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『渇き。』大ヒット舞台挨拶

2014-07-08 更新

中島哲也監督、中谷美紀、役所広司、小松菜奈、オダギリジョー

渇き。kawaki

配給:ギャガ
TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー中
© 2014「渇き。」製作委員会

 2014年衝撃度No.1の映画『渇き。』は6月27日より全国公開すると同時に賛否両論を巻き起こし、今や一つの社会現象となった。支持派、否定派の熱い声が全国に波及している真っただ中、2014年最もヤバイ!映画『渇き。』を作り上げた出演者たちによる公開舞台挨拶が実施された。


まずはご挨拶をお願いいたします。

役所広司: こんにちは。今日は「渇き。」を観ていただきましてありがとうございます。また観に来てください。

小松菜奈: 今日はたくさんの方々にお越しいただきありがとうございます。加奈子役を演じました小松菜奈です。公開から1週間経ってたくさんの方々にご来場いただき、本当に嬉しいです。今日は最後まで楽しんで行ってください。

中谷美紀: 土曜日の貴重な昼間に、この作品を選んでいただいて本当にありがとうございます。今日初めて皆さんご覧になるんですか? 既にご覧になった方いらっしゃいますか?(2回以上鑑賞されている方々が手を上げる。)ありがとうございます。

オダギリジョー: こんにちは、オダギリです。僕は初めて観たときに寝られないぐらいショックを受けて、すごくバクバクとテンションが上がったのを思い出します。皆さんは今観たばかりということで、忘れられない経験をされたと思いますが、その反応を周りの方にぜひ広げてもらって、もっともっと本作が広がっていけば嬉しいです。よろしくお願いします。

中島哲也監督: 今日は雨の中来ていただいてありがとうございます。配給の人たちから、途中で席を立ちお客さんも結構いるんですよと、睨まれたりしてたので、もし舞台挨拶に出て誰もいなかったらどうしようと思いましたが、最後までちゃんと観ていただいて本当にありがとうございます。


賛否両論の意見が多い本作をどう感じておりますか?

役所広司: 当然ですね。賛否があるということは、それだけこの映画の個性があって、映画としては非常に健全な作品だと僕は思っています。商品としては、映画はたくさんの方に平均的に愛される映画もあると思いますけれども、作品としてはやはり賛否があって当然で、非常に映画として監督の思いがこもっている健全な状態だと思います。

小松菜奈: たくさんの意見があるんだなと思って、今まで観た映画で一番良かったという人もいれば、クズな映画だって言う人もいて(会場笑)、本当に沢山の意見があって面白いなって思ったんですけど……。

中島哲也監督: 小松さん! 後で話があるから!(会場爆笑)

小松菜奈: ですが最後には、また観たいっていうコメントがあり、中毒性のある映画なんだと思いました。

中谷美紀: クズな映画ですか!? (会場笑)皆さん本当に勇気がありますね! よくこうしておいでいただきましたけれども、どうしていらしたんですか?(会場笑)ぜひ伺いたいです。良いご意見も、批判するご意見もたくさん頂いていると聞いておりますが、是非ご遠慮なくお聞かせいただければ嬉しいです。

オダギリジョー: 結構なことだと思うんですけど、僕は賛のほうだったので、否の気持ちが解らないというか……そうですね~否(ぴ)、否(ぴ)。(会場爆笑)そうか~否(ぴ)がいるか~という風に受け取っちゃいますね。

中島哲也監督: 僕も賛のほうだったので、否(ぴ)の気持ちが解らない(会場爆笑)。でも、人間の個性と一緒で、映画が個性的であれば個性的である程、お好きになる方もお嫌いになる方もいらっしゃるので、全員に「ま~ま~だったね」と言われるよりは、本当に嬉しいことです。お越しいただいた方々も、若い方だけではなく、年配の方だけでもなく、いろいろな方が来て下さってることが嬉しいことです。


小松さんと同年代の方が来ていることについてはどう思われますか?

小松菜奈: 初めて観たとき、凄い衝撃を受けて立てなかったです。唖然としちゃって。若い人たちは、この映画をどういう風に表現していいのか分からないと思います。新しい衝撃を受けました。


小松さんは、撮影に入られる前と今とで自身の変化はありますか?

小松菜奈: オーディションの時は、女優というのに興味なくはないですけど、監督に「女優やりたいの?」と聞かれても「う~ん……」としか正直思わなかったんですけど、でも『渇き。』の作品を通して、演じることの楽しさを知って、大変だと思うけど頑張っていけたらいいなと思いました。


役所さん演じる藤島の凶暴性に、皆さん圧倒されたという声が非常に多くあります。ご本人と藤島は違いますよね?

役所広司: もちろんです! 「役所広司汚すぎる」とか「臭そうだ」(会場爆笑)とか、投稿があるそうですが、僕は毎日風呂入ってましたし(会場爆笑)、衣装も衣装さんが毎日洗ってくれて、キレイな汚れ衣装を着ておりますが、スクリーンから匂いがしそうだというのは、本当にスタッフのおかげだと思います。


小松さんは、役所さんが恐かったですか?

小松菜奈: 全然。優しい方でした。

役所広司: 臭くなかったよね?(会場爆笑)

小松菜奈: 臭くないです!


中谷さんから見ても?

中谷美紀: 臭くなかったです。(会場爆笑)とても穏やかな方で驚きました。日中にリハーサルをして、実際に役所さんの撮影するまでに4~5時間あいだが空いていて、血のりをつけた汚れた服を着ていても、まったく文句を仰らず、穏やかに待っていてくださって、こんなに良い方がこんなにクズな男の役を演じるのかと驚きました。(会場笑)


オダギリさんはいかがですか?

オダギリジョー: 自分が役所さんの歳になった時に、このような役を演じられる役者になっていたいなと思いましたね。

役所広司: オダギリさんとのシーンは、4~5日かかって撮影し、鉄砲ごっこなどやって楽しかったです。本作の面白いシーンが盛りだくさんだったので。

中島哲也監督: もう少しシリアスなシーンにしようと思っていたんですが、「あれ!? これコントだな」と思いましたよね。(会場爆笑)二人が鉄砲ごっこを楽しんでいる子供のように見えて、撮っている僕たちもとても楽しかったですね。

オダギリジョー: 車もぶつかったり、手が吹き飛んだりとか、日々様々なことがあるので、「次はなんだ? 次はなんだ?」とスタッフの期待が感じられた現場でした。みんなが楽しんでいる現場でした。


劇中でたくさんの人とキスをした小松さん。映画初出演で沢山のキスシーン、いかがでしたか?

小松菜奈: いかがでしたか……。

中島哲也監督: そんなの答えられるわけないじゃないの!(会場爆笑)

小松菜奈: そうですね~……良い経験になりました!(会場笑)

中谷美紀: 私も小松さんとキスをしましたけれども、バッチリだったと思います。


「今まで観た映画を超えるパワーを感じた」という投稿がありましたが、一番のパワーを見出したポイントはどこだったのでしょうか?

中島哲也監督: 俳優さんのお芝居だと思います。私は割と細かく、口うるさく演出をするタイプでして、『嫌われ松子の一生』の時の中谷さんにも随分ご迷惑をおかけしたのですが、今回は本当に人間の「不」を画面に叩き出したいと思ったので、細かいことを言わずに演じていただきました。悪役を演じている時の俳優さんは、のびのびと光り輝くのですが、今まで細かく演出していたのは何だったのだろう?と思いました。


藤島という父親像をどう思いますか?

役所広司: う~ん……立派だと思います。(会場笑)

中島哲也監督: 立派なわけないじゃん!(会場笑)

役所広司: 共感しないとなかなかお芝居できないので、藤島も大きな欠陥を持っておりますが、でも初めて娘のことを知ることによって探し求めていくわけですが、彼は死んでいたような人間です。何かのエネルギーによって本当に生きていた時間だと思いますし、「ぶっ殺す!」という言葉を言っていますが、自分によく似た娘になってしまって、自分しか手を差し伸べられないと思って演じてきました。でも、世の中にこういう人が居るかもしれませんが、本当に困った人だと思います。

小松菜奈: 1回目観たとき、「お父さん可哀想」より「ドンマイ」という感じでした。2回目観たときは、そこに愛を感じて、暴力でしか人を愛せないのは悲しいなって思いました。(中島監督が深く頷く)


最後にメッセージをお願いいたします。

役所広司: いつも俺からばっかりだね。(会場爆笑)この作品を観てくださって、本当にありがとうございます。いろいろな感想があると思いますが、中島監督の元に集まったスタッフ、キャストで一生懸命この作品を作りました。その面白い部分も汲み取っていただければと思います。本当にありがとうございました。

小松菜奈: 良い意見も悪い意見もたくさんあると思いますが、観れば観るほど楽しんでいただける、そんな映画です。また観てください。今日はありがとうございました。

中谷美紀: 暴力にまみれた作品ですけれども、この作品が何か、皆様の心に残すことができたら幸いです。何を感じ取られたのか、ぜひお聞かせいただけますと幸いです。

オダギリジョー: 何を描いているかというと、きっと愛情なんだと思います。暴力という表現しか伝わらなければ確かに否しかないかもしれませんが、僕は個人的にここ数年で観た日本映画の中でダントツで面白くって、これを観ない日本人もったいないと思うぐらいの映画なので、皆さんのお力をお借りしてもっと沢山の人に観ていただければと思います。よろしくお願いします。

中島哲也監督: 映画をご覧になって、どのように感じるかはお客様の自由だと思うし、それが良い意見であろうと悪い意見であろうと、真正面から受け止めるのが監督の責任だと思っております。映画の初めに呟く言葉と、終わりに呟く言葉が一緒なんですが、その言葉が違う響きに感じていただければ、監督の僕は十分だと思っているし、そういう風に感じてもらえる映画を作ることはすごく難しいことだと思っているので、その辺を感じていただけたかな~という感じです。今日は観に来ていただいて、本当にありがとうございました。


(オフィシャル素材提供)



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