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2014-10-28 更新
安藤サクラ、新井浩文、武 正晴監督、足立 紳(脚本)
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
11.15(土)~MOVIX周南ほかにて山口県内先行ロードショー! 12.20(土)~テアトル新宿ほか全国順次ロードショー!
© 2014東映ビデオ
12月20日(土)よりテアトル新宿他にて公開となる映画『百円の恋』。故・松田優作の出身地である山口県の周南映画祭において、松田の志を受け継ぐクリエイターを発掘すべく2012年に新設された脚本賞、第一回「松田優作賞」のグランプリ作品が武 正晴(『イン・ザ・ヒーロー』)の手によって映画化されることでも話題となっている本作。
この度、10月25日(土)に第27回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門での上映にて、主演の安藤サクラ、相手役の新井浩文、武 正晴監督、脚本家の足立 紳の舞台挨拶、上映後Q&Aが行われた。
【上映前舞台挨拶】
武 正晴監督: ようやくこの映画を皆さんの前にお披露目できて嬉しいです。楽しんでご鑑賞ください。
安藤サクラ: 本日はこの『百円の恋』の上映にお越しいただきありがとうございます。これからご覧いただき、後ほどQ&Aでいろいろとお話できればと思います。よろしくお願いします。
新井浩文: 映画祭でたくさん作品がある中、『百円の恋』を選んでいただきありがとうございます。楽しんで下さい。
足立 紳: 脚本を書き始めてから4年越し、ようやくご覧いただけるので非常に嬉しいです。よろしくお願いします。
【上映後Q&A】
MC: 武監督、足立さんにお伺いしたいと思います。この作品は4年間準備したとお伺いしました。本作は山口県で行われた周南映画祭の第一回「松田優作賞」脚本グランプリ作品を受賞されましたが、受賞された時の感想をお願いします。
足立 紳: 受賞した時はとても嬉しかったです。脚本を書いたのは4年前で、監督と一緒にいろいろなところに持ち込んだのですがなかなか実写化できず。諦めれなくて、それで「松田優作賞」が立ち上がったので応募しました。これに入れば、営業しやすくなるかなと思って(笑)。
MC: アイデア自体はどこからうまれましたか?
武 正晴監督: 僕ら2010年全く仕事がなくて(笑)。仕事がないなら自分で作るしかないよなって思って、足立さんには迷惑だったかもしれないんですけど(笑)。喫茶店に呼んで、作り始めました。それが4年前です。
MC: どのようにしてこの物語のアイデアが浮かんだのですか?
武 正晴監督: 僕の作品は男性が主人公の作品ばかりだから、女性がかっこ良く闘う物語がみたくて。その願望を足立さんに話して、自由に好きなものを書いてほしいということを伝えて書いてもらいました。
MC: 自由な発想で女の子がどんどん変貌していくというはどうこから思いついたのですか?
足立 紳: 僕は学生の頃にこういうお店でアルバイトをしていたことがあって。それで、そこからですね。あと子供が産まれる時にお金がなくて、8年ぐらい前に。
武 正晴監督: どんどん赤裸々な話がでますね(笑)。知らなかったですよ。
足立 紳: 友人がこういうところで働いていたので、僕は怠け者だったので3ヵ月ぐらいで辞めちゃって。夜勤で働いて、15年ぐらい経ってまた、同じところで働いて。同じようなお店で働いているのに、空気が全く違っていて。なんで15年でこんな空気が変わるのだろうと思って。それで、一子にも、とにかく勝ちたいと思ってほしい、変わりたいと思ってほしいという願いを込めて書きました。
MC: 安藤さんと新井さんはどうしてこの作品やりたいと思いました?
安藤サクラ: どうして(笑)!? 私自身が闘いたいと思ったからですね!
MC: オーディションを受けられたんですよね?
安藤サクラ: はい。
MC: オーディションでは安藤さんの気合いが伝わったのですか?
武 正晴監督: 僕らも闘いたかったんです。何か賞を取れる作品を作りたかったです。このシナリオが出来た時に、役をやりきれる人を見つけたくて。オーディションに安藤さんが来て一子が来たとみんな思って。一致しました。
MC: 新井さんは?
新井浩文: 素敵な作品と、安藤サクラが主演だったからです。
MC: それは安藤サクラさんと一緒にやりたかったということですよね。
新井浩文: 一緒に仕事はしたことはあったんですけど、ちゃんとしたことはなくって。個人的な意見で申し訳ないんですが、今、現在日本映画女優の中で一番だと思ってます。
(場内拍手)
MC: その言葉を聞いてどうですか?
安藤サクラ: えっと、どうしたらいいんでしょう(笑)。
新井浩文: 後で何かご馳走してください(笑)。
武 正晴監督: 僕もそう思ってます!
安藤サクラ: ご馳走のためか(笑)。
【観客の質問】
安藤サクラ: はい、一回太って。といっても、豪華なお金のある映画ではないので途中でじゃあ痩せるっていう期間を作る時間がなくて。撮影が始まって10日間ぐらいで試合に向けてしぼっていきました。
MC: 10日間で!?
安藤サクラ: 私もいま信じられないんですよね。人の体っていうのはすごいなあって自分で思いながら。念とか脳の命令とか。
MC: オーディションの時は今の姿ですか?
安藤サクラ: オーディションに受かりたくて、受かりたくて。太ってオーディションを受けました。でも、太ろうと思ってたわけじゃないんですけど、この映画のことを考えていたら、ダラダラしてしまって太ってしまいました(笑)。
MC: 何キロぐらいの減量されたのですか?
安藤サクラ: でも、ボクシングのトレーニングをしていたので、筋肉と脂肪で大きくするしかなかったので。最終的に筋肉だけにしました。何キロって言うか、筋肉が重いので重さで計れないっていうか。
MC: でも世の女性たちがびっくりするぐらいお腹周りがすごく変わっていますね。トレーニングと食事制限を行ったのですか?
安藤サクラ: トレーニングはする時間はあんまりなくて。食事制限は、新井君もそうですけどササミですね。
新井浩文: 二人ともササミで分かり合ってます(笑)。
安藤サクラ: 新井君が目の前で過酷なことをやっていたので、自分もがんばらなくちゃと思いました。
MC: 新井さんどんなササミの生活を?
新井浩文: うちは劇中での変化はないので、明確でただボクサーに見せる体を作るってことで、3ヵ月前からやらせていただいて。筋トレと食事制限。要は人間の体って食事と運動じゃないと変わらないんですよ。全部トレーナーの受け売りなんですけど、筋肉をつけるためには、高カロリー低タンパクを食べると。
安藤サクラ: 何日か最後のほう、何にも食べていなくて、(新井さんは)水抜きもしていたので。
新井浩文: 実際、ボクサーは前日を水飲まないで水抜きをするって聞いたから、シーンにはないんですけど、計量する日を決めて。うちの中でボクシングの前日は水を抜くって決めて。
MC: 辛いですよね?
新井浩文: 辛いですよ。もうやりたくないですね(笑)。もう肉体改造、ボクサー役やりたくないです(笑)。
武 正晴監督: 雨のシーンって普通嫌がるんですけど、新井さん、その時だけはすごい嬉しそうで(笑)。「どうしたの?」って聞いたら、「水が、水がー」って。
新井浩文: 水抜きしていたので、皮膚から水が入って来て気持ちいいなーって。
MC: 安藤さんもササミを?
安藤サクラ: 何にも食べないで、3時間置きぐらいにササミでタンパク質を取っていって。3時間置きに食べないと、筋肉がなくなっちゃうんで。
MC: ポイントはササミですね。
安藤サクラ: ポイントはササミではなく、今なんの目的がなくてもできないです。映画の中へ全部、神経がすべてそこに向かう時じゃないと発揮できないです。
新井浩文: 現場で、監督とサクラと芝居のことはあんまり話した記憶はないです。監督からウチにはボクサーに見えるようにってことだけを伝えられました。サクラともボクシングの話ばかりしてましたね。
安藤サクラ: この作品はそういう意味ではそういう出合いだったなって思います。今、この作品の上映後っていうことではなくて。そう思っています。
新井浩文: ウチもそうですね。この作品に限らず、いい作品に出会わないといい俳優って言われないと思うんでよね。代表作って言われるような。監督や脚本に出会わないと。プロデューサーや共演者なり。今回もそうです。
武 正晴監督: 架空の町という設定ですね。どうしてもロケーションの横浜とかは映ってくるので。山口県の発祥の賞を受賞したことで、作られてた作品なので、せっかくなので最初の撮影日は山口県にしました。
新井浩文: 最後のシーンは2回撮っています。1回目から、ぶっつけ本番で。つまりテストをしない。大体普通はテストして本番なんですけど。1回目から本番をして。正直ウチは、ぐっときたんですよ。でも武監督からもう1回って言われて、まじかって思いましたね。でも、それはウチもミスをしていて。もらい泣きしたんです。キャラ設定で泣いてはいけないのに、サクラの芝居みてボロボロ泣いちゃって。泣かないほうがいいなって。あとね、間が尋常じゃなくて。
武 正晴監督: 1回目は真が10分あったんですよね。お客さんのことを考えてもう1テイクやったほうがいいなと。僕らはグッときたんですけど。劇場の人を考えると10分は観るのは大変だなと。サクラさんにはテストって言ったんですけど、サクラさんはそれを本番だと思って「もうできないよ、今と同じのできないよ」って。でも「ああもう、わかった気がする」って。
安藤サクラ: テストって言いながら、ああ、そういうことを言ってリラックスさせようとしてるけど本番なんだなって思って。このシーンが本当にクランクアップの最終日の最後のシーンだったんですよ。私たち二人ともみんな見えないところまで歩いていたんですね。1回目が終わって“おし! これで終わったね!”って振り向いたら「はい、本番行きます」って言われて崩れ落ちましたね(笑)。
新井浩文: 間で言うと台本どおりなんですよね。……っていうのが合って、いろんな俳優さんいるんですけど、ウチは間をすごい取るタイプなんですよ。映画育ちなので。テレビだと「新井くん、間縮めて」って言われます。テレビは尺が決まっていて、映画は上映時間は決まっていないので。だから間は、台本通りです。
武 正晴監督: どんな話でもどんな設定でも、せっかく映画を観に来てくれた方がどこかここだけはっていう場面を作りたいと思っています。自分も。
MC: クリープハイプの書き下ろしの主題歌についてはいかがでしょうか?
新井浩文: クリープハイプ、すごいいい曲、作ってくれたんですよ。
武 正晴監督: クリープハイプさんは映画を観ないで台本を読んで作ってくれた作品なんですが。「痛い痛い」っていうのが、サクラさんがアドリブで言っていたことが歌詞にあって。
安藤サクラ: これ、出来上がる前に作ってくださったのに。わたし、ずっと撮影中、「痛い痛い痛い痛い」って言っていて。
武 正晴監督: やっぱり才能って共鳴するんだなって。ただ1回会って、終わりにかけてろくでもない暮らしがまた始まる二人への応援歌になるように作ってとだけ言ったんですが。
足立 紳: 僕、現場が好きで、今回もしょっちゅう行っていたんですけど。最初の編集ラッシュを観た時の感動は、耐えられなかったです。特に安藤さんが、登場するシーンにグッと来ました。どうにもならなかったです。
安藤サクラ: 私、自分本人なのでどうしてもニヤニヤしてるんですけど。今日、監督と足立さんに挟まれて映画を観ていたんですけど、両脇のおじさんがずっと泣いていて(笑)。
武 正晴監督: 泣いてないですよ(笑)。
安藤サクラ: 嘘だ! 両脇で泣いてて。私、一人真ん中で笑ってて。
武 正晴監督: 僕は、この映画は足立君の執念だと思っているので。なんで、何としても何とかしたいって思っていました。いろんなことがあってからこの脚本を読んだ安藤さんや新井さんやスタッフやクリープハイプの皆さんが、共鳴した結果が作品だと思いました。足立さんの執念を届けられてよかったです。
新井浩文: 執念ついでに聞きたいんですけど、乳首つままれるのは趣味なんですか?
(場内爆笑)
足立 紳:(困惑して)……。
武 正晴監督: 今回、絶対に切ってほしくないシーンがあると言われて、それがそこでした(笑)。普段言わないんですけど。
新井浩文: 絶対にあそこなんかありますよね。普通書かないですもん。
足立 紳:本来、ああいうシーンが僕は一番面白いシーンができると思っているんですよ。
新井浩文: 自分がやってるってことですか? それ以外考えられないんですけど(笑)。
(場内爆笑)
武 正晴監督: 丸山さんが一番褒めてくれたシーンなんですよ。
足立 紳:確かにシナリオの段階からここは切らないでくれって……。
新井浩文: いや、そういうことを聞きたいんじゃないんです!
(場内爆笑)
新井浩文: なんで、そういうことを書いたかが聞きたいんです!
安藤サクラ: つままれたいんですか?つままれたいタイプなんですか?
足立 紳:そうですね(笑)。
(場内爆笑)
新井浩文: いや、(足立さんは)違うことを本当は言いたかったんだと思いますが…………。まあこれぐらいにしておきましょうか(笑)。
(オフィシャル素材提供)
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