 昭和20(1945)年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。
 そして昭和20年の夏がやってくる――。


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 ■監督・脚本:片渕須直
 ■原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
 ■企画:丸山正雄
 ■監督補・画面構成:浦谷千恵
 ■キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
 ■美術監督:林 孝輔
 ■音楽:コトリンゴ
 ■プロデューサー:真木太郎
 ■製作統括:GENCO
 ■アニメーション制作:MAPPA
 ■出演:のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世、牛山 茂、新谷真弓、澁谷天外(特別出演)

 ■公開表記:配給:東京テアトル
 テアトル新宿・ユーロスペースほかにて12月全国公開


公式サイト: ikutsumono-katasumini.jp (外部サイト)



© 2018こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会


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