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『モンスター』オフィシャル・インタビュー

2013-04-06 更新

「愛」というのは、答えのない永遠のテーマですね


モンスターmonster
© 2013「モンスター」製作委員会

高岡早紀

 1972年生まれ。神奈川県出身。
 雑誌モデルとして芸能活動を始め、1988年「真夜中のサブリナ」で歌手デビュー、翌年『cfガール』への出演で映画デビューを果たす。その後、『バタアシ金魚』(90)にて注目を浴びる。1994年、深作欣二監督『忠臣蔵外伝 四谷怪談』では主役のお岩を堂々たる演技が評価され、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞などを受賞した。以後、映画、テレビ、舞台、CM等、幅広い分野で活躍する。
 最近の主な出演作は、『コトバのない冬』(10)、『劇場版テンペスト3D』(12)、BeeTVによるドラマ「悪の教典」(12)、また舞台「阿修羅の如く」など。

原作と脚本はどちらを先にお読みになられたのでしょうか?また読まれた後の印象はいかがでしたか?

 先に原作を読みました。主人公に共感できる部分はあまりなかったのですが、数奇な運命を辿った人だなぁ……と思いました。原作では、主人公が整形をしていく過程が細かく描かれていましたが、整形に対してそれほど興味があるわけではありませんでしたから、客観的に読み進んでいったように思います。そして、主人公に対して全く共感できる点がなかったことが、むしろ面白いなと思いました。自分が決して体験し得ない人生がそこにあるということが魅力的でした。


和子と未帆という変化していく主人公をどのように演じられたのでしょうか?

monster 最初は和子が高校生だった時から撮り始めたんですが、特殊メイクの完成図を見せてもらった時から「この役を演じるって、言わなければ良かった」と思うぐらい嫌でした。特殊メイクの江川さんとは19歳からのお付き合いですが、思わず「これ、ひどすぎない!?」と言ってしまうぐらいでした。それでも江川さんは、「かわいいわよ!」って言うんです(笑)。でも結局、あまりにも嘘っぽく見えてしまうことに抵抗があり、ホウレイ線の下がり具合を少し修正してもらいました。
 そして実際にメイクをして役に臨んだわけですが、あそこまでのメイクを施すと、気持ちまでもが暗くならざるを得なかったですね。和子の人生はとても辛く、屈折しているのですが、メイクをするだけで和子の気持ちになってしまいました。和子を演じている時は、精神的にとてもきつかったです。特殊メイクも昔と違って技術が進み、ずいぶんと付け心地感も良かったですが、ノリで貼るので、自分の表情に制限が出てしまうわけですから、長時間メイクをし続けているのは辛いです。思った以上に辛い仕事ではありました。


本作では、セーラー服姿から妖艶な女性まで、一人の女性の数奇な人生を演じ、高岡さんにとって色んな意味でのチャレンジ作だったのではないでしょうか?

 終わってみれば、結果的にはチャレンジだったのかもしれませんが、取り組んでいる過程はそれほど意識していたわけではありません。私自身、何においても構えてみたり、気負ってみたりという感覚がないんです。


撮影現場の裏話や共演者の方々とのエピソードなどお聞かせください。

 大杉さんとの共演が懐かしかったですね。20数年ぶりでしたから、当時にタイムスリップしたような感覚でした。とても不思議に感じたのは、大杉さんとお互いの子供のことを話したことです。それだけの年数を経てきたのだなと改めて思いました。


20年ぶりにエンディング曲を披露されていますが、久しぶりに歌われた感想は?

 山下洋輔さんとは、家族ぐるみのお付き合いですが、若いころから「いつかジャズを歌いなさい」と言われていました。そして洋輔さんとご一緒することが夢だったのですが、今回その夢を叶えることができました。とても緊張しましたが、温かい雰囲気に包まれたレコーディングでしたので、安心して身を任せることができたかなと思います。


本作で高岡さんにとって印象に残っているシーンはどこでしょう?

 やはりラストシーンです。真実の愛って何だろう……と。私にもよく分からないですが、愛というのはとても深いテーマだなぁと感じました。美醜に関わらず、自分の内面を見て欲しいという気持ちは誰しも持っているものですけれど、実際にはなかなか難しいのかもしれません。「愛」というのは、答えのない永遠のテーマですね。


最後にご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

 この作品を通して、改めて自分の人生を考えさせられる、または見つめなおすいい機会になればと思います。


(オフィシャル素材提供)


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