このサイトをご覧になるには、Windows Media Playerが必要です。
Windows Media Playerをダウンロードする
2015-05-12 更新
暁方ミセイ
配給:ムヴィオラ
岩波ホール、大阪・第七藝術劇場ほか全国順次公開中!!
© ARGOMEDIA Sp. z o.o. TVP S.A. CANAL+ Studio Filmowe KADR 2013
歴史上初めてのジプシー女性詩人パプーシャを描いたポーランド映画『パプーシャの黒い瞳』公開を機に、配給会社から刊行された、歴史上初めてのジプシー女性詩人パプーシャの詩集『パプーシャ その詩の世界』が詩集としては異例のヒットとなっている。「詩集は売れない」が出版界の常識とのことで、そのリスクに出版社がつかず、映画の配給会社から刊行されたため出版取次が通せず、映画の上映館や一部書店での販売に限られているにも関わらず、売れ行きは好調。映画の波及効果もあるが、詩人・谷川俊太郎さんが「なんてすばらしい!」と詩集に寄稿している通り、東京新聞や赤旗の論説に取り上げられるなど、詩そのものの魅力も注目を集めている。
5月10日(日)、岩波ホールでの映画の上映後、中原中也賞受賞などで知られる気鋭の詩人・暁方ミセイのポエトリー・リーディング、パプーシャの詩を朗読するイベントが行われた。「パプーシャは“歴史上初のジプシー女性詩人”と言われているようですが、私には、彼女はまず“詩人”であって、でも彼女がジプシーのコミュニティの中にいたために、コミュニティの境界を出てしまうことになったのだと感じました。詩を書くことで、彼女のジプシーとしての人生は犠牲になってしまったかもしれないが、その詩は私たちの胸を打つ、まさに人々に読まれるべき詩を書いていると思います」とパプーシャの詩の魅力を語る暁方ミセイ。詩集『パプーシャ その詩の世界』から「パプーシャの頭から生み出されたジプシーの歌」などを朗読し、「パプーシャの詩は、森や川や自然に対して、守ってくれているものという感情もあるし、恋人のような感情もあるし、話しかける相手のようでもあります」と話した。観客の中には、ポエトリー・リーディング初体験の人も多く、「目で読むのではなく、耳で聞く詩とまた違う魅力があると思った」「暁方さんの声がとても艶やかで、心に残る素晴らしい朗読だった」と大好評だった。
映画は、“詩”という言葉の力に加え、音楽、そして圧倒的なモノクロームの映像と、まさに三位一体。映画とは総合芸術だったのだ、とあらためて感動できるパワーを持っている。ポーランドの名匠、クシシュトフ・クラウゼ監督の遺作となった作品だけに、映画ファンにも見逃せない作品だ。『パプーシャの黒い瞳』は東京・岩波ホールでの上映は5月22日まで。全国順次での公開もまだまだ続いている。
<暁方ミセイ(あけがた・みせい) プロフィール>
1988年8月10日、神奈川県横浜市生まれ。
大学在学中の2008年より「現代詩手帖」に投稿を始める。2010年、第48回現代詩手帖賞を受賞。2011年、第一詩集「ウイルスちゃん」を上梓、2012年、同作にて第17回中原中也賞を受賞。2013年、処女小説「青い花」を「文藝」に発表。現在、詩と小説の他に、新聞や雑誌で書評やエッセイの執筆、朗読活動も行なっている。
<詩集『パプーシャ その詩の世界』>1000円(税込)(ムヴィオラ刊)
(オフィシャル素材提供)
関連記事