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『タイピスト!』
オフィシャル・インタビュー

2013-08-04 更新

デボラ・フランソワ


タイピスト!zusoba
© 2012 : copyright : Les Productions du Tresor - France 3 Cinema - France 2 Cinema - Mars Films - Wild Bunch - Panache Productions - La Cie Cinematographique - RTBF (Television belge)

デボラ・フランソワ

 1987年、ベルギー・リエージュ生まれ。
 2005年、ダルデンヌ兄弟監督の『ある子供』でデビュー。この作品はカンヌ国際映画祭パルムドールに輝き、フランソワもセザール賞有望若手女優賞にノミネートされ、たちまち注目される。その後、『譜めくりの女』(06)でも同賞にノミネートされ、『Le premier jour du reste de ta vie』(08)で同賞受賞を果たす。
 2010年には、フランス人女性監督が阪神・淡路大震災の被災者のその後を描いた『メモリーズ・コーナー』に出演、西島秀俊、阿部 寛と共演する。その他、ソフィー・マルソー主演の『レディ・エージェント 第三帝国を滅ぼした女たち』(08)、『21番目のベッド』(09)、ヴァンサン・カッセル共演の『マンク ~破戒僧~』(11)などに出演、今最も期待されている若手女優の一人。

 1950年代フランスを舞台に、本当にあったタイプ早打ち世界大会に全てをかけるヒロインを描くカラフルなサクセス・エンターテインメント映画『タイピスト!』で天然系キュートなヒロインを演じたデボラ・フランソワのインタビューが届いた。


50年代の女性を演じるにあたって、こだわったことは? あなたが考えるその当時の女性たちの特徴は?

 今回の役作りをするにあたって、50年代の映画をたくさん観たわ。監督からもたくさんの資料を頂いたの。雑誌や新聞、タイプライティングの教本もあったり、とにかく様々な資料を頂いて研究したわ。それに、当時のスターではマリリン・モンローやオードリー・ヘップバーンなど大好きな女優が多いのだけど、当時の50年代の女性というのは今とは服装も違うし、動き方・話し方も違うので、そういったディテールに注意を払いながら監督と相談して進めていったの。

populaire 50年代の映画というのはこれまで私が観た中でも大好きな時代で、今回監督から観るように言われた作品や、以前に観たことがあったけれど再度観るように言われた作品など、様々な当時の映画を観て研究したわ。

 当時は女性解放運動が始まりつつあった頃で、今の女性と比べると格段に権利も自由もなかったのね。そんな中で勉強を続けたり仕事を見つけたいと思ってもなかなか叶わず、頑張っているほうが変な目で見られたり、25~26歳になるともう結婚して家にいて子供を産まなくてはいけないと思われていたりなど、様々な制約があった時代だった。でも、わたしが演じたローズというキャラクターはまさに、社会が理想とする女性像とは逆のことをやりたがる、すごい女性だったの。


50年代の女性と現代女性の違いは? 彼女たちから学べることは?

 50年代の女性たちから学べることは、自由を求めるために戦うという姿勢ね。今の私の世代の女性たちは、自由が当たり前のことのように思っていて、戦いは今でも続いていることを忘れてしまっている。もう全て手に入れていて男性と平等だと錯覚しがちだけれでも、今でも給与の格差はあるし、男女が完全に平等の立場ではない状況が続いていると思うので、ぜひこの映画を観て、まだ私たちにはやるべきことがあるのだと学んで欲しいわ。


50年代ファッションはいかがでしたか? 衣装の多くはこの映画のために作られたそうですが、お気に入りの衣装はありますか?

 今回は衣装担当者といろいろ話し合いながらいくつものドレスを作ってもらったの。布からデザインにわたるまで、ディテールにこだわりながら作られたものなので、どれも本当に素敵で全部好きだから、一つをあげるのは難しいのだけど、強いてあげるなら、最後の大会で優勝するシーンのときに着ていたドレスね。あまりにも気に入ったので頂いたのだけど、シンボリックな意味合いをもったドレスだわ。映画の中で出てきたドレスの中で唯一バラ色で、ヒロインの名前の“ローズ”と被るし、バラ色は華やかさや夢を象徴する色でもあるわ。だから、あのドレスが一番好きなの。


ロマン・デュリスの印象は?

 ロマンには大変良い印象を抱いていたので、最初からとてもうまくやることができたわ。彼は“ルイ・エシャール”になりきっていたので、彼を通じてルイ・エシャールという人物そのものと接しているような感覚だった。ロマンは完璧に役作りをしてくる、本当にプロフェッショナルな俳優で、あらゆるシーンでどのように演技するべきか正確に把握していたし、テクニックも素晴らしかったので、共演できて本当に良い経験になったわ。


タイプライターで勝負する役柄ですが、これまでタイプライターに触ったことはあったのですか? タイピングの練習はどのくらいやりましたか?

populaire 今回撮影に臨むにあたって、6ヵ月間毎日2~3時間練習したわ。大会のシーンでは早打ちができなくてはならなかったけれど、あれは決して映像を早回ししているのではなく、実際にあのスピードだったの。観る方たちを騙したくはなかったし、リアル感を出すためにも最高速で打てるようにしようと監督とも話していたの。映画の中では最初ゆっくりしか打てなくてだんだん速くなっていくけれど、実際にもそうで、最終的には大会で勝てるくらい早く打てなければならなかったので、私にとっては大きなチャレンジだったわ。コーチについて週に3回練習したのだけど、コーチが来ない日も宿題を出されたり、とにかくずっと練習を続けたの。

 PCが普及する前に、私の父がタイプライターを使っていたので触ったことはあったけれど、実際使ったことはなかったわね。10本の指を使って打つというのは今回練習をして初めて学んだの。私たちの世代になるとタイプライターなど触ったこともないし、打てたとしてもおそらくは2本指でしか出来なかったものを10本でやらなければいけなかったので、ものすごくハードに練習したわ。


この作品の見どころをお聞かせください。お気に入りのシーンは?

populaire 作品の見どころとか好きなシーンを上げるのは難しいわね。好きなシーンはたくさんあるし、それぞれ違った理由で好きなので。でも、とりわけ気に入っているのは、最初のラブシーンの前に赤いドレスを着てバスルームから出てくるところね。あれはヒッチコックの『めまい』にオマージュを捧げているシーンで、本当に素敵で美しいので気に入っているの。

 でも、もしかしたら一番好きなのはラストの大会で優勝するシーンかな。人生において何かに勝つとか優勝するというのは私自身すごく好きなので、最後に優勝して大喜びするシーンは大好きなの。

 あとは、私は出ていないシーンだけど、ロマン・デュリスがベレニス・ベジョに「どうして僕じゃいけなかったんだ?」と問い詰めているシーンが好き。私は撮影時、その場にはいなかったので、実際映画が出来てから初めて観たのだけど、すごく感動的で好きなシーンね。


観客の方々にメッセージをお願いいたします。

 皆さん、ぜひ『タイピスト!』を観に来てください。とてもスタイリッシュで素敵なコメディ映画です。日本の皆さん、大好きです。


(オフィシャル素材提供)


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