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2015-06-25 更新
マッツ・ミケルセン
マッツ・ミケルセン
1965年11月22日デンマーク生まれ。国際的に評価され、多数の賞を受賞し引く手あまたな俳優の一人である。
映画デビューは、ニコラス・ウィンディング・レフン監督『プッシャー』(97)。レフンとはその後『ブリーダー』(99/未)、『プッシャー2』(04/未)、『ヴァルハラ・ライジング』(09)でもコラボレーションを続ける。ミケルセン、レフン監督と同じデンマーク出身のスサンネ・ビア監督とも『しあわせな孤独』(02)、『アフター・ウェディング』(06)でタッグを組んでいる。その後『007/カジノ・ロワイヤル』(06)の悪役ル・シッフル役で国際的にブレイク。2011年にはワールドシネマへの貢献を讃えられ、ヨーロッパ映画アカデミーの権威あるヨーロッパ映画賞を受賞。トマス・ヴィンターベア監督『偽りなき者』(12)ではカンヌ国際映画祭主演男優賞に輝いた。TVドラマ「ハンニバル」シリーズで演じる主人公ハンニバル・レクター役が好評を博している。
来年には『KUNG FU PANDA 3』で声優を務め、本作の脚本家アナス・トマス・イェンセンとは『MEN AND CHICKEN』でも再びタッグを組んでいる。
2014年カンヌ国際映画祭に正式出品されるや大絶賛され、以降世界中の映画祭で熱狂をもたらしたデンマーク発のウェスタン・ノワール『悪党に粛清を』。本作で主演している、“北欧の至宝”マッツ・ミケルセンのインタビューが届いた。
ジョンは、兄と2人でアメリカに移住してきたデンマーク人の元兵士なんだ。逃亡したわけではないけど、従軍して酷い目に合っている。完成した映画では深く触れていないけどね。
それこそがクリスチャン・レヴリング監督の狙いで、彼は映画に普通の人間を登場させた。ジョンはあまりウェスタンのヒーローらしくなく、普通の人間なんだ。そんな普通の男が追いつめられた時にどのような行動を起こすか。この映画は、ヒーローの活躍ではなく、誰にでも起こりうる事態を描いている。
デンマーク人監督が作るウェスタンと聞いて、僕も最初は驚いたんだ。でも実は、1860年から1870年代の欧州移民が今日のアメリカの土台を築いた。デンマーク人も含めてね。だからウェスタンは欧州とも縁がある。そう納得したので出演を決めた。監督も脚本家も魅力的だったし馬にも乗れるという理由もあったよ。
避けるのは難しい。『悪党に粛清を』は、監督のウェスタンに対するオマージュだからね。でも、僕は監督と違い幼い頃に憧れはしなかった。ウェスタンも観たけど、一番はブルース・リーだ。カンフー映画はウェスタンとよく似ているけどね。オマージュはすべて監督のアイデアで、5歳の頃からウェスタンが好きだった彼の愛の証しなんだ。それをぶち壊したら申し訳ないよ。
でも、映画作りとは監督の夢の具現化だからね。普段と同じく監督の意図を理解し表現するだけだよ。普段の仕事のプレッシャーと何も変わらない。
しばらくの間はあったね。でも僕の反応が薄いので次第になくなっていったよ。「あの教会の釘はもともと有名な映画の……」と説明が始まるんだけど、僕はそれを観ていなくて「悪いが観てない」と。ジェフリー・ディーン・モーガンのほうがいい聞き手だったろうね(笑)。
すごく楽しめた。英語圏の作品で演じるときは僕がいつも悪役だからね。でも、今回は逆で、アメリカ人のジェフリーが悪役だ。デラルーは悪人であると同時に、人間的なキャラクターでもあるんだ。彼の行動は彼なりの理屈に基づいている。だから観客は彼を人間とみなせる。見事なアプローチだと思う。
気に入っているシーンは2つあるんだ。1つ目は駅で家族と再会するシーン。家族と7年越しの再開を果たすとても幸せな瞬間だからね。そのシーンが一番気に入っている。それから、悪党2人が馬車に乗ってくるシーンもだよ。
ウェスタンだから復讐劇であるとは言えるね。復讐劇といえばウェスタンに限らずシェイクスピアや、それこそ黒澤 明監督の作品だったり。なかでもこの作品は復讐を果たすことで、人間性は失われるのか、どの時点で人は人間性を失うのかを問うている。世界中で様々な戦争が起こっている中で、現代人だれしもが、日々自問自答しているテーマだと思うよ。
日本のファンの皆さんがいなければ、僕の出演作が日本で上映されることもありませんでした。『偽りなき者』や「ハンニバル」シリーズもです。だから、この場を借りてファンの皆さんに御礼を言いたいです。いつも応援してくれてありがとうございます。
(オフィシャル素材提供)
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