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作品紹介

トップページ > 作品紹介 > 冷たい熱帯魚

2010-09-14 更新

英題:COLD FISH

冷たい熱帯魚
(C)NIKKATSU

イントロダクション

 場内に轟く割れんばかりの笑いと歓声。ワールドプレミアとなったヴェネチア映画祭はその夜、熱狂に包まれた。その後、続々と世界の映画祭でも熱狂的な支持で迎えられ、今や北野武、三池崇史等に続く世界の映画ファンが注目している日本人監督のひとりとなった、園 子温。

 新作『冷たい熱帯魚』はいままでの園作品で脈々と受け継がれ、創造されてきた圧倒的な映像と世界観が、更に昇華を遂げた作品である。国内外で高い評価の『愛のむきだし』を園子温の世界の<陽>とするならば『冷たい熱帯魚』はまさに<陰>。この2作品を観て初めて園ワールドの完成形が堪能できるといってもよい作品といえるだろう。

 本作は監督の実体験と、1993年の埼玉の愛犬家殺人事件や他の猟奇殺人事件からインスパイアされて生み出された物語。家庭不和を抱えつつ、小さな熱帯魚屋を営む主人公・社本が、同業者で人の良さそうな村田と出会ったことで、想像を絶する破滅の世界へ導かれていく衝撃の作品である。しかし本作は単なる猟奇殺人事件を映画化している作品ではない。誰しもが出来るだけ触れずに生きていきたいと願う<死>や<暴力>に対する恐れ。しかし遅かれ早かれ<死>は平等に訪れ、残念ながらこの世界はそういう<死>と<暴力>に満ちているというメッセージを、ダーク・ファンタジーの世界で形成させながら、これでもかと我々に突き付けてくる。映し出されるその世界は観る者によって悲劇とも、喜劇とも映る。

 想像を絶する世界を体験する主人公・社本を、数多くのテレビや映画に出演し、ソロパフォーマーとしても活躍している吹越 満が、現代の病んだ人間の苦悩を全身余すなきエネルギーで熱演。

 そして社本を絶望へと引きずり込む<モンスター>村田を演じるは、テレビ・映画と幅広いフィールドで活躍し、普段は人の良い役を多く演じてきたでんでんが、『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクター、『ノーカントリー』のアントン・シガー、『ダークナイト』のジョーカーなどの数多ある鮮烈な殺人鬼と引けを取らない新たな<ジャパニーズ・モンスター>村田を怪演。村田の妻・愛子を演じるのは『六月の蛇』で数多くの賞に輝き、本作でもその存在を如何となく発揮している黒沢あすか。社本の妻・妙子にグラビア等で活躍した後、近年本格的に女優として活動している神楽坂恵が妖艶にして危うげな女性を演じている。

ストーリー

 2009年1月14日水曜日、午後9時11分――どしゃぶりの雨の中を一台の車が走っていた。車内には、小さな熱帯魚屋を経営する社本信行(吹越満)とその妻、妙子(神楽坂恵)の2人。娘の美津子(梶原ひかり)がスーパーマーケットで万引きしたため、店に呼び出されたのだ。

 その場を救ってくれたのは、スーパーの店長と知り合いの男、村田幸雄(でんでん)。村田は同業の巨大熱帯魚屋、アマゾンゴールドのオーナーだった。帰り道、強引に誘われ、村田の店へと寄る3人。そこには村田の妻・愛子(黒沢あすか)がいた。

 村田は言った。「ひとつ、どうです。美津子ちゃんがここで働くってアイデアは?」

 翌朝、アマゾンゴールドには女子従業員たちに交じっている美津子の姿があった。継母である妙子が嫌いだった美津子は、素直に住み込みで働く“新生活”を受け入れていた。無力なのは社本だ。恩人である村田の、強引さに引っ張られるばかりで、為す術がない。

 そして彼はアマゾンゴールドの裏側で、恐るべき事態が進行していることを、まだ知らなかった。

(2010年、日本、上映時間:146分、R-18)

キャスト&スタッフ
監督・脚本:園 子温
出演:吹越 満、でんでん、黒沢あすか、神楽坂恵、梶原ひかり、渡辺 哲ほか

配給
日活
2011年 正月第二弾 テアトル新宿ほか全国順次ロードショー

オフィシャルサイト

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