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記者会見

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『ツーリスト』来日記者会見

2011-03-07 更新

ツーリスト

配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー中

 映画『アリス・イン・ワンダーランド』以来、1年ぶり、8回目の来日を果たしたジョニー・デップが東京で行われた主演作『ツーリスト』の記者会見に出席し、フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督と共に同作をPRした。会見にはスチールカメラマン100人、記者300人、テレビカメラ40台が来場した。

 ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーの初共演が話題の本作、ヨーロッパを旅行中のフランク(ジョニー・デップ)が、魅惑的な美女エリーズ(アンジェリーナ・ジョリー)と出会い、危険な事件に巻き込まれていく……というストーリーのロマンチック・サスペンス。


 親日家で、ファン思いで知られるジョニーは、「日本に来るのはいつもマジカルな体験。毎回滞在時間が短いのが残念だけど、日本の皆さんはとても優しく親切で温かい歓迎をしてくれて、僕が映画でかなり奇妙なことをやってもそれを受け入れてくれる。ありがとう」と笑顔で挨拶した。
 いつもはエキセントリックな役柄に挑戦することが多いジョニーだが、本作で演じているのは平凡な数学教師。役作りについては監督と撮影前に入念に話し合ったことを明かした。
 「確かにフランクは、ハイパーノーマル(超普通)な男だけれど、普通というものに潜む奇妙さや、ちょっとした狂気を演じることはとても興味深かった」と役づくりを振り返った。

 一方、ドナースマルク監督は撮影中に何度もアドリブを繰り出すジョニーに驚いたという。「本作でのジョニーの演技はまさに芸術で、単なる娯楽作品だと思って期待せずに行った人も驚くはずだ」とジョニーを褒めちぎった。


 豪華初共演で注目のアンジーについてジョニーは、「いろんな側面を持った女性で、何でも演じられる女優。地に足のついた女性で、面白くて、ショックを受けるくらい素晴らしい母親だよ」と大絶賛した。
 本作にはアンジェリーナとジョニーのラブ・シーンもあるのだが、ジョニーの家族は本作をまだ観ていないという。「映画に出たことを否定したよ(笑)。僕は演じていないし、アンジェリーナ、それって誰?って感じで(笑)」とコメントし、会場を笑わせた。

 花束ゲストに女優の真矢みきが登場。ジョニーと対面するや「あら~!!」と言葉を発し、見入っていたのが印象的だった。会見後のフォト・セッションのあと、ツー・ショットで写真を撮ってもらっている姿も見られた。

ファクトリー・ティータイム

 いつもながら、ジョニーの会見は全国からマスコミが集まり、大盛況。久しぶりに華やかな会見となった。日本には8度目の来日となったジョニーは、日本のチョコやキディランドが大好きだという。昨年来日したときにもたくさんのおもちゃを購入し、幼い娘のいるフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督にたくさんプレゼントしたという。

(文・写真:Sachiko Fukuzumi)


以下、記者会見1問1答


ひとことご挨拶を。


フォン・ドナースマルク監督: 東京に戻って来られてエキサイティングな気持ちです。暖かい歓迎をありがとうございます。以前、『善き人のためのソナタ』で来日したときは、プレスの皆様には大変いい記事を書いていただき、温かく迎えられてありがたかったです。昨日は国立博物館に行き、日本の文化にどっぷりとつかりました。ジョニーは8回目の来日と聞き、僕は2回目なので近いうちにその記録を抜きたいです。
ジョニー・デップ: みなさん、こんにちは。日本に戻ってくる時はいつも幸せな気持ちになります。いつもマジカルな体験です。ただ滞在が短すぎるのが残念です。いつも皆さん、温かく迎えてくれてありがとうございます。日本の人々は優しいです。僕が奇妙なことをやってもいつも受け入れてくださる、そういう度量があり、戻って来られてうれしいです。ありがとう。

お二人が「ツーリスト」という言葉に抱いてる印象、想像する言葉は? また、『ツーリスト』の主人公フランクが電子たばこやパジャマを持っていくように、お二人がプライベートで旅行に持っていくものとは?


フォン・ドナースマルク監督: どこかで読んだことを思い出したのですが、「ツーリスト(観光客)というのは、どこかへ行って自分が見ることを期待してそのまま見て帰る人」という定義があったんです。それに対して「トラベラーというのは、見て回ったものをそのまま見てとる」というふうに書いてあったんですね。この映画もみなさんが思い描いているのとは違います。いろんな驚きが全編を通してあり、そのことを意識してつくりました。またジョニーやアンジーと一緒の映画自体、驚きの連続です。私はジョニーの映画をたくさん見ていて、たぶん彼とは彼が出ている映画を通して30時間過ごしているのに、ジョニーのことが全然わかっていないと思いました。それだけ、ジョニーはいろいろな面を持っていて、サプライズを見せてくれる人だと思います。よって、今回の映画もサプライズがいっぱいあります。
 いつも旅行に持っていくものは……、昔の話ですが、子供の時から人形と遊ぶのが大好きで、でも男の子はタブーとされている中、どこに行くにもたくさんの人形を持っていったんです。ところが親に叱られ、ひとつだけならいいと言われて、いつも一番好きな人形をもっていったのを覚えています。
ジョニー・デップ: ツーリストという言葉から思い浮かぶのは、バミューダー・ショーツをはいたアメリカ人の観光客がパリについて、コカ・コーラをくれとか、いますぐポテトを持ってこいと命令口調でいうイメージですね。僕が演じるフランクは少しそういう部分があります。彼は凝り固まったタイプですが、次第にどういう人物かが、物語が進むうちにわかってきます。
 旅行に行く時は、僕は一枚だけ金貨をもって行きます。何かの緊急事態のために、持っていないと、金歯を取り出すことになるかもしれないので(笑)。

映画「ツーリスト」はどういう旅でしたか?


ジョニー・デップ: オファーが来たときは監督の映画『善き人のためのソナタ』を何度も見ていて、ファンでした。アンジェリーナ・ジョリーさんの映画も観ていてファンでもありました。また演じる役が興味深いと思いました。真面目で、人間的で、普通の人間の役です。普通というものが含む奇妙な部分やおもしろいもの、おかしいものをだせる役ということで、監督ともアンジェリーナさんとも非常に楽しんでやりました。

ジョニー・デップさんは、いつも特徴のある役を演じますが、今回、普通の男を演じていかがでしたか?


ジョニー・デップ: 監督とはフランクという役について、映画の前にたくさん話しました。フランクはハイパーノーマルな人、超普通の人ですが、もしかしたら、普通の人というのはちょっと狂気みたいなものを持っているかもしれないね、と。そもそも普通というのは、誰が決めるものなんだ? 何が基準なんだ? そういうことを二人でかなり話しました。フランクは、ウィスコンシン州出身の数学の普通の先生だけど、彼には変わったところもあるし、電子タバコに執着していたりします。今回の役で人間の普通さというのはどういうものかを追求しました。

ジョニー・デップさんはだますほうが多い? だまされるほうが多い?


ジョニー・デップ: 両方です。

だまされて悲しい思い出は?


ジョニー・デップ: 皆さんと同じく、だまされたこともあります。そこから教訓を学び、それは仕事にも人生につきものではないでしょうか?

それはどんな教訓?


ジョニー・デップ: だまされないようにという教訓です。

監督に質問です。先ほど、ジョニー・デップさんの起用によりサプライズがあったとのことですが、どんなサプライズですか?


フォン・ドナースマルク監督: 撮影中、ジョニーは常に即興をしていました。前からそういうことをする人だと分かっていたのですが、どの程度、どこまでやる人なのかはわかっていませんでした。本当にいろんなことを試すので、もしNGバージョンを集めて映画を作ったら18歳はおろか、21歳クラスにしか観せれない作品になってしまう。それぐらいいろんなことをやってくれました。いつも僕は驚かされていました。ジョニーは極端な役が多い俳優さんですが、どんな演技もできます。一番驚いたのは、この映画で非常に微妙な、パッと見ただけではわからない狂気さを抱えた人を見事に演じたことです。殺人を犯した人の隣人に聞くときまって「あの人は普通の人だった」とよく言いますよね。ちょっとクレイジーになる可能性をもった普通の人の性格を、大げさでなく微妙に見せている。彼はマッド・ハッターやウィリー・ウォンカそしてエド・ウッドのような特徴的な役だけでなく、その「真逆」もできるということを、今回は見せてくれました。

 ジョニーの演技についてもう一言。彼の演技は芸術的です。『ツーリスト』を娯楽作品と思って、芸術を期待しないで観に行った人も、たぶん驚かされると思います。ジョニーの役は派手な役ではなかったのですが、よく見ないとわからないような微妙な演技を、非常に素晴らしい演技をしています。私の前作『善き人のためのソナタ』と同じぐらい、そういう題材があれば、そこで素晴らしい演技を見せてくれると思います。皆さんが期待しないところでも、いろんなことをやられています。たんなる娯楽作品と思って観に行くと芸術の発見ができるという、ジョニーと素晴らしい経験ができました。

アンジェリーナ・ジョリーとジョニーさんは初共演ですね。彼女の魅力は?


ジョニー・デップ: アンジェリーナさんはいろいろな側面を持った方ですし、言わずと知れた素晴らしく才能のある女優さんです。彼女はなんでも演じられると思います。今回共演して発見したのは、地に足がついてしっかりした、とても頭がいい、そして面白い面もあり、そしてショックをうけるぐらい素晴らしいお母さんでもあるということ。あれだけパパラッチに囲まれた生活でも冷静さを失わないクールな側面をもっています。僕が彼女のような生活を送るとしたら、何をしていたか分からない、今頃刑務所に入っているかもしれないな。いろいろなことをこなしていける素晴らしい女性であり、素敵なお母さんです。

映画のフランクのようにジョニーさんが傷心旅行に行くとしたら、日本ではどこへ行きますか?


ジョニー・デップ: 完璧な旅行というのは日本の文化を深く知るということだと思います。京都はいまだに行ったことがないので、実現したいと思います。日本の古い文化に非常に興味があり、深く入り込みたいと思います。ということは、タイム・トリップしないといけないかもしれない(笑)。

日本でどんな女性に出会いたいですか?


ジョニー・デップ: まず日本女性であること。しかも日本的な日本女性がいいです。タイム・トラベルの話もしましたので、17世紀にいたような日本の女性。そういう心をもった方がいいです。

この映画の撮影をきっかけにベネチアに家を購入したそうですが、その魅力は? また8回目の来日で楽しみにしていることは?


ジョニー・デップ: 映画を撮影していた2~3ヵ月間ベネチアに滞在しましたが、素晴らしい街でした。噂で僕が買ったと言われているようですが、買えばよかったなと思います。いつかは買いたいです。他の人が僕のふりをして買ったのか定かではありませんが、大好きな街です。
 日本には8回来ています。94年にジム・ジャームッシュと『デッドマン』で初来日してから、何回も来ています。東京の思い出を常に持って帰り、いろいろな素晴らしい人たちとの出会いもあり友達もたくさん作りました。常に素晴らしく魅力的なことを発見し、何かを学びました。日本に来ることが私にとって楽しみでもあります。

ぜひ、日本にも家をご購入ください。


ジョニー・デップ: 売り出し中のいい物件あります? 連絡ください(笑)。

この映画のラブ・シーンについて、ご家族になんと話しましたか?


ジョニー・デップ: 僕はこの映画を撮っていないと言いました。何も覚えてないし、「アンジェリーナ? え、なんだっけ? もう、忘れたよ。僕はこの映画に存在していないから、僕の姿は見られないよ」と言っています。いつか観るとは思いますが、その話題は避けました。

この映画はどんな映画からインスパイアされたのか? 『ツーリスト2』があれば日本でやる企画はないですか?


フォン・ドナースマルク監督: 『ツーリスト2』があれば、日本で撮影します。今、決まりました(笑)。
 この映画を作るのにあたり、僕もジョニーも、アンジー、プロデューサーのグラハム・キングも観客へのラブ・レターとしてこの映画をつくりました。各々が持っている最高のものをつぎこみ、美しく、優しく、そして楽しいものをつくろうと思いました 。様々なインスピレーションを受けています。子供の頃に好きだったものも入れ込んでいます。変に凝らないカメラ・ワークとか色へのこだわりとか、批評家好みを省き、シンプルなものをつくろうとしました。パリやベネチアを2人の美しい旅行者と観客が一緒に旅行しているような気分の映画です。観客から微笑みがこぼれるような映画をめざしました。

昨日、空港でファンの子から「コアラのマーチ」をもらっていましたが、日本のお菓子のなかで一番好きなものは?


ジョニー・デップ: 僕は昔からチョコレートが大好きです。チョコレート中毒。日本にはおいしいチョコレートがいっぱいありますので、どれが一番とか決められないです。
フォン・ドナースマルク監督: チョコ中毒と同時におもちゃ中毒でもあるでしょ。この映画の撮影を開始したのは、ジョニーが日本から戻ってきたばかりで、私の娘たちにおもちゃをいっぱい買ってきてくれたんです。だから彼とは永遠に盟友ですよ。
ジョニー・デップ: キティランドが大好きで、いつも誰かに追い出されるまでいるんですよ。

もうチョコを食べましたか?


ジョニー・デップ: 食べましたよ。またこの後も食べます。

真矢みき、花束ゲストとして登場


フォン・ドナースマルク監督: 真矢みきさんには続編にでていただこうと思います。

映画の感想は?


真矢みき: とにかく初めての感覚でした。はじめロマンスからはじまり、そしてミステリーへと入っていき、そしてコメディ?と思い、そしてまたミステリーに戻り、そして大どんでん返しで、最後に究極のロマンスに戻りました。素晴らしかったです。
 島国に育った日本の私としては、ヨーロッパの美しさが陸続きで、だんだん駅ごとに言語が変わっていく美しさも魅力的でした。汽車の揺れと一緒にフランクの心がエリーズに揺れていき、自然にベニスに着くのが魅力的だと思いました。
ジョニー・デップ: 自分の作品をほめられるのはいい気分です。このように才能ある素敵な方にいわれるのがうれしいです。
真矢みき: 何が素晴らしいかって、これがジョニー・デップさん?と思えるぐらい、ジョニーさんが普通の男性を演じているのが素晴らしいです。もしかして、双子ですか?
ジョニー・デップ: 今回は自分でも驚くぐらい普通でしたが、先ほど記者会見でも話しましたが、普通というのはどういうものか、普通の中にもちょっと奇妙な部分を微妙に出し、常に工夫しました。


(オフィシャル素材提供)


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