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記者会見

トップページ > 記者会見 > 『家族はつらいよ』完成報告会見

『家族はつらいよ』完成報告会見

2016-01-24 更新

橋爪 功、吉行和子、西村雅彦、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井 優
山田洋次監督

家族はつらいよkazoku-tsuraiyo

配給:松竹
2016年3月12日(土) 全国ロード笑
© 2016「家族はつらいよ」製作委員会

 「男はつらいよ」シリーズ終了から20年、山田洋次監督待望の喜劇『家族はつらいよ』が完成した。本作は『東京家族』の家族8名と山田洋次監督の親睦の中から生まれ、「この家族で喜劇をつくりたい」という山田監督の願いで実現した作品。

 この度、3月12日(土)の全国公開に先立ち、橋爪 功、吉行和子、西村雅彦、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井 優の豪華キャストと山田洋次監督による完成報告会見、完成披露試写会での舞台挨拶が実施された。撮影以来、本作でキャストが揃うのは今回が初めてとなった。


【記者会見内容】

MC: 本日は映画『家族はつらいよ』完成報告会見にお越しいただき、誠にありがとうございます。
 映画『家族はつらいよ』は、山田洋次監督が贈る待望の喜劇作品です。国民的シリーズ映画「男はつらいよ」以来、20年ぶりの本格喜劇となります。出演には、2013年公開の『東京家族』で演じたキャスト8名が再び結集。結婚50周年を迎える夫婦に突然起きた“熟年離婚”騒動に大慌てする一家を、最高のアンサンブルで演じあげました。
 さて、本日は完成報告会見ということで、監督、キャストの皆様にお越しいただいております。皆様が一同に会するのは撮影現場以来となり、本作について揃ってコメントをいだくのは本日が初めての機会となります。
kazoku-tsuraiyo それでは早速、監督、キャストの皆様をお呼びいたしましょう。皆様、拍手でお迎えください。橋爪 功さん、吉行和子さん、西村雅彦さん、中嶋朋子さん 、林家正蔵さん、妻夫木聡さん、蒼井 優さん、そして山田洋次監督です。
 はじめに、本作のメガホンを取られました山田洋次監督、ご挨拶をお願いいたします。

山田洋次監督: 久しぶりに家族の皆に会えて幸せです。封切りが迫り、このように発表させていただけて嬉しいです。きっと皆さんにも大笑いして観ていただけると思います。

MC: ありがとうございました。それでは出演者の皆様にご挨拶を頂きます。妻から突然の離婚を突き付けられる平田家の主・平田周造役を演じられました橋爪 功さん、お願いします。

橋爪 功: 久しぶりに山田監督にお会いできて嬉しいです。撮影が終わってから1年以上たち、公開が待ち遠しいのですが(皆さんの反応が怖くて)まだ客席には座る勇気がありません(笑)。はじめてタイトルを聞いたとき『家族はつらいよ』?と思って驚いたのが懐かしいです。

MC: ありがとうございました。続きまして、その周造の妻・平田富子役の吉行和子さんお願いします。

吉行和子: 山田監督もおっしゃったように、ついこの間まで家族だった気がします。『東京家族』とは違ってちょっと困った奥さんの役ですが、やっているほうは楽しくて楽しくて。今でも橋爪さんの顔を見ると笑ってしまいそうです。

MC: ありがとうございました。続きまして、周造の長男・平田幸之助役の西村雅彦さん、お願いします。

西村雅彦: 1年ちょっとぶりに山田監督、共演者の皆さんと再会できて嬉しいです。とはいいつつ、まだ、今日は山田監督と一言も言葉を交わしていないので、どこかで機会をみてお話をしたいと思います(笑)。

MC: ありがとうございました。続きまして、周造の長女・金井成子役の中嶋朋子さん、お願いします。

中嶋朋子: 本日はお越しいただきありがとうございます。山田監督のもとで再びご一緒させていただき幸せです。山田監督の喜劇というとワクワクしますが、私はあまり喜劇を演じたことが無いのでヒヤヒヤしていました。この笑いが全国に広まってもらえるとありがたいです。

MC: ありがとうございました。続きまして、成子の夫・金井泰蔵役を演じられました林家正蔵さん、お願いします。

林家正蔵: 先日、母、嫁、戻ってきた姉の3人で作品を観させていただき、大笑いして心が温かくなったと言って帰ってきました。母には「このような良い映画に出演できて親孝行だね」と言われましたが、同時に「海老名家もつらいよ」という話にもなりました(笑)。

MC: ありがとうございました。続きまして、次男・平田庄太役の妻夫木聡さん、お願いします。

妻夫木聡: 本日はありがとうございます。この作品で『東京家族』と同じ家族が、喜劇に生まれ変わるのを心待ちにしていました。役柄が直前で変わって、監督からショパンを弾いてくれって言われて、大変ではあったのですが、そこにも注目して観ていただけるとありがたいです。

MC: ありがとうございました。続きまして、庄太の恋人・間宮憲子役の蒼井 優さん、お願いします。

蒼井 優: 『東京家族』の撮影の時に皆で“崩壊家族”とか“脱線家族”とか妄想しながら笑い話をしていたのが基で、こうして映画になるのは感慨深いです。皆さんそれぞれご自身の家族の姿を重ねながら観ていただけると思います。

MC: ありがとうございます。本作は山田監督が手掛ける久々の喜劇ということで、既にマスコミ試写会や各地での先行上映会などでも、会場内が非常に大きな笑い声で包まれていると伺っております。今回、喜劇作品をお作りになるにあたって、なぜ“熟年離婚”という題材をテーマにされたのでしょうか。また、『家族はつらいよ』というタイトルに込めた想いはございますか?

山田洋次監督: 蒼井 優ちゃんが話してくれたエピソードが印象強くて、喜劇にしようというきっかけになっています。タイトルについてですが、人間、家族をどういうアングルから見るかによって、真面目な家族でも滑稽に見えることが多々あります。「ああ、自分たちにもこういうことがあるなぁ」と思いながら、苦笑して涙ぐんでいただければと思って、『男はつらいよ』と根本的にテーマは同じだ、自分の作品ならマネしてもいいだろうと思ってこのタイトルをつけました。

MC: ありがとうございました。続きまして、キャストの皆様にお伺いしていきたいと思います。前回『東京家族』でご一緒された皆様ですが、今回は同じメンバー・同じ家族構成でありながら、別の一家の物語を“喜劇”で演じるという、映画史上でも他に例をみない形でのご出演となりました。
 まずは、橋爪さん、吉行さんご夫婦にお伺いします。橋爪さんが、『東京家族』で演じられた周吉は、寂しげな背中が印象的でしたが、今回の周造は家の中で怒鳴っている姿や表情が大変印象的でした。『家族はつらいよ』の現場で、“喜劇作り”ならではの面白味や発見などは、ございましたでしょうか。

kazoku-tsuraiyo橋爪 功: 山田監督から、喜劇だから君に合っていると思うと言われて、「そうですね」と答えました。フィーリングを分かってくださっているので、監督の言うことを聞いていれば間違いないのですが、吉行さんの優しい感じの演技が心底怖かったです(笑)。

MC: ありがとうございます。続きまして吉行さんも『東京家族』では夫の後に付いて歩くような“よき妻”を演じられましたが、『家族はつらいよ』での富子という女性は前作と比べていかがでしたか。今回の撮影で、今だからこそ笑って話せる大変だった点などがあれば、教えてください。

吉行和子: 怖い怖いと言われて(本性が)バレたかなと思うくらいでした(笑)。『母と暮せば』を劇場で観たときに、『家族はつらいよ』の予告編が流れて「お父さんと一緒にいるのが私のストレスなの」と言うシーンでは前に座っている女性たちから笑いが起きて、共感する人が多いんだな、「分かる分かる」と思ってくれているんだなと感じました。

MC: ありがとうございます。続いて、妻夫木さん、蒼井さんのお二人に印象的なシーンについて、お伺いしたいと思います。
 まず妻夫木さんにお尋ねしますが、今回はピアノ調律師の役ということで、コンサートホールのシーンでは、ご自身初披露となるピアノの演奏もされていますね。どのように役作りに取り組まれたのでしょうか。

妻夫木聡: クラインインの前、本読みが終わったその日の夜22時くらいに、山田洋次監督から着信があってビックリしました。和田アキ子さんから着信があったときぐらいの衝撃でした(笑)。電話で、役を調律師に変えたいと言われてから、調律師について勉強しましたが、そのあと現場で、「最後にショパンでも弾いてくれないかな」と言われて、1ヵ月半練習しました。その成果は是非スクリーンでご確認ください。

MC: ありがとうございます。続けて、蒼井さんにお伺いしますが、本作では「家族会議」のシーンが非常に重要なシーンとなっております。リハーサルだけで丸1日、撮影も5日間かけたというこのシーンの現場は、どのような雰囲気だったのでしょうか。

蒼井 優: シーンがシーンだけに中々OKが出なくて重い雰囲気でした。8人で励まし合いながらやっていきましたが、私はまだ家族ではないので会議を観ているだけでした。ちょうど向かいでサングラスをかけた西村さんが真剣に演技していたので、笑ってしまいそうでした。

MC: ありがとうございます。それでは続きまして、中嶋さん、正蔵さんご夫婦にお伺いします。
 監督の演出や現場でのエピソードについてお尋ねしたいと思います。中嶋さん、今回の成子役は怒ったり泣いたりと大忙しで、感情の変化が求められたかと思いますが、山田監督からの言葉や演出で、特に印象に残っていることはありますでしょうか?

中嶋朋子: 感情の起伏が激しい役でしたが、監督から「真剣に生きていればいい」と言われ、初心に帰ったような気持ちになりました。

MC: ありがとうございます。続いて林家さんにお伺いします。『東京家族』の撮影では、なかなか監督からのOKが出なくて、らっきょうを107粒も食べたという苦労話が話題となりましたが、今回の撮影で特に「つらいよ」だったことはございますか。

林家正蔵: 今回は溺れるほどお茶を飲みましたよ! 65、6杯までは数えていましたが蒼井さんがニヤニヤ笑うんですよ。

蒼井 優: 「論点がずれてますよ」と言った直後に飲むお茶で溺れていました。

林家正蔵: お茶で溺れたのは初めてです!

MC: ありがとうございます。それでは最後に、西村さんにお伺いしたいと思います。これまでの数多くのコメディや喜劇作品にご出演されてきた西村さんですが、山田監督作る喜劇の現場を初めて体験されて、いかがでしたでしょうか。

西村雅彦: 日本を代表する喜劇作家の山田監督、そして素晴らしいキャストの皆さんとご一緒できて感無量です!

MC: ありがとうございます。それでは会場の記者の方から質問を受け付けたいと思います。

質問: 『東京家族』の制作時から喜劇と言う発想はあったのですか? また先ほどお話に出た雑談のなかからアイデアが生まれたというのを具体的に教えて下さい。

山田洋次監督: 視点をずらすと滑稽に見えるというのは作りながら思っていました。喜劇として作るのが可能だと考えて、クランクインを迎えられた時とても嬉しかったです。雑談の中からアイデアが出てきたというのは蒼井さんのお話からです。

kazoku-tsuraiyo橋爪 功: そのことを裏で話していたら、蒼井さんが「それなら私が先生ね」と言っていて、空いた口がふさがらなくなりました(笑)。

山田洋次監督: 原案だから蒼井先生だね。

蒼井 優: それは私の周りにいた不幸な友達のことを話しただけなので……。

山田洋次監督: でも、それを覚えていて話したことがきっかけなんだから。

蒼井 優: じゃあ、蒼井先生で(笑)。

質問: このチームだからこそ生み出せたものというのはありますか?

山田洋次監督: 長い時間一緒に仕事をしていると独特のアンサンブルというものは生まれてくると思います。『東京家族』の皆さんの音がとてもいいなと思ったので、続けて作ることになりました。

質問: 妻夫木さん、蒼井さんにお伺いします。お話を伺っていると良い現場の雰囲気が伝わってきますが、家族としてチームワークを感じる瞬間はありましたか?

妻夫木聡: 笑いを生みだすのは難しいなと感じています。真剣に生きれば生きるほど滑稽に見える瞬間はあると思うので、一緒に戦う戦友として、深く話さずにも分かりあえる関係だと思います。

蒼井 優: 山田監督からOKをもらうハードルは高いので、ハードルを乗り越えて戻ってきたら「お疲れさま!」という連帯感があると思います。妻夫木さんとは知り合ってから10年くらい。毎回違った形で共演させていただいているので、今回の婚約者という設定は知り合ってからの年月が芝居に生きているかなと思いました。



(オフィシャル素材提供)




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