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『沈黙-サイレンス-』来日記者会見

2016-10-23 更新

マーティン・スコセッシ監督、窪塚洋介、浅野忠信

沈黙-サイレンス-chinmoku

配給:KADOKAWA
2017年1月21日(土) 全国ロードショー

chinmoku 遠藤周作の小説「沈黙」を映画化した『沈黙-サイレンス-』の来日記者会見が都内で行われ、マーティン・スコセッシ監督、窪塚洋介、浅野忠信が出席して作品について語った。

 スコセッシ監督が、原作小説と出合ったのは1988年。自身がカトリック信者であることから、映画化を熱望し、権利問題など多くの障壁を乗り越えて実現にこぎつけた。

 17世紀、キリシタン弾圧の嵐が吹き荒れる江戸時代初期の日本を舞台に、来日した宣教師の衝撃の体験が描かれる。アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバーをはじめ、日本からは窪塚と浅野、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬 亮、笈田ヨシら実力派が集結している。

 この日、会見前に同作のフッテージ映像が4シーンで約15分世界初上映された。上映されたのは、窪塚扮するキチジローがアンドリュー・ガーフィールド演じる宣教師に告解するシーン、浅野が演じる通辞が宣教師を説得するシーン、塚本晋也が十字架にかけられ、海で処刑されるシーンなど……。

chinmoku スコセッシ監督にとって「沈黙」の映画化は、28年間温めていた企画がやっと実現にこぎつけたというもの。スコセッシ監督は「長い歳月を経て、その間、わたしは父になり、夫になり、そしてフィルムの修復活動を経て、成長して来ました。この長い期間がこの原作が表現したいものは何なのか、考える時間となりました。この映画のテーマは“文化の違い”と“衝突”です。言葉では説明できないような領域を描きたかった。それは“信ずるとは何か”ということ。この原作ならば精神世界を追求する上で大事な材料になると思った。この映画についてはまだまだ、いたいことがたくさんありますが、その前に作品を観てもらわないといけないですね……」としみじみ。

 一緒に登壇したキャストについて聞かれたスコセッシ監督は、窪塚がキチジロー役を演じているオーディション用ビデオを見たそうで、「窪塚さんは力強く演じているだけでなく、心から正直に演じており、心底この役を理解していると感じた」と語り、浅野については「浅野さんの映画は『モンゴル』『アカルイミライ』『殺し屋1』など何本も観てきたので、過酷な撮影を乗り越えてくれると確信した」と話し、以前からイッセー尾形や塚本晋也のファンであったことも明かしていた。

chinmoku オーディションを経て、ハリウッド映画に初出演を果たした窪塚は「『役が決まった』と言われた時は、狐につままれたようで……。ドッキリなんじゃないかと思った」と興奮気味に出演の喜びを語った。続けて、「夢のような時間と最高の経験をさせてもらった作品」としみじみと語った。スコセッシ監督については、「クランクインの日にきれいなスーツを着ていて、薄汚れた現場で、床に寝転びながらも演出してくれた。スーツが汚れちゃうと思ったけれど、そんなの関係ない。こんなにいまも情熱を持ってやっているんだと、メラメラな人だと思った」と独自の感性でスコセッシ監督の演出ぶりを称賛した。

chinmoku 一方通辞役を務める浅野も「大きな大きなチャレンジでした。とてもうれしく思いました」と感無量の面持ち。「オーディションで監督にお会いした時、とても面白かった。お互いに心が通じる瞬間があったような気がして、その思いを共有できた撮影だった。俳優の奥にある何かを常に期待してくれていると感じた。撮影期間は僕にとっての宝になった」と回想した。

 スコセッシ監督は「この2人ならば役を演じ切ってくれるという確信があったし、言葉にしなくても通じ合うものを感じた。私は昔から日本映画に親しんでいるので、今回のキャスティングにあたっては、家族のような人をかき集めたようなもの」と日本人キャストに全幅の信頼を置いているようだった。


(取材・文・写真:Sachiko Fukuzumi)




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