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舞台挨拶・イベント

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『めぐり逢わせのお弁当』試写会イベント

2014-08-09 更新

リテーシュ・バトラ監督

めぐり逢わせのお弁当gog

配給:ロングライド
シネスイッチ銀座ほか全国ロードショー中
© AKFPL, ARTE France Cinéma, ASAP Films, Dar Motion Pictures, NFDC, Rohfilm-2013

 2013年カンヌ国際映画祭批評家週間の観客賞を受賞、さらには全米で今年公開された外国映画トップの興行成績を打ち出したインド映画『めぐり逢わせのお弁当』が本日より公開。今後活躍が期待される、インド出身・アメリカで映画制作を学んだリテーシュ・バトラ監督が公開前に初来日を果たし、ティーチ・インつき試写会が行われた。


まずはご挨拶をお願いいたします。

 今日はお越しいただきありがとうございます。この作品は、去年のカンヌ国際映画祭でワールドプレミア上映され、その後世界各地で公開されました。そしてこの度やっと日本公開となり、実は日本食が好きというのもあったので、今回来日できてよかったです。ありがとうございます。


印象深いセリフが多く、感動しました。これらのセリフは、全て監督が考えたことなのでしょうか?

 今回は自分で脚本を手掛けているので、もちろんセリフも自分で考えました。しかし、映画に感動したということは、決して私の力ではありません。観客の力です。映画というのは、観ている方々がそれぞれ自分の人生を投影させて観ることで、その人のものになると思っています。だから、この映画に感動したのであれば、それはあなたのおかげなのです。


主人公たちの手紙のやり取りなど、顔の見えないコミュニケーションには何か意図があるのか?

lunchbox なぜ姿を見せないかというと、イラとサージャンは“囚われている人間”だと考えていたからです。サージャンは“過去”、イラは“自分の家”という“檻”に囚われているのです。例えば独房にいる場合、隣の人の声は聞こえるけど姿は見えませんよね。このように“囚われている”ということを強調するために姿を見せないやり取りにしました。また、手紙という手法も自然に湧き出たものです。主人公たちは、物事がより簡単だった時代にノスタルジアを持っています。私なら、「電話番号を教えて下さい」とか「メールアドレスを教えて下さい」と言ってコミュニケーションをとるかもしれないですが、この二人は奥ゆかしい人物なので、そんなことは絶対にしない。となると、自然と手紙という手法に行きつきました。その過程で、自分の中で温めてきたキャラクターが活きてきました。


この作品は“生活の音”がとても効果的だったように思います。例えば、街の雑踏や子どもたちが遊んでいる声、料理中の音などが印象的でした。これらの“音”は、作品にとってどのような影響を与えていると考えますか?

 本作はインド・フランス・ドイツの合作となります。そのような経緯もあり、ドイツのベルリンでサウンド・デザインを行いました。通常インド映画というと、やはり楽曲に重きがおかれます。しかし、キャラクターのことを考えると、この作品においては楽曲が観客の感情を導くということはないと考えました。2~3ヵ月かけてサウンドデザインをじっくり行うことで、キャラクターの内なる風景を描いたつもりです。


影響を受けた、または好きな映画監督は?

 小津安二郎、ルイ・マル、イングマール・ベルイマン、アッバス・キアロスタミなどの監督たちの作品が好きですね。それぞれ素晴らしい才能を持っているにも関わらず、決してそれを見せびらかすような作り方をしない。キャラクターに耳を傾けて、自然な形で物語を紡いでいく。そのような作り方がとても好きで、私も彼らのように映画を作ろうと精進しております。18歳の時に進学のためアメリカへ渡ってからワールド・シネマを観ることができたのですが、それ以前に、サタジット・レイやグル・ダットという大好きな監督の作品も見ていますし、黒澤明の『乱』や『七人の侍』からも影響を受けました。


(オフィシャル素材提供)



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