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2015-09-03 更新
柳原陽一郎
配給:ビターズ・エンド
YEBISU GARDEN CINEMA他、大ヒット上映中!!
© Roy Andersson Filmproduktion AB
この度、第71回ヴェネチア国際映画祭にて金獅子賞(グランプリ)を受賞した『さよなら、人類』がYEBISU GARDEN CINEMAオープン以来の記録を塗りかえ大ヒット公開中! 大ヒットを記念して、8月28日(金)にYEBISU GARDEN CINEMAにて、同タイトルの名曲「さよなら人類」の作詞・作曲を手掛けたシンガ-ソングライターの柳原陽一郎のトークイベントが行われた。
本作は、人間の本質をシニカルな視点で描いた、スウェーデンの巨匠ロイ・アンダーソンの最新作。CG全盛の時代に、巨大なスタジオにセットを組み、マットペイント(背景画)や遠近法を多用、細部にこだわり撮影された。邦題『さよなら、人類』は誰もが一度は耳にしたことがある伝説的バンド・たまの名曲「さよなら人類」と同じ! たま時代に「さよなら人類」の作詞・作曲を手掛け、自ら歌っていた柳原陽一郎が映画を鑑賞。日本とスウェーデン、音楽と映画と違いはあれど、生み出す世界観には通じ合うものがあるアンダーソンと柳原。自分が作った曲と同じタイトルをつけられた映画があると知った時の気持ちなどを語った。
上映後の満席の会場に登壇した柳原。自分が作った曲と同タイトルの映画が公開されると聞いた時の気持ちを聞くと「『さよなら、人類』という映画があるのを知って正直びっくりしました。どんな作品か見当もつかなかったので、映画を観るまではドキドキしていましたが、明確なストーリーがあるわけではないけれど、映像がとても綺麗で、こういう映画に自分の曲と同じタイトルが使われるのは、とても嬉しいことだと思いました。<人類>と<さよなら>の間に“、”が入っているのは確信犯なんだろうなと思いました」と会場の笑いを誘った。
印象に残っているシーンについて聞くと「各シーンで笑えるところがすごく良かったです。特に印象に残っているのは、突然スウェーデン王が現代のバーに現れるシーンですね、強引な感じが好きです。意味があるのか、ないのか、箸休めかと思うようなシーンもあって、理屈ではなくイメージが夢のように繋がっていきますよね」と絶賛。
今回、柳原が映画に寄せたコメントの中にある「落ち武者に追いかけられる夢をみる」という部分について聞くと「真っ暗な夢を見ることが多くて。映画に登場するシーンのような、人に言えないような夢を見ることがあります」とコメントした。ロイ・アンダーソン監督が絵画からインスピレーションを受けて作品をつくっていることから、話は「さよなら人類」の誕生エピソードに。「『さよなら人類』を作ったのは1985、6年頃で、日本は景気が良く、新宿などの街並が変わっていって、その頃僕はカート・ヴォネガットなど終末感のある本を読んでいました。どういう歌をこれから歌っていこうかと考えていて、終末感だけでなく、面白さもある曲でないと人に楽しんでもらえないだろうと思い、ビートルズのようなわかりやすいメロディで、人に何とか伝わるように作りました。その後、1990年に『さよなら人類』はCDになりましたが、作った当初は反響もなく、これは人にウケない曲なんだと思っていた曲が、たまというバンドをやって、人の目に触れる機会が増えて、だんだん“あの曲いいよね”という風になっていきましたね」と裏話を披露。
また、歌詞の中にはでてこない「さよなら人類」というフレーズをタイトルにした経緯について「大きく出ようと思っただけです。はっぴいえんどに『さよならアメリカさよならニッポン』という曲があって、小松左京の小説に『さよならジュピター』、そして大友克洋のマンガに『さよならにっぽん』というのがあったんです。「あぁ、これは“さよなら”だな」と思って、さよならとつけたら大きくでれるなと思った、それだけです」というコメントに客席からは笑い声が。
そして、柳原が書く独特の歌詞、言葉の繋ぎ方について聞くと「ユニークにしようとしたり、ウケようと思って作ると、ことごとくダメなんです。だから出来るだけ自然に浮かんでくるのを待つようにしています。『さよなら人類』を作っていた1985年頃は、アメリカン・ロックが好きで、ブルース・スプリングスティーンの初来日公演を見に行ったんですが、アメリカ万歳っていう感じがしてしまったんですね。満員総立ちの会場でしたが、僕はそれについていけなくて。その時に、自分の主義主張を全面に押し出すような感じの歌は、自分には歌えないと思ったんです。だから『さよなら人類』の歌詞には、ブルース・スプリングスティーンの日本公演が大きく影響しているのかもしれないです(笑)」と今でも守り続けている音楽作りのベースを披露。
最後には、柳原から観客にサプライズ・プレゼントとして「さよなら人類」を生演奏! 突然のプレゼントに客席からは驚きの声があがった。劇場に響くアコースティックギターと柳原の歌声に会場全体が感動に包まれたなか大盛況で、トークは終了した。
【柳原陽一郎(シンガーソングライター/ex.たま)のお墨付きコメント】
『さよなら、人類』を観た。タイトルが自分の作った歌とかぶっているので、やや緊張して拝見した。私の見る夢も、落武者に追いかけられるような怖ろしい夢ばかりである。この映画を拝見して、自分と同じような夢を見る人間がどこの国にもいるようで安心した。
(オフィシャル素材提供)
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