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舞台挨拶・イベント

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『岳 -ガク-』特別試写会舞台挨拶

2011-04-25 更新

小栗 旬、長澤まさみ、片山 修監督

岳 -ガク-

配給:東宝
2011年5月7日(土) 全国東宝系ロードショー
(C)2011「岳 -ガク-」製作委員会
(C)2005 石塚真一/小学館

 山岳救助を描いたマンガ原作の映画『岳-ガク-』の特別試写会が都内で開催され、主演の小栗 旬と長澤まさみ、そして片山 修監督が舞台挨拶に登壇した。

 世界の山を渡り歩き、山を愛し、その恐ろしさも知る島崎三歩(小栗 旬)は、山岳救助ボランティアとして登山者の命を守っていた。一方、北部警察署山岳遭難救助隊に新人として配属された椎名久美(長澤まさみ)は三歩の指導をうけ、過酷な訓練をこなしていた。ある日、猛吹雪の中で多重遭難事故が発生、救助に向かった久美たちの前には、想像を絶する雪山の脅威が待ち受けていた……。

 同作は、3月23日に完成披露試写会を予定していたが、東日本大震災の影響で中止となり、今回が一般への初お披露目となった。

 小栗と長澤二人が登場すると、満員の会場は「キャー!」という歓声があがった。
 もともと原作ファンだったという小栗は、「(原作と)イメージが違っているのに、『なんで、おれなのかな?』って。」と当初はオファーに戸惑いを感じたという。しかし出演を決意してからは、「悪条件のなか、お芝居する場所を作ってくれたスタッフさんの気持ちに負けないように頑張りました」と感慨深げな様子で語った。
 そして、小栗は、被災地へボランティアに赴いた友人のエピソードを披露し「自分に何ができるか考えながら、今日まで来ました。この作品が前向きに一歩を踏み出す勇気になれば……」と真摯に語った。
 高所恐怖症だった小栗は、ランニングや食事による体作り、気温マイナス25度、風速15メートルという冬の硫黄岳での登山訓練やクライミング施設で特訓を重ねたそうだ。

 長澤は、「この作品を皆さんに楽しんでもらえる、嬉しい気持ちでいっぱいです」と述べ、映画については「人の命の尊さを、役を通じて感じることができて、一生懸命前を見て突き進んでいくことの大切さを知りました。たくさんの方に観てほしいです」と熱くアピールした。長澤は髪を30センチ切って役に挑んでいる。
 片山監督は「この作品は“生きる”をテーマにしています。作品の登場人物は皆、人のために一生懸命生きている人ばかりです。この映画が前に進む力になれば」と被災地への思いをこめてメッセージを送った。

 小栗と長澤の映画共演は『ロボコン』以来8年ぶり。久々の共演で、長澤の印象について聞かれた小栗は、「長澤さんは、もともと人見知りなのかな。最初は目も合わせてくれなかった。『ロボコン』で共演したときは、長澤さんが15歳で、僕は20歳。とてもいい関係だったのに、もうあの頃のように楽しくおしゃべりできないんだな……と感じていました」と述懐。そんな小栗のコメントに長澤は、なぜか照れ笑い。
 登山やクライミングのトレーニングで一緒の時間を過ごすうちに打ち解けていったようで、小栗は「普通にしゃべってくれたので良かった。ずっと『変わっちまったな、まさみちゃん』という思いが消えて、これはいい映画になる! と思いました」と茶目っ気タップリに話したので、会場は笑いに包まれた。

 一方の長澤も、「小栗くんも役柄なのか(8年前と)印象が違って見えたんです。『小栗くん、変わっちゃったのかな』って(笑)。(撮影で)毎日のように顔をあわせて仕事をしてみると、やはり変わらない存在でした。いつまでも、あこがれる先輩でもあり、追いかけたい先輩でもあります」と笑顔で語った。

 最後に小栗が「映画には“命は命でしか救えない”というセリフがありますが、本当にそうだと思います。(震災で)傷ついた方もいっぱいいらっしゃると思いますが、少しずつ、前向きに、みんなで頑張って生きて行きましょう!」と呼びかけ、会場は大きな拍手に包まれた。

ファクトリー・ティータイム

 石塚真一原作の「岳 みんなの山」は、「ビッグコミックオリジナル」(小学館)で連載中のマンガで、2008年に第1回「マンガ大賞」と2009年には第54回小学館漫画賞一般向け部門を受賞し、コミックスも13巻まで発行している。
 過酷なトレーニングをこなし作品に挑んだキャストたちは、スタッフと一丸になって厳しい自然の中で撮影を敢行した。そんな絆の強さが感じられる壮大なスケールの作品となっている。標高3000メートル級の名峰が並び立つ日本アルプスで過酷な雪山ロケを行った映像は圧巻だ。

(文・写真:Sachiko Fukuzumi)


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