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舞台挨拶・イベント

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『アントキノイノチ』初日舞台挨拶

2011-11-19 更新

岡田将生、榮倉奈々、原田泰造、松坂桃李、瀬々敬久監督

アントキノイノチ

配給:松竹
大ヒット公開中

 今年の夏に行われた第35回モントリオール世界映画祭で、革新的で質の高い作品に贈られる“イノベーションアワード”を受賞した話題作、映画『アントキノイノチ』が11月19日、公開初日を迎え、岡田将生、榮倉奈々、原田泰造、松坂桃李、瀬々敬久監督が舞台挨拶を行なった。

 『アントキノイノチ』は、心に傷をもった杏平とゆきが出会い、「遺品整理業」という職業を通して、惹かれあい、心を通わせていくラブ・ストーリー。今年2月の撮影からずっと一緒に過ごしてきた出演者と監督が約800人の観客とモザイクアートによる約1万人のエガオに見守られる中、監督からサプライズで送られた手紙、そして共演者からの暖かい言葉に岡田が涙を流すといった、感動の舞台挨拶となった。


まずは、ご挨拶をお願いいたします。


岡田将生: 元気ですかー! 今日は来ていただきありがとうございました! 岡田将生です。初日を迎えられて本当に嬉しいです。皆さんに早く観ていただきたかったので、すごく緊張してます。ありがとうございました。
榮倉奈々: この映画は、TBSさんと松竹さんで“恋愛映画”として、打ち出しているのですが、その映画を社会派の瀬々さんが撮影していて、そこに瀬々さんの哲学が入っている、そのバランスが私はとても好きです。本当にたくさんの人に観て観ていただきたかったので、初日を迎えられてとても嬉しいです。ありがとうございます。
松坂桃李: こうやってスタッフの皆さんと作り上げてきたこの作品が皆さんの手に届くと思うと嬉しい気持ちでいっぱいです。今日ここに来れなかったスタッフやキャストたちも皆嬉しい気持ちになっているかと思います。今日は最後までよろしくお願いいたします。
原田泰造: 初日を迎えるということで、楽屋でみんなで「良かったね」と言って、ワクワクしていました。はっ、はっ、は~ら~だ泰造です! 初日迎えて嬉しいです。ありがとうございます。
瀬々敬久監督: ここにいる素晴らしいキャストとスタッフのおかげで素敵な映画が出来たと思います。感謝しています。でも一番感謝しているのは、今日この場にお越しいただいたお客様です。ありがとうございます!

瀬々監督、4人のキャストの皆さんとは、初めてのお仕事だったかと思いますが、いかがでしたか。


瀬々敬久監督: 松坂くんは、今回はすごく難しい役で、ある意味憎まれ役でした。一番好きなカットは「死ぬのが怖い」という台詞が好きです。そのシーンは、そこで初めて、今まで彼が生きてきた感じが出てきて、すごく素晴らしいと思いました。こういう役を演じてくれてありがとう!
 原田さんは、僕みたいな監督のもとで働いてくれてありがとう。みんな若い中で、中心にいて、みんなを日常に戻してくれる、本当に素晴らしい役者さんです。本当に感謝してます。僕が一番原田さんの台詞で好きなのは、「ブレーカーある?」です(笑)。本当あの言い方は難しいんですよ。
 榮倉さんは、こんなキレイな顔してますが、ワーキングクラスの役をやってくれて、それがすごく普通に見えるのがすごいなと思いました。日常で生きてる楽しさとか不安とかを知っていらっしゃるので、それが良くお芝居に出てると思いました。養老院で「ゆきちゃん」て名前を呼ばれたとき、「満開ですね~」と答えるシーンが一番好きですね。
榮倉奈々: そんなこと言ってましたっけ?
瀬々敬久監督: 言ってました! 是非もう一度観てみて下さい(笑)。それと、岡田くんについて一番僕が好きなのはキレイなお尻です(笑)。
岡田将生: ちょっと待って下さいよ! おかしいでしょう(笑)!

岡田さん、杏平とゆきちゃんの切ない距離感が素晴らしいと思いましたが、二人の関係はどのようなものだったと思いますか。


岡田将生: ゆきちゃんとは、心の中で、「一緒に支え合いたい」と思える運命の相手だと思いますね。

榮倉さん、ゆきが杏平に過去を告白するホテルのシーンがとても印象的でした。ゆきは杏平と出逢ってどのように変わったと思われますか?


榮倉奈々: ゆきちゃんにとって、やっぱり運命だったと思いますし、杏平と出会う前は、ある意味で自分の中で過去の傷は解決できていたはずなんですが、杏平と出合ったことで本当の意味で自分の過去の傷を解決しなくならなくちゃいけなくなったと思うんです。本当の意味での解決っていうのは、自分一人ではなく、誰かがいて、誰かに話して、初めて解決するものだと思います。辛かったと思うけど、それでも杏平に伝えたいと思えたゆきちゃんは幸せだったと思います。

松坂さん、松井新太郎という役をどのように理解し、演じられましたか? また監督と話し合われたことなどはあるのでしょうか。


松坂桃李: 撮影中は、本当に役のことが理解が出来ませんでした。映画をご覧になった皆さんも、彼を見たときに「嫌なやつだな」と思った方も多いと思います。でも、この舞台挨拶の前にもう一度見たんですが、最後まで観ると結構可哀相なやつで、彼も「生きたい」ということで必死になってて、誰かと繋がってたいと思った結果、ああいうアプローチの仕方になってしまっていたと思うんです。
 最後に杏平に迫られたときに、ちゃんと自分の本当の気持ち「生きたい」「死ぬのが怖い」ということを伝えることができたので、彼はそこで初めて一歩前進することが出来たんじゃないかなと思い、そこで理解をしました。監督からも「松井は何かに怯えているような役だ」というのを撮影中とかも話してました。彼はあそこのシーンで一歩前進できたんだなと思います。

原田さん、本作の試写会のアンケートなどで、佐相(さそう)さんのセリフが心に響いた、という感想を多く頂いたのですが、原田さん自身、心に残っているセリフはありますか。また佐相という人をどのような人だと捉えて演じられましたか。


原田泰造: 台詞的には、ゆきちゃんを優しく見守っている上司の役だったので、いい台詞をたくさんいただきました。映画の中で「生きるというのは恥ずかしいことだ」という台詞があって、あれは僕の中で名台詞といってるんです。あのシーン好きですね。僕も恥ずかしいところがたくさんあるので、あそこはとても深く感じましたね。あのシーンの前に、岡田くんが「泰造さんいいなぁ、その台詞。ずるいな」って言われたんですが、僕は言ったんです。「これは誰にも渡さない」って(笑)。でも、それくらい僕には大事な台詞でした。

 その後、MCの加藤シルビアが、「今日は皆さまにお見せしたいものがあります。『アントキノイノチ』公式HPでは、“アントキノエガオ”と題して、皆さまからの“思い出のエガオ”を募集しておりました。また本作の主題歌を担当されたGReeeeN(グリーン)さんも、今年5月より9月まで期間限定でおこなわれました“Green boys Project”(グリーン ボーイズ プロジェクト)において、とびきりの笑顔や“希望”“願い”がこもった写真を世界中から集めました。今日は、この二つのプロジェクトで集まったたくさんのエガオのお写真で、モザイクアートを作成しましたのでお披露目とさせていただきます。このモザイクアートは、およそ1万枚の写真で作られています。“一人ひとりのエガオが集まって、大きな絆が生まれる”、そんな意味をこめて、たくさんのエガオで杏平とゆきの、しっかりとつながれた手を表現いたしました」と、モザイクアートを紹介。

榮倉奈々: すごいですね。すごいとしか言いようがないです。ちょっとみんな、どう?
岡田将生&松坂桃李: すごいですね。
原田泰造: これ暗いところは暗い写真、明るいところは明るい写真を使ってるんですね……。
瀬々敬久監督: 赤ちゃんの笑顔とかすごい素敵な写真ばかりですね。

 最後に、マスコミのフォト・セッションに入る前、瀬々監督がサプライズで、岡田将生に宛てて書いた手紙を披露。

瀬々敬久監督: 岡田君。考えたら準備、撮影、宣伝と1年近く『アントキノイノチ」に関わってきたと思います。とりあえず今日で終わりです。長い間お疲れさまでした。ちょっと寂しい気もしますが、一生会えないわけでもないですし、これからはきっと、映画が一人歩きをしてくれると思います。
 岡田くんはどちらかというと天然でボケキャラでいますが、撮影中は本当に助けてもらったと思います。撮影中に震災が起こって、大変だった現場でも、岡田くんの笑顔と子供のような無邪気な会話でみんなの気持ちがどんなに和んだことか分かりません。たぶん、そこには岡田君の心の温かさがあったと思います。
 他にも思い出すことはたくさんあります。特に文化祭での撮影の最後の日。松坂くんのアップのとき、「シーンの最初からやろう」と提案してくれた岡田君の松坂君への友情。そして、映画に対する思いは本当に嬉しかったです。あの撮影の日々を引っ張っていってくれたのは、岡田くん、君だと今でも思っています。
 僕は岡田君の生きてきた年月と同じくらいの間、監督ということをやってきました。でも今回岡田君たちと出会って、一緒にすることができ、大切なことを思い出すことができました。それは方法とかではなく、純粋な心と、真っ白な心で映画に挑んでいくということです。ありがとう。
 またどこかで。そして、また一緒に仕事をしましょう。
 2011年11月19日、『アントキノイノチ』監督、瀬々敬久!

 監督の温かい言葉に、号泣する岡田将生。

ここでキャストの皆さんからも、岡田さんに一言ずつメッセージをいただきます。


 ここで榮倉、原田、松坂から岡田に花束が贈られた。

松坂桃李: 杏平を将生君が演じてくれて僕は本当によかったと思っています。たぶんここまで来るのに大変なことがたくさんあったと思います。僕はこの作品を通して、将生君出会えたことを本当に嬉しく思っています。また一緒に仕事をしましょう。お疲れ様でした。おめでとうございます!
原田泰造: 本当に岡田くんがいて、場がすごく盛り上がって。僕も本当にやりやすかったです。小学校2年生みたいだって言ってごめんなさい。大学生になりました(笑)。
岡田将生: やったーーーー(笑)!!!
榮倉奈々: お疲れさまでした。3月から撮影が始まって、撮影はもちろん大変だったけど、いろいろな場所に行って、プロデューサーの平野さんも大変なこといっぱいさせるから(笑)、大変だったと思うけど、本当に岡田君がいてくれて頑張れました。楽しかったです。また仕事しましょう!

 抱擁する岡田と榮倉。

岡田さん、皆さんからメッセージをいただきました。いかがですか。


岡田将生: (泣きながら)俺、裏でみんなに「緊張してないだろ、緊張しろ」って言われて、「緊張しなきゃ」と思って舞台へ上がったら本当に緊張しちゃって……。こんなことあると思ってなかったし、今日もみんな“そっけないな”と思ってたんですよ。“あれ、俺に話しかけてくれないな”って思ったし、監督も目を合わせてくれなかったし……。こういうことだったんですね。ありがとうございます。

それでは、最後に主演の岡田さん、榮倉さんより会場の皆さんにメッセージをいただきます。


榮倉奈々: 本当に岡田くんの涙には涙に誘われました。岡田くんの純粋な気持ちがみんなを助けてくれた映画だったんだなと今日実感できて良かったです。また、是非大切な人と映画館で観てほしいと思います。ありがとうございました。
岡田将生: 僕はこの映画をやれて本当に良かったと思っています。こうしてずっと、キャスト、スタッフ、友人、家族みんなに支えられましたが、撮影中に震災とかがあって、すごく辛くて、“撮影とかしてていいのかな”とずっと思っていました。でも、この映画を通して、命の大切さや、人と人との繋がりなどを皆さんに届けられると信じて、映画を作りました。皆さんに僕たちの愛のこもったメッセージが届いていればすごく嬉しいです。今日は本当に来てくださってありがとうございました。

(オフィシャル素材提供)


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