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ベルナルド・ベルトルッチ監督
追悼特集上映 開催中!

2019-01-16 更新

bertolucci


 昨年11月26日に77歳で逝去した、イタリアの映画監督ベルナルド・ベルトルッチ監督の追悼特集上映の開催が決定、1/12(土)~25(金)の2週間にかけて、東京・YEBISU GARDEN CINEMAにて開催中だ。

 上映されるのは、キャリア初期の傑作群の『革命前夜』(64)、『ベルトルッチの分身』(68)、『暗殺のオペラ』(70)、『暗殺の森』(70)の4作品。

 『殺し』に続く長編第2作目にあたる『革命前夜』は、スタンダールの『パルムの僧院』を骨子にしつつ、ベルトルッチの故郷である地方都市パルマを舞台に、マルクス主義にかぶれた裕福な出自の青年のアイデンティティが分裂しゆくさまを瑞々しく描き、若干22歳のベルトルッチの当時の心象風景とヌーヴェル・ヴァーグへの傾倒ぶりが色濃く反映され、カンヌ国際映画祭で新進批評家賞を受賞、大型新人の登場とセンセーショナルな注目を浴びた。

 初のカラーとなった3作目『ベルトルッチの分身』は、ジャン=リュック・ゴダールと並んで若きベルトルッチのヒーローだったドストエフスキーの『分身』を下敷きに、生真面目な大学講師/凶暴な殺人者という「二重人格」に引き裂かれる青年を描いた。

 第4作目の『暗殺のオペラ』では、ルイス・ホルヘ・ボルヘスの短編「裏切り者と英雄のテーマ」を、レジスタンス/ファシストの立場が時代によって交錯するイタリアの複雑な現代史になぞらえつつ、見事に映像化。本作では、以降ベルトルッチとのコンビで数々の名作を生むことになる、アカデミー賞®を三度受賞した名撮影監督ヴィットリオ・ストラーロと初めてタッグを組んだ。

 続く『暗殺の森』では、第二次大戦前夜のヨーロッパを舞台に、ジャン=ルイ・トランティニャン演じる青年がファシストの暗殺者へと変貌を遂げる様を描き、世界中の映画ファンを魅了した。

 今回開催中の「ベルナルド・ベルトルッチ追悼特集上映」では、処女作の『殺し』を除き、20代の7年間で撮られた若きベルトルッチの作家性が漲る第2~5作目までが一挙に上映されている。


ベルナルド・ベルトルッチ Bernardo Bertolucci

(1941/3/16 - 2018/11/26)

 1941年3月16日、北イタリア、エミーリア地方のパルマで生まれた。父親は著名な詩人で文芸評論家のアッティリオ・ベルトルッチ。
 1952年、11歳の時に家族と共にローマに移住。10代よりシネマテークに通いつめるが、なかでもリアルタイムで鑑賞したゴダールの『勝手にしやがれ』(59)に衝撃を受け、以降、ヌーヴェル・ヴァーグの作品に夢中になる。その一方、父親の影響から詩作に励んでおり、1962年、「謎を求めて」と題された処女詩集が刊行され、21歳で名誉あるヴィアレッジョ賞を受賞。
 その後、父と友人でもあり、詩壇の先輩でもあるピエル・パオロ・パゾリーニと出会い、61年の『アッカトーネ』で助監督を務める。62年には、パゾリーニ原案による『殺し』で監督デビュー、ヴェネチア国際映画祭に出品。ゴダールに心酔しており、「パルムの僧院」を叩き台にした64年の半自伝的作品『革命前夜』では、ヌーヴェル・ヴァーグを思わせるおびただしい古典映画へのオマージュ、引用が見られる。その後、ボルヘスの短編に想を得た『暗殺のオペラ』、モラヴィア原作の『暗殺の森』では、ヴィットリオ・ストラーロの映像美が世界中の映画ファンを魅了。
 72年には『ラストタンゴ・イン・パリ』が、その大胆な性描写が話題の一端となり本国イタリアでは上映禁止処分を受けるなど物議を醸した。76年の『1900年』では、イタリアの現代史を総括する壮大な叙事詩として高く評価される。
 1987年、『ラストエンペラー』で、米アカデミー賞®9部門を受賞。その後、『シェルタリング・スカイ』など政治、セックスの主題を追求した様々な作品を世に放った。
 2007年ヴェネチア国際映画祭では75周年特別金獅子賞を、2011年カンヌ国際映画祭では名誉賞にあたるパルムドール・ドヌール賞を受賞している。2003年頃、病気が映画制作を妨げていたが、2012年には『ドリーマーズ』(03)以来となる『孤独な天使たち』で復帰するも、遺作となった。
 2018年11月26日、ローマ市内の自宅で癌により死去。享年77。


<上映作品>

『革命前夜』 Prima della rivoluzione

 1964年/イタリア/モノクロ/ヴィスタ/112分/BD

 監督:ベルナルド・ベルトルッチ
 脚本:ベルナルド・ベルトルッチ、ジャンニ・アミーコ
 撮影:アルド・スカヴァルダ
 音楽:エンニオ・モリコーネ
 出演:フランチェスコ・バリッリ、アドリアーナ・アスティ、アレン・ミジェット、モランド・モランディーニ、クリスティーナ・パリセット

 ※1964年カンヌ国際映画祭 新進批評家賞、1967年ナント国際映画祭 マックス・オフェルス賞
 配給:ザジフィルムズ


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 © 1964 Iride Cinematografica c2010 Cristina D’Osualdo. All rights reserved.


『ベルトルッチの分身』 Partner.

 1968年/イタリア/カラー/シネスコ/105分/BD

 監督:ベルナルド・ベルトルッチ
 脚本: ベルナルド・ベルトルッチ、ジャンニ・アミーコ
 原作: フョードル・ドストエフスキー「分身」
 撮影:ウーゴ・ピッコーネ
 音楽:エンニオ・モリコーネ
 出演:ピエール・クレマンティ、ティナ・オーモン、ステファニア・サンドレッリ

 配給:ザジフィルムズ


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 © 1968 Red films Produced by Giovanni Bertolucci


『暗殺のオペラ』 Strategia del ragno

 1970年/イタリア/カラー/スタンダード/99分/DCP

 監督:ベルナルド・ベルトルッチ
 脚本:ベルナルド・ベルトルッチ、マリル・パロリーニ、エドゥアルド・デ・グレゴリオ
 原作:ホルヘ・ルイス・ボルヘス「裏切り者と英雄のテーマ」(『伝奇集』より)
 撮影:ヴィットリオ・ストラーロ、フランコ・ディ・ジャコモ
 音楽:ヴェルディ、シェーンベルク
 出演:ジュリオ・ブロージ、アリダ・ヴァリ

 ※1971年ヴェネチア国際映画祭 ルイス・ブニュエル賞
 提供:マーメイドフィルム
 配給:コピアポア・フィルム


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 © Licensed by COMPASS FILM SRL . Rome . Italy. All Rights reserved.


『暗殺の森』 Il conformista

 1970年/イタリア=フランス=西ドイツ/カラー/ヴィスタ/115分/DCP

 監督・脚本:ベルナルド・ベルトルッチ
 撮影:ヴィットリオ・ストラーロ
 音楽:ジョルジュ・ドルリュー
 出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、ステファニア・サンドレッリ、ドミニク・サンダ

 ※全米映画批評家協会賞 監督賞、撮影賞
 提供:紀伊國屋書店・マーメイドフィルム
 配給:コピアポア・フィルム

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 © 1971 Minerva pictures Group All rights reserved.


 ■ 公開表記: 1/12(土)~1/25(金)、YEBISU GARDEN CINEMAにて開催

 ■ URL: https://www.unitedcinemas.jp/yebisu/information.php?info=63159 (外部サイト)



(オフィシャル素材提供)




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